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Robin Beck - Hide Your Heart (1989)

Ace Frehleyの訃報を聞いて思い出した曲は、数あるKissの有名曲ではなく、Kissと(当時は脱退していた)Aceがほぼ同時期にカバーしていたHide Your Heartでした。この曲はDesmond Child, Holly Knight, Paul Stanleyの共作で、KissのアルバムCrazy Nightsに収録予定だったものの実現せず、その後Desmondが制作を手がけたBonnie Tylerのアルバムのタイトルトラックとなりました。結局Kissは次作Hot In The Shadeにこの曲を収録し、当時すでに脱退していたAceもアルバムTrouble Walkin'でこの曲をとりあげたのですが、バンドを脱退したメンバーとそのバンドが、同じ曲をほぼ同時に制作するとことが珍しかった印象があります(他にありましたっけ?)。

で、今回紹介するのはその誰でもない、Robin Beckによるヴァージョンです。Robin Beckは89年にFirst Timeを(コカコーラのCM曲としてですが)全英No.1に送り込んだシンガーです。

このヒットを受けて制作されたアルバムTrouble Or Nothingがメロディック・ロック、いわゆる産業ロックの宝庫ともいえる出来栄えで、Hide Your Heartはその1曲目に収録されています。

元々Holly Knightの曲は女性ヴォーカルと相性が良く(例:Heart - Never, Scandal feat. Patty Smyth - The Warrior)、イントロから転調してヴァースに入るHollyお得意のパターンは、Bonnie Tylerほど強烈でない彼女の方が合っているとも思えます。

アルバムはほとんどをDesmondのプロデュース曲であり、他の曲も粒揃い。2曲目はDiane Warrenの書き下ろしDon't Lose Any Sleep。後にStarshipやJohn Waiteがカバーしています。

3曲目はやはりBonnie TylerのカバーとなるDesmond作のIf You Were A Women (And I Was A Man)。後にDesmondが再構築しBon JoviがYou Give Love A Bad Nameとして大ヒット、2023年にはポップ・シンガーのAva Maxがさらに発展させKings And Queensとしてヒットさせています。

5曲目Save Up All Your TearsはまたまたBonnieのカバーで、後にCherが大ヒットさせる曲。6曲目A Crazy World Like Thisは最強ソングライティングチームTom Kelly & Billy SteinbergがPat Benatarに提供した曲。7曲目Tears In The RainはDesmondとDianeの豪華共作で後にJennifer Rushがヒットさせます。このようにアルバムの大半が過去に実績のある曲や後に大ヒットとなる曲であり、アルバム全体のポテンシャルはかなり高いと感じられます。

残念ながらアルバムはFirst Timeのヒットの勢いに乗ることができず、後続のヒットも出ませんでした。その後の活動もあまり華やかとはいえず、歌唱力やルックスだけでなく人脈やチャンスまで恵まれ、実際に大ヒットを出したものの一発屋扱いになっているところが寂しいです。

今年は久々にアルバムをリリースしています。この曲なんかいい感じですけどね。

ということで曲というよりアルバムの話になってしまいましたがこの辺で。


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