「時の輪のネコ勇者レオ」🆕第1話 ルーメン祭と砕けた輪
10月6日追記遂にLINEスタンプ販売開始致しました‼️
本編共々、お手に取って頂きお楽しみ下さいませ‼️
2025/09/12バージョンアップ!
お待たせ致しました。
プロンプトやgenID統一の厳しい壁に阻まれ時間食っておりましたが、ようやく旧作をリメイク出来ました‼️
旧作はコチラ
分かりづらくなってしまっていた部分を徹底的に直してボリューム感を一気に出せるように致しました。
それ故にに1話1話が少し長文になりそうなのですがそこはご了承下さい💦
イラストのパワーアップも兼ねて足りない部分は今後も追加して参ります、それでは本編をどうぞ‼️
20250915追記
メインキャラクター レオ
ルーメン地方の片隅にある小さな村、アルトの里。
その広場は、年に一度の “ルーメン祭” でにぎわっていた。
屋台の油がはぜ、甘い果実の串が炭の上で焦げ目を帯びる。
笛と太鼓が交互に鳴り、子どもたちは走り回って歓声を上げる。
広場の中央には小さな祭壇があり、そこには “名繋ぎの剣《ネームバインド》” が立てかけられていた。
アルトの里で代々受け継がれてきた象徴の剣だ。
「天環《ルーメン・リング》の加護を守るための剣」と呼ばれはするものの、今では飾り扱い。
祭りの日に人々が酒を飲みながら眺めるだけだった。
けれど、ぼくは昔から、あの剣に妙なざわめきを感じていた。

“名繋ぎの剣《ネームバインド》”が立てかけられている
頭上には、いつもと同じように “天環《ルーメン・リング》” が浮かんでいた。
夜空を静かに横切る巨大な光の環。
太陽でも月でもないのに、太陽や月と同じくらい当たり前に、空の高みで淡く光っている。
「レオ、また輪ばっかり見てる。鈍くさい顔、さらに鈍く見えるよ」
幼なじみのオオカミ男トマが笑いながら、串を一本突き出した。
「はい。食え。食えば少しは地上を見るだろ」
「悪い。今は要らない」
ぼくは首を振り、空から目を離せなかった。
細い耳がぴくりと震える。
天環 の光が、さっきから妙に呼吸している。
生き物みたいに、わずかに明滅し、胸の奥をゆさぶってくる。
⸻
「レオって、ほんと変わってる」
トマの隣で、肩に小鳥をのせたエルフの少女ミナが笑った。
「輪はきれい、以上!そんだけ!
纏わった昔話はおじいの役目。ね? おじい」
屋台の影で酒をすする老職人が、からからと乾いた笑いを漏らした。
「むかしむかしだ。輪は“時の番人”って呼ばれてな。昔は “時の王《クロノス・レクス》” という者がいて、天環 を守り、暦を正しく繋いでいたそうな。
昨日と今日を結び、名前と約束を落とさぬよう、天の上で見張っていたんじゃ。
輪があるから、朝は朝になり、夜は夜になる。
輪があるから、わしらはわしらでいられる。
そういう話よ」

オオカミ少年トマ
いつも、そこにあった。
このアルトの里で生まれてから、ぼくは毎日、天環を見上げて育った。
輪は変わらない。
変わらないから、誰も疑わない。
けれど今夜の輪は、どういうわけか、ぼくの胸の内側から音を立てていた。
鈍い、遠い、軋むような音。
「なあトマ、聞こえないか」
「何が?」
「輪が、鳴ってる」
その瞬間だった。
夜空の高みで、天環《ルーメン・リング 》の光が一度だけぐっと暗み、次の瞬間、稲妻のような裂け目が表面を走った。
ざわ、と広場の空気が揺れる。
人々が見上げる。
だがすぐに、子どもたちが歓声を上げた。
「流星群だ!」
「吉兆だぞ!」
笑い声と足拍子が戻っていく。
輪の光は、ふたたび穏やかな輝きに見えた。
けれど、ぼくの耳にはまだ音が聞こえていた。
——軋み。
ひびは増え、やがて輪は砕けた。
光の破片が流星の雨となって降り注ぐ。
人々は「神の贈り物だ!」と歓声を上げ、手を伸ばす。
触れれば破片はすぐに消え、指先だけが白く染まった。
胸の奥が、きゅっと縮まった。
痛みに似た冷たさが、心臓を締めつける。

レオだけが嫌な予感を察知している
「ねえ、この子……なんて名前だったっけ?」
ミナが肩の小鳥を撫でながら、不思議そうに言った。
「え、ミナ、昨日まで呼んでただろ?」
トマが笑うが、その笑顔がすぐに曇る。
「……あれ? 俺……昨日、何してた?」
笑い声が揺らぐ。
ひとり、ふたりと、同じように首をかしげる者が増えていく。
「祭りの飲みすぎだ!」
「気にするな!」
冗談交じりの声が広がるが、空気の奥底には、冷たいざわめきが忍び寄っていた。
昨日が削れていく感覚を、ぼくだけがはっきりと理解していた。

皆、名前を呼ぼうとするが出てこない
老職人が、空を見上げてつぶやいた。
「……番人を失えば、ルーメンも、アルトも……ほどけて消える……」
白い霧が広場を覆い始めた。
屋台が、灯りが、祭りの音が、霧に呑まれて消えていく。
足元が急に冷たくなり、霧が絡みつき、ぼくを何処かへと引きずろうとする。
「いやだ……!」
その時だった。
祭壇の “名繋ぎの剣《ネームバインド》” がまばゆい光を放ち、ぼくの手に吸い込まれるように収まった。

ただの飾りだと思われていた剣。
だが今、刃は熱を帯び、柄に刻まれた古い文字が浮かび上がる。
“名”を記す文字。
けれど霧のざわめきにかき消され、少しずつ読めなくなっていく。
「やめろ……消えるな!」
必死に握りしめた。
この剣は、名を繋ぎとめる鍵。
本能でそう理解した。
「レオ!」
背後からトマとミナの声。
振り返ろうとした瞬間、霧が強まり、体は前へ引き倒された。
霧は渦を巻き、すべてを呑み込もうとしている。
必死に剣を突き立て踏ん張る。
だが霧の力は強く、体ごとどこかの空間へと引きずられていく。

白い帳の奥に、石造りの長い廊が見えた。
無数の扉が並ぶ、“時の回廊”。
その手前に、一つの影が立っていた。
鏡のような光の膜に映る、もう一人のぼく。
同じ耳、同じ髪、同じ剣。
ただし、その目だけが知らない色をしている。
影のぼくは無言で剣を持ち上げた。
——ここを越えなければ、何も戻らない。
ぼくは頷いた。
剣を握り直し、一歩を裂け目の向こうへ踏み出した。
世界が、裂ける音を立ててレオを飲み込んだ。
続く
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勇気づけられます‼️ありがとうございます😭