「冒険の書」を持って、受診しよう。
自分が感じている「痛さ」を、
病院でしっかり伝えることって
案外難しい。
「痛い」って。
病院に行くまでは痛いなぁって思っていても。
先生の前に座ると。
「大丈夫です」
そんな風に言う方が多い。
診察室の空気清浄器から鎮痛剤噴き出しているのではないかと、
ひそかに思っている。
わたしはこの不思議な現象を、
「診察室、痛みゴースト現象」と、こっそり名づけています。
改めまして、こんにちは。
訪問看護師・医療ライターの言ノ葉 結(このは けい)です。
生活の場に伺う看護師として、この「痛みゴースト」をどう攻略し、あなたにピッタリの「やくそう」を手に入れるか、その方法を紐解いていきます。
なぜ、「痛みゴースト現象」は起きてしまうのか?
ではなぜ、
診察室の丸椅子に座ると、
「大丈夫です」と言ってしまうのでしょう。
まずは、
絶対的に
「アウェイ」
これが一番大きいと思っています。
敵陣数万のサポーターがいる中に、
試合に行くような感じ?
まぁそもそも、病院なんて
喜び勇んでいくところではない。
待ち時間長いし、早く帰りたい。
診察室に入る頃には疲れ切ってて。
もうなんか、めんどくさくなっちゃって。
結果。
必要なことが伝わりにくくなってしまうという側面があるんじゃないかな。
あとは、
「遠慮」
しなくていいのに!!!!!
だけど。
中には、なかには、だよ。
ずーっとパソコンの画面だけをみて
患者さんと目が合うことはなく。
白衣を着て
メガネの奥は笑ってない。
そんな先生がいたり、いなかったり。
つまりは、言いにくい空気、
あるよ、わかるよ。
いやもう、はっきり言う。
イルヨ、ソウイウ先生。
だけど。
痛み止めに限らず。
必要な薬が処方されなければ、
困るのは、自分自身。
もしかして、
夜間救急にいくことになるかも、しれない。
そうならないために。
自宅のソファでゴロゴロしている時に感じる痛みを
診察室に連れていく方法を
一緒に考えていきたい。
最強の相棒「冒険の書」の書き方と呪文
まず、あなたの手元に痛み止めがあるのならば。
そしてすでにそれを使っているならば。
①何月何日の何時に使ったか
②なにをしているときに痛くなって使ったか
③効いてくるまで要した時間
④どのくらい効果があったか
これをメモしておくことを勧める。
これがあなたにとっての
「冒険の書」
そして、最大のミッションは──
このメモを、優しそうな受付のお姉さんに渡すこと。
この時の呪文は。
─シンサツノトキ、センセイニミテイタダキタイコトカイテキマシタ─
「診察のとき、先生にみていただきたいこと書いてきました」
一握りの勇者は、診察室で直接主治医へ渡しても、もちろんヨシ。
すると、それは必ず、医師の目に留まることになる。
万が一、あなたが。
鎮痛剤が仕込まれた、
診察室の空気清浄機を大量に吸い込んだとしても。
家で感じた痛みは、
しっかり伝えられる。
そして、手元に痛み止めがないならば。
様子をみていなくてもいい。
◯何をしている時に、どのくらい痛いのか
できればこれを書いたメモを握りしめて。
早めに受診してほしい。
診察室では
空気清浄機の吹き出し口に注意をし。
痛み止めを処方してもらうこと。
あなたにとっての
「やくそう」を、
手に入れましょう。
わたしたち医療職は、あなたと「パーティー」になりたい
わたしたちが、診察室のドアを開けているつもりでいても、
廊下の向こう側からみると。
閉まっているように見えてしまうのかもしれない。
それはわたしたち医療職が、
もっともっと、意識していく必要がある。
同時に。
自分の大事な身体のこと。
少し言いにくいかもしれないけれど。
勇気を持って
話してください。
伝えてください。
メモ、渡してみてください。
痛みは、身体だけでなく。
時に、心もすり減らします。
だから、
空気清浄機のパワーに押されそうな日には、
「冒険の書」があなたの相棒。
わたしたち医療職は、
あなたと「パーティー」になりたいと思ってます。
ぜひ一緒に、「診察室、痛みゴースト現象」を
攻略しましょう。
執筆者プロフィール
言ノ葉 結(このは けい)
訪問看護師・医療ライター。
看護師として約30年、現場の景色を「わかる言葉」に翻訳してきました。
病気の前でぽつんとしている方や、少ししんどい看護師さんがふらりと立ち寄れる「休憩所」のような言葉を綴っています。
また、ライフワークの一環として、ACP(人生会議)を広める活動をしています。エンディングノート認定講師。
【お仕事のご依頼・お問い合わせ】
医療・介護のコラム執筆や、暮らしのエッセイ、講座のご依頼はホームページより承っております。あなたと「パーティー」を組むような気持ちで、丁寧にお手伝いいたします。
