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マーケティングって結局何?──価値と事業の“境界”を捉え直す【序章】

こんにちは!
中卒プロ会社員|構造と思考のデザイナー、ケイです。

突然ですが、マーケターの方に質問です。

「マーケティングって、結局何?」

この問いに、あなたは自信を持って答えらますか?

おそらく、胸を張って答えられる人はあまり居ないのではないでしょうか。私もこれは同様です。

マーケティング界隈には、なぜかこの質問を、なんとなく「素朴に聞いてはいけない空気」があります…。

「そんな基本も知らないの?」と言われそうですし、中々聞くこともできないですよね。

且つ、定義を語ろうとする人ほどエセっぽく見えるような、そんな暗黙の了解が存在しているような気がします。

結果、みんなが「なんとなくわかったふり」を続けている。でも、その"わかったふり"が積み重なった先に、真の理解は待っていません。



✅ "わかったふり"が全体像を消す構造

現場のマーケティングの話は、極端な断片だけで語られがちですよね。

  • プロモーションの話しかしない

  • 「マーケットイン/プロダクトアウト」で語り切った気になる

  • ブランディングやインサイトを語るが、PLの話には触れない

どれも部分的には正しい。
でも、点と点が繋がらないまま断片だけが積み上がっていく。

正直、この状態にずっと違和感がありました。

近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏の本を読んでも、手段的な部分に納得感はあるものの、完全解消に辿り着くことができない。

ですが批評するだけでは卑怯ですから、私はこのシリーズで、先日公開した「原理原則の思考」を用いて、この難解な「マーケティングとは?」という問いに対する「自分なりの答え」を出す挑戦をすることにしました。


✅ マーケティングを成立させる二つの論理

いきなり「マーケティングとは」を語ろうとしても無理があります。

なぜなら、マーケティングが扱う対象である「価値」「事業」は、まったく別の論理で動いているからです。この二つの論理は、しょっちゅう矛盾します。むしろ、矛盾するのが当たり前です。

このシリーズでは、マーケティングを解き明かすために、まず次の二つの構造を明確に切り分けます。

  • 価値の構造(人の内側): 人が「なぜそれを欲しいか」という感情と変化の論理。

  • 事業の構造(ビジネスの外側): 価値提供が「どう利益を生み、拡大するか」という商業の物理法則。

片方だけを語ると、必ずどこかが破綻します。
だからこそ、私たちはこの二つの「土台(OS)」を別々に解剖する必要があります。



✅ 価値の構造:不変な仕組みと、可変な対象

価値について「普遍的なもの」という言い方をされることがありますが、これは正確ではありません。

不変なのは、価値が生まれる「仕組みそのもの」です。

価値とは、人の内側で起きる「Before→After」の変化です。そして、この変化のエンジンは二つしかありません。

  • Pain(痛みを減らす): ストレス、不安、不満といった「マイナス」をゼロに近づける変化。

  • Gain(快を増やす): 喜び、達成感、満足といった「プラス」を増幅させる変化。

しかし、「人が何にPainを感じ、何にGainを感じるか」は、無限に変わり続けます。その理由は、私たちが生きている世界が常に動いているからです。

仕組みが不変で、対象が可変。

この二層構造を押さえるだけで、価値の世界が急にシンプルに見え始めます。

🔻 価値の対象を変える三つの力

  1. 時間(Time):
    人は年齢、役割、環境で変わり続けます。人生フェーズが変われば、価値観も変わる。あなたも十年前と今とで、欲しいものが変わっていませんか?

  2. 文脈(Context):
    状況そのものが、価値を一瞬で変えてしまいます。例えば、コーヒーが朝と夜で別の価値を持つのはこれです。文脈は、価値を瞬間ごとに再生成する「時間の細胞」のようなもの。

  3. 人の入れ替わり(Generation):
    まだ価値判断をしたことがない人が、毎日生まれてきます。人類全体として、価値の地図は常に更新され、対象は尽きることがありません。

この三つの力が掛け算になるからこそ、マーケティングの探求は面白いんです。

※ペインとゲインは、『バリュー・プロポジション・デザイン』にて、アレックス・オスターワルダー氏が2015年に提唱した概念です。


✅ 事業の構造:価値で儲けるという物理法則

一方で、ビジネスは人間の感情とは別のルール、すなわち「物理法則」の世界で動いています。

ビジネスとは、価値を提供し、対価を得て、再投資し、拡大するという構造そのものです。

  • 消費者は「良いものを安く」求めます。

  • 企業は「利益と拡大」を求めます。

この構造が、人間の価値感情(内側の論理)とは別のルールで動くため、しょっちゅう衝突が起こる。

プロダクト品質、ブランディング、広告の精度。
これらはすべて、「儲けやすくするための装置」として求められるようになります。

そして現代、この事業の論理にさらに強烈な外圧が加わっています。



✅ AIと速度:組織の意思決定を追い越す価値の変化速度

AIによって、価値の更新速度が異常なスピードで上がっていますよね。

TikTokのようなプラットフォームは、人間の脳に合わせて価値を供給し続け、「常に価値が更新される前提の世界」を生み出してしまいました。

価値の変化速度は早くなる。しかし、組織の意思決定速度はそのスピードについていけない

この「速度差」が、事業を静かに、確実に消し去っていきます。現代のマーケティングは、この速度差をどう埋めるかという戦いでもあります。



✅ マーケティングとは「境界で二つの論理を接続する仕事」という仮説

価値の論理(人の内側)と、事業の論理(ビジネスの外側)。

この二つの論理を行き来し、時にはぶつかり合う矛盾を扱うのは、マーケティングという職能だけです。

  • 価値を知らずに事業をやると、短期的な視点に陥る。

  • 事業を知らずに価値だけ語ると、ただの理想論に終わる。

資本主義でビジネスをやる以上、最終的にはPL(損益計算書)に立たざるを得ません。でも、価値の論理を捨てた瞬間、そのビジネスは意味を失ってしまう

つまりマーケティングとは、価値と事業の「境界」に立ち、二つの論理を接続し続ける仕事ではないだろうか?

この「境界としてのマーケティング」という視点を持つと、マーケティングは単なる「手法」や「スキル」ではなく、「構造を扱う仕事」だと捉え直すことができるので、まずはこれを仮説として設定し、進めてみたいと思います。



✅ このシリーズで挑戦したいこと

このシリーズは、マーケティングという複雑な世界をどう読み解き、どうつなぎ直すかを探す旅です。

そして、その旅路をあなたと共有するための試みです。

私はマーケティングの大家でも、学術的な専門家でもありません。だからこそ、一度すべてを分解し、自分なりに構造として理解したいと考えました。

これは、AI時代のマーケティングを定義するための、私なりのチャレンジそのものです。

やりたいことは、以下の通りです。

  1. 「価値とは何か?」をPain/Gainの仕組みから土台として言語化する。

  2. 「事業とは何か?」を、価値で利益を生み出す商業の物理法則として整理する。

  3. その上で、価値と事業の境界に立つ「マーケティングの構造」を捉え直す。

バラバラの情報ではなく、一本の線でマーケティングの全体像を語り直したいと考えています。



✅ 次章:「価値」とは何か──"変化"として読み直す

ここから本編が始まります。

まずは、最も変動し、最も見えにくい「価値」の土台をしっかり押さえるところから始めましょう。

  • 価値=変化(Before→After)

  • Pain / Gainの不変な原理

  • 文脈(Context)が価値を再生成するメカニズム

この要素が見えた瞬間、あなたのマーケティングの世界は、まったく違うものに見えてくるかもしれません。

それでは、第1章へ進みます。

是非、続けてお読みください!


読んでいただき、ありがとうございました。
気に入っていただけたら、スキ・コメント・フォロー、お待ちしています!

またね。


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