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電気は止まらなかった。でも安心ではない。」中部電力への不正アクセスが示す現実

「電気は止まらなかった。でも安心とは言えない。」中部電力への不正アクセスから考えるサイバー攻撃の現実

電気は止まらなかった。

システム障害も起きなかった。

ランサムウェアでもなかった。

だから安心なのか――。

私は、このニュースを見て「本当に見るべきポイントはそこではない」と感じました。

中部電力は、不正アクセスにより約7万4000人分の個人情報が漏えいした可能性があると発表しました。

幸い、電気・ガスの顧客情報や電力供給への影響は確認されていません。

しかし、このニュースは日本の重要インフラが抱える課題を改めて浮き彫りにしています。



「止まらなかった」は成功ではない

最近のサイバー攻撃は昔とは違います。

以前は、

* システムを止める
* ランサムウェアで暗号化する
* サービス妨害を行う

といった「目立つ攻撃」が中心でした。

しかし現在は、

「気付かれずに侵入し、情報だけを持ち出す」

攻撃が増えています。

つまり、

システムが正常に動いていても、

攻撃者は内部にいる可能性があるのです。



今回の原因は「識別情報」

今回、中部電力は

システムへアクセスするための識別情報が不正利用された

と説明しています。

ここが非常に重要です。

これは、

* ID・パスワード
* 認証情報
* アクセストークン
* アカウント情報

などが何らかの形で悪用された可能性を示しています。

サイバー攻撃は「システムを壊す」のではなく、

「正規ユーザーになりすます」

時代になっています。



発見したのは第三者機関

今回もう一つ気になったのが、

第三者機関からの指摘で発覚した

という点です。

もちろん外部監視は重要です。

しかし理想を言えば、

企業自身が最初に異常を検知したいところです。

現在のSOC(Security Operation Center)では、

24時間365日の監視が当たり前になりつつあります。

それでも見逃してしまうほど、

攻撃は巧妙化しています。



インフラ企業だからこそ狙われる

電力会社は社会インフラです。

もし今回、

個人情報だけではなく、

制御系システムまで影響が及んでいたら…。

社会への影響は計り知れません。

だからこそ、

電力・通信・金融・医療・行政は、

「止められないシステム」

として、他業種以上に高度なセキュリティ対策が求められます。



「ゼロトラスト」の考え方が必要

今回のニュースを見て改めて感じるのは、

「社内だから安全」

という考え方は、もう通用しないということです。

今後は、

* 多要素認証(MFA)
* 最小権限の原則
* 不審なログインの検知
* 端末ごとの認証
* AIを活用した異常検知
* ゼロトラストセキュリティ

こうした対策が、企業の標準になっていくでしょう。

「一度ログインしたら信用する」のではなく、

「常に確認し続ける」

それが現代のセキュリティです。



私が感じたこと

私はIT運用の現場にいます。

障害が起きると、「止まったかどうか」に注目されがちです。

しかし、本当に怖いのは、

止まらずに静かに侵入されること。

利用者は何も気付きません。

企業も異常に気付かない。

それでも情報だけが少しずつ持ち出される。

これが現在のサイバー攻撃の現実です。

今回、中部電力では電力供給への影響はありませんでした。

それは幸いでした。

しかし、この出来事は「安全だった」という話ではありません。

「攻撃されることが前提の時代」

その現実を、私たちは改めて認識する必要があるのではないでしょうか。

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