平岡瞳版画展 「景色いろいろ」 オンラインショップで販売をはじめます
今年の4月26日から5月9日まで当店ギャラリースペース アテリにて版画家・平岡瞳さんの展示を開催いたしました。「景色いろいろ」というタイトル通り、大小の様々な版画にみる美しい景色はギャラリーの一角をぽっと優しく灯してくれていたように思います。そして展示終了に伴い、このたびオンラインショップでもその世界をご覧いただきたく販売を継続して行うこととなりました。ゆっくりとお楽しみいただければ幸いです。
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※写真はすべて会場風景となります。オンラインではご紹介のない品もございますので事前にご了承ください。

今回の平岡さんの展示について、少しだけお話ししますと…。
そもそも、これを書いているスタッフのわたし自身がかねてより平岡さんのファンであったことが始まりでした。一番最初は平岡さん自身が制作した冊子や参加している同人誌など紙媒体で名前を知り、その素朴であたたかみのある、同時に洗練さと透明感を感じる作風に強く惹かれ版画作品そのものにも触れるようになっていき、そして思い切って展示のお声かかけをして…という成り行きなのですが、それだけに今回の展示の実現は店としてだけでなく、個人としても大変嬉しく感じたものです。

会場は様々な作風、様々な色彩で満ちていました。
たとえば雪やスノードームなどのモチーフからなる冬景色を描いた一連の作品、これらはすでに平岡さんの版画の代名詞にもなっているのではと思います。今回販売する作品の中にもそういった冬や雪を描いたものは多くありますが、平岡さんご本人もそれらには昔から惹かれるものがあるとのこと。青を基調とした色合いが不思議なあたたかみを醸し出す世界をぜひご覧ください。私的なことですが、雪国育ちのわたしは平岡さんの雪をみるとなんとも言えない懐かしさを感じます。版画という手法がよりいっそう、そういった何かを包み込んでいるのかもしれません。


一方で、今回は俳人・木内縉太(きのうちしんた)さんの句にあわせた版画作品も制作展示され、こちらはまた少し違った雰囲気でした。
「雪の夜や子の眠るまで読む絵本」
「大木や音符のやうに小鳥たち」
ひとつひとつの俳句に添えられた同じく優しい景色は、青もあれば淡い暖色もあり多彩なグラデーションに満ちています。言葉が先にありそれに合う風景を考える。平岡さんならではの見え方や感性が伝わるような一連の作品もとても素敵です。いつかのどこか、誰かがみた風景。そんな遙かな思いが込められている気がします。

また今回の作品展では、先頃刊行された絵本『ゆうぐれ』の元版や制作過程を知ることのできる貴重なファイルなども同時に展示されました。こちらは冬の青とは異なり、美しい夕焼けと暮れなずむ中での人々の表情を描いたオレンジ色の優しい世界です。青とオレンジ、この対比も会場の嬉しい彩りとなってくれました。今回のオンラインショップでの販売では『ゆうぐれ』関連の作品はございませんが、ぜひまた絵本そのものもご覧いただければと思います。オンラインショップは こちら。

そしてこれは余談ですが。平岡さんは当店でもロングセラーとなっている、京都在住の作家・山田稔さんの著作『門司の幼少時代』(ぽかん編集室発行)にも装画とイラストレーションを提供しています。こちらで描かれた風景もまた版画とは異なるタッチで、昭和の町の遠い遠い景色が懐かしさを誘い、本の内容とあいまって大変好評でした。よろしければぜひ店頭あるいは オンライン ショップ でご覧ください。

以上、思い入れも含めて少し長くなってしまいましたが、当店では初の展示となった平岡瞳さんの世界。オンラインショップでどれだけお伝えできるかは未知ですが、ぜひじっくりとご覧いただければ嬉しく思います。また、少しですが雑貨として手彫りハンコも販売いたします。こちらもとても素敵ですよ。版画、ハンコとともに1点ずつのみの販売ですので売り切れの際はどうぞご容赦ください。皆様のお気に入りが見つかることを願っています。
(スタッフ能邨)
平岡瞳
主に木版やゴム版の技法を使って、絵本や教科書の挿絵などを制作。年に数回、展示会やイベントを開催。『まっくろいたちのレストラン』(島本理生/文 滝井朝世/編、岩崎書店)『まいごのてがみ』(石井睦美/文、世界文化社)で絵を手がける。初めて作・絵を手がけた絵本『ゆうぐれ』(小学館)がある。
https://hitohito1103.jimdofree.com
