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『幸せ』って何だろう? 結婚相談所で働きながら感じたこと。



結婚相談所の片隅で、僕は「本当の幸せ」を探していた



プロローグ~「結婚って、本当に必要ですか?」~


33歳、独身。

結婚相談所で働きながら、僕(村田竜太)は、心のどこかで
「結婚って本当に必要なのか?」とずっと自問していた。

仕事柄、結婚に夢を持つ人々をたくさん見てきたけれど、実際に成婚に至る人は多くはない。

「一人でいる方がラク」

「誰にも縛られず好きに生きたい」

そんな独身礼賛の声も、最近はよく耳にする。

だけど僕には、ずっと忘れられない人がいた。

元彼女、鈴村恵美。

付き合って5年が経過したときにの29歳の誕生日祝いをしていた時に
恵美は、「30歳までに結婚したい」と言ってくれた。

「まだ、いいよ・・・」と僕はそのアプローチに正直に応えず濁したまま1年が過ぎた。

そして今・・・僕は、彼女を思い出すたびに、胸の奥がじんわりと痛む。




第1章:結婚の条件に囚(とら)われて ~数字の檻の中で~


「結婚するなら年収は最低でも300万以上ないと・・・」

「子どもを1人育てるのにかかるお金って・・・」

僕の頭の中は、いつも“現実的な数字”でいっぱいだった。

会員さんのプロフィールを見ながら、「容姿、年齢、職業、年収」
データばかりが先に立つ。

自分自身も、「あと100万年収が増えたら」「もう少し役職が上がれば」と、結婚を後回しにしていた。

恵美とは、5年と8ヶ月間付き合った。
週末はどちらかの家でネット映画を観たり、手料理を作り合ったり。
お互いの両親にも挨拶を済ませた。でも、どこかで「結婚は、まだ大丈夫」「結婚は、まだその時じゃない」と思っていた。


ある日、恵美が切り出した。「私、30歳までに結婚したいの」。
(また、その話かよ・・・と思った)
僕は、いつものように曖昧に「何焦ってるんだよ、まだいいじゃん」と強めに返した。

恵美の目が一瞬、曇ったのに気づかなかったふりをした。

翌日恵美から「別れましょう」とLINEが入った。

あっけない終わり方だった。

すぐに電話をしたが、恵美は出なかった。

まぁ、いつもの事だ・・・と軽くみていたが
恵美からはその後も連絡は無かった。(どこかで、連絡があると思っていた)



第2章:結婚相談所スタッフの日常と、心の葛藤 ~表と裏の顔~


結婚相談所へ入会する人は様々である。
いろんな結婚紹介所を渡り歩き、月会費や入会金、成婚料のことばかり考えている会員もいれば、心から“誰かと人生を歩みたい”と願う人もいる。

「誰かいい人、いませんか?」毎日のように相談される。

先日、遊園地を貸し切った300人規模の婚活パーティは大成功だった。
表向きは笑顔で盛り上げ、裏では「成約金、今月はいくら入るかな」と現実的なことばかり考えていた自分がいた。

自分の給料と評価ばかりを気にし、目の前の会員の幸せよりも、数字を追いかける自分。そんな自分が嫌だった。

カップル誕生の瞬間に立ち合える嬉しさはあるが、
どこか自分自身はどうだろう?・・・・と
ふと自分の心配もしてしまう。

“誰かいい人”と出会う準備も、向き合う覚悟も、実はできていなかったのではないか。自分を磨くことから逃げ、ただ恵美と付き合っていて安心しきっていて「結婚から逃げて」歳月に流されていた。




第3章:失った日常の重み ~埋められない孤独~


恵美と別れた後、昼休みや休日・・・何気なくスマホを開けば、そこに写るのは全部、恵美と一緒の思い出。

あの笑顔。

一緒に食べたガストのハンバーグ。

笑い合い、泣き合った日々。ケンカもしたけど今ではいい思い出だ。

夜中に帰宅し、冷蔵庫を開けても何もない。
「まあいいや」とインスタント麺をすすりながら、テレビの明かりだけが部屋を照らす。

ふとスマホを開くと、SNSで幸せそうな家族写真が流れてきて、画面をそっと閉じた。


ある時に悪寒に襲われ
風邪で寝込んだ時、誰もいない心細さで天井を見つめた。
洗濯物を干し忘れてカビ臭くなったシャツに、自分の無力さを感じた。
あれほど孤独を感じたことはなかった。


“恵美がいなくなって初めて分かる大切さ”
なんて、ベタな歌詞みたいだけど・・・本当にその通りだった。

恵美という存在が、どれほど僕の日常を彩り、支えてくれていたのか。

その喪失感は、想像以上に僕の心を蝕んでいった。



第4章:心の扉をノックする“問いかけ” ~失われた繋がり~


ある日、異業種交流会で名刺を交換した経営者に聞かれた。

「結婚紹介所ですか? 村田さん、ご結婚されていないんですか?」

「はい、まだ独身です・・・何で分かるんですか?」

その男性は微笑んで言った。

「何となく、分かりますよ。“繋がっている人”って、顔に出るものですから」。冗談混じりだったが、不思議と心に刺さった。

人は誰と繋がっているかで、その人の顔つきや言葉、雰囲気が変わる。
その言葉を反芻しながら、自分の“心の壁”の存在に気づいた。

「俺、ずっと “自分のこと” ばっかりだったな・・・」

結婚というデータ上の数字や、自分の保身ばかりを考えて、本当に大切な人との繋がりを軽んじていた。その経営者の言葉は、まるで僕の心の奥底に眠っていた後悔に、そっと触れたかのようだった。



第5章:素直になれなかった自分への後悔 ~届かない想い~


恵美と別れて1週間。

生活はさらに荒れた。

もう会えないと分かっているのに、どうしても忘れられない・・・。

「本当にこのままでいいのか?」自問自答しながら、気がつくと恵美にメールを書いていた。

“今の気持ち”
“寂しいと思っていること”

ありったけの本音をぶつけてみた。


・・・・・でも、恵美からは返事がなかった。


それでも、思いはあふれて止まらなかった。

次の日もう一度だけ、伝えようと思った。

「もう一度やり直したい・・・・」という思いもメールに書いた。


・・・・・でも、恵美からは返事がなかった。


「恵美と一緒にいたい」

気づけば涙でスマホの画面がにじんでいた。

送ったメッセージの一つ一つに、恵美との思い出が重なり、胸が締め付けられるようだった。

もし、あの時、素直な気持ちを伝えていれば・・・後悔の念が僕の心を支配した。



第6章:“答え”はいつも自分の中に ~再び繋がる絆~


数日後、恵美から1通のメールが届いた。

「ちょっとお話がしたいです。」

心臓がバクバクと鳴った。何度も読み返し、何度も深呼吸した。

いつも行くガストの店内で再会した恵美は、髪を短く切っていた。


以前よりも、少しキレイになって見えた。
その横顔に、どこか大人びた強さも感じた。


「ごめん・・・」


「俺には恵美が必要なんだ」と、僕は頭を下げた。

次の言葉は知らずに口からでた。
「結婚してください」。

恵美は一瞬、驚いたような顔をしたが、
「お願いします」と言って、少し上を見ていた。

恵美の涙を我慢している姿を見て
俺の方が、耐えきれずに
先に泣いていた。

恵美の目から溢れる涙は、過去の僕の未熟さを許し、新たな未来を受け入れてくれる、そんな温かい光を帯びているように感じられた。

「私、竜太といた日々がずっと幸せだった。傷ついたけど、信じてよかった…」恵美が震える声でそう言うと、俺はもう何も言えなかった。

恵美は言った。

「竜太は変わらないって思ってた。でも、メールを読んでいくうちに、もしかしたらって…。だから、返信しないで待ってたの」。

僕のメールを、何度も読んでくれていたこと。

そして、僕の変化を、信じて待ってくれたこと。

その深い優しさに、僕はただただ感謝しかなかった。



第7章:二人で歩む、もう一つの幸せ ~日常という奇跡~


あれから5年。

恵美と結婚し、長男が3歳、次男が1歳。
家はいつも賑やかで、笑い声が絶えない。

仕事から帰ると、洗濯物をたたみ、食器を洗い、子どもたちをお風呂に入れる。あの頃の僕なら想像もつかなかった“もう一つの幸せ”が、今、目の前に広がっている。イクメンも悪くない。(育児をするメンズの略)

子どものおむつも慣れない手で必死に息を止めて変えた。

近所の公園帰りに
西松屋で子ども用の小さなシャツを買い、恵美が「ありがとう」と微笑んでくれた時は、胸が温かくなった。

子どもとお風呂で「パパ、もっとあそぼ!」と駄々をこねる。
僕も童心に帰って一緒にはしゃいだ。

ハイハイから、歩き出す瞬間は、人類の進化を見ているようだった。
心の中で何度も息子を”がんばれ””がんばて”って応援をした。

“できなかったことができるようになる喜び”。

それは、恵美と家族になったことで初めて知った感情だった。


休日の朝、長男が「パパ起きて!」と布団に飛び込んでくる。

キッチンからは恵美が鼻歌まじりに朝ごはんを作る音。

その何気ない日常に、「これが本当の幸せなんだ」と心から感じる。



ある夜、息子が高熱を出した。

僕は何もできずにただ慌てるばかりだったが、恵美が「大丈夫」と優しく声をかけ、冷静に看病してくれた。

二人で眠れぬ夜を過ごし、朝、熱が下がった息子の寝顔を見て、僕と恵美は顔を見合わせて涙をこぼした。

その時、恵美が「竜太がいてくれて、本当に良かった」と呟いた。
その一言が、僕の心を震わせた。この温かさ、この繋がりこそが、僕が本当に欲しかったものだった。

何かを手に入れたから幸せなんじゃない。

誰かと“分かち合える”から、幸せなんだ。

独身の自由も悪くない。

だけど、僕が本当に欲しかったのは・・・
「おかえり」と言ってくれる人。
「ありがとう」と言える日々。
子どもの寝顔を見ながら、恵美と他愛のない話をする夜。
そんなささやかな日常が、何よりも尊いものだと知った。



第8章:結婚相談所での竜太の変化 ~経験が語る言葉~


自分の経験は、結婚相談所の仕事にも大きな変化をもたらした。

かつての僕と同じように、条件ばかり気にしたり、結婚に迷いを感じる男性会員には、僕自身の経験を話すようになった。

「自分も最初は家事が苦手で、独身の気楽さが最高だと思っていたんです。でも誰かと暮らすことで、人として成長できたんです。家事をすることで、相手を思いやる気持ちがわかるようになりました。結婚って、お互いに成長できるんですよ。独身でも幸せ。でも、“誰かと分かち合う喜び”も悪くないですよ」。

真剣な目で語る僕の言葉に、迷っていた会員の目にも「婚活のやる気がみなぎる」。

僕自身が体験した孤独と、家族がくれた温もりを話すことで、会員の方々は深く共感してくれた。ある男性会員が、「村田さんの話を聞いて、私も幸せになろうと思いました」と言ってくれた時は、とても嬉しかった。

成婚数も増え、同僚からも「村田さん、最近変わったね」と言われるようになった。かつては数字ばかりを追っていた僕が、今では心から会員の幸せを願うようになっていた。



エピローグ~“幸せ”の意味~日常という宝物~


結婚相談所の仕事をしていて思うことがある。
データでは計れない“幸せ”が、人生にはあるということ。

条件ばかり気にしていた僕が、今は、目の前の家族に感謝し、どんな日も“一緒にごはんを食べる”という小さな奇跡を味わっている。

恵美に「ありがとう」と伝えるたび、僕は“独身最高”と言っていた過去の自分を、少しだけ笑うことができる。

夜、子どもたちが寝静まった後、恵美が僕の隣で「竜太、ありがとう」と小さな声で言う。その言葉に、僕は静かに頷き、幸せを噛み締める。父の日に、長男が“パパありがとう”と書いたぐしゃぐしゃの手紙**をくれた。その一言に、不意に涙があふれた。「うちの息子は日本一だな」と思った。すっかり親バカである。

きっと人生の幸せは、「一人で生きる自由」も「誰かと生きる喜び」も、どちらも正しい。それぞれの幸せの形は違うけれど、僕にとってのそれは、かけがえのない家族の中にあった。

今日も、家族の待つ家に帰る。「ただいま」と言える場所がある。それが、僕にとってのもう一つの幸せ。

「ねえ、パパ!!明日も一緒に朝ごはん、食べようね。」

そんな小さな約束が、僕の幸せのすべてだ。本当の幸せは、きっと遠くではなく、手の届く日常にそっと潜んでいるのだと、今なら思える。



〈エンディング・あとがき〉


もし今、結婚やパートナーに迷っているあなたがいたら。この物語は、あなたの物語かもしれません。 あなたにとっての“幸せ”は、どこにありますか?

自分一人の人生を大切にするのも素敵だけど、“誰か”と生きることも、きっと新しい自分に出会える道です。

「自分のことを大切にできる人は、きっと相手のことも大切にできる。独身の時間を楽しみながら、未来の家族のために、自分を磨くことも大切です。」

涙も、苦しみも、幸せも、全部、分かち合える人がいること。
それも幸せの1つです。

結婚はゴールじゃなくてスタートです。
あなたにも、あなたなりの“もう一つの幸せ”が訪れますように――。

この物語を読んで、何か感じたことや気づいたことがあれば、ぜひコメントで教えてください。



【解説】

“幸せ”は「選び方」も「生き方」も、すべてあなたの自由

この物語は「結婚」の素晴らしさや家族の温もりを描いていますが、それは“独身で生きる人”を否定するものではありません。
むしろ、“どちらの生き方も自分で選べる時代”だからこそ、
「自分なりの幸せ」に気づくきっかけになればと願っています。


◆婚活中のあなたへ

婚活をしていると、思うようにいかない焦りや不安、時には「なんで自分は結婚したいんだろう?」という迷いに直面することもあるでしょう。
ですが、「誰かと生きる喜び」も、「1人で自分を満たす楽しさ」も、どちらも間違いではありません。

竜太の物語から伝えたいのは――

  • 条件やスペックではなく「本当に大切にしたい人は誰か?」「どんな気持ちを大切にしたいか」という心の声に耳を傾けること。

  • 「家族」や「パートナー」との暮らしは、“自分の弱さや不器用さをそのまま出せる場所”になること。

  • そして、たとえ失敗や後悔があっても、「素直な気持ち」は人生を必ず動かす原動力になるということ。

結婚やパートナー探しは“競争”ではなく、“自分と向き合う旅”なのかもしれません。
あなたが誰かと人生を分かち合いたいと願うなら、それはとても美しいことです。


◆生涯独身を選ぶあなたへ

一方で、「独身で生きていく」「1人の人生を謳歌にする」と決めた方にも、大きな拍手を送りたいと思います。
社会にはいまだに「結婚しないと幸せになれない」「独身は寂しい」という固定観念が残っていますが・・・

それはもう、過去の話。

  • “自分の好きなことに集中する”

  • “好きな場所へ自由に旅する”

  • “心地よい友人や趣味と人生を楽しむ”

これも、かけがえのない幸せの形です。

竜太が「独身最高だった」と感じたように、「1人で生きる喜び」「自分を大切にする日々」は、誰に否定されるものでもありません。
家族や恋人だけが“心の拠り所”ではなく、自分自身を満たし、人生をクリエイトする力こそが“本当の幸せ”なのだと思います。


◆どちらにも共通して大事なこと

大切なのは、「こうしなきゃいけない」「みんなと同じでなきゃいけない」という思い込みから自分を解放してあげること。
他人の幸せの基準ではなく、“自分自身の納得”を大事にしてほしい。

  • 人生に“正解”はありません。

  • 誰かと分かち合う幸せも、1人で味わう幸せも、どちらも選べます。

  • 何より、「自分のことをちゃんと大切にできる人」は、きっと周りの人にも優しくなれる。

物語の中の竜太のように――
迷って、悩んで、時には失敗しても「幸せを探していい」し、「人生を選び直していい」んです。


◆あなたへのメッセージ

この物語を最後まで読んでくれたあなたへ。

「自分の幸せって何だろう?」
「本当にこのままでいいのかな?」
そんなふうに立ち止まる日があっても大丈夫です。

  • 婚活を頑張っているあなたには、きっと未来の“パートナー”がどこかであなたのことを待っています。

  • 独身を選んだあなたには、今日も自由な心と“あなたらしい幸せ”が待っています。

そして、どんな選択も“今の自分”を認め、受け入れることから新しい人生は始まります。


◆さいごに

“幸せ”に、正解も型もありません。
あなたの人生は、あなたが決めていい。

これからも自分だけの物語を、自由に描いていきましょう。

あなたの「幸せのかたち」を、心から応援しています。


※ぜひあなたの今の想い・感じたことを、コメント欄で教えてください。

「自分の人生をもっと好きになれる」そんなコミュニティがここから生まれたら嬉しいです。


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