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映画『だぁれかさんとアソぼ?』感想|初見殺しのシリーズ3作品目。ライト層向けマイルドホラーの真相


一言感想

レトロな学校の怪談設定は魅力的だが、単体作品としては謎が多く残る、ホラー初心者&シリーズファン向けの一作。
※『ミンナのウタ』シリーズ3作目です。過去作を見なくてもよいですが、見たほうがより楽しめるのではと思います。ちなみに私は未鑑賞。

基本情報

2026年製作/109分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2026年7月24日

あらすじ(ネタバレなし)

学校の誰もいない階段の13段目で、カセットテープに日付と名前を吹き込むと、指定された日にその人物が死ぬ――。 そんな都市伝説のような「絶対にやってはいけない遊び」を、高校生たちが軽い気持ちで試してしまったことから、日常は静かに、そして確実に歪み始めていきます。

心理カウンセラーの小春は、とある事件からこの不可解な事件へと巻き込まれていくことに。次々と起こる奇妙な現象と、忍び寄る恐怖。彼女たちはこの呪われた連鎖を止めることができるのか?

4軸深掘りレビュー

ストーリー:設定の魅力に対して説明不足が目立つシリーズ3作目の難しさ

「カセットテープ」や「13段目の階段」といった昭和〜平成のアナログな学校の怪談を思わせる設定は非常に魅力的で、序盤の引き込みは抜群です。しかし、物語が進むにつれて怪異のルールが曖昧になり、現象の統一感が薄れてしまう点が惜しまれます。設定の魅力が活かしきれていない印象です。

本作は『ミンナのウタ』から続くシリーズの3作目という位置付けであるため、元凶となる存在や背景の多くが「前作までの前提知識」が散りばめられています。
単体作品として観ても、ストーリーは問題なくわかりますが、前作を見たほうがより楽しめると思います。
ストーリーの整合性が取りづらく、主人公の小春も状況に翻弄され続けるため、感情移入しきれないまま展開を眺めることになりがちです。

映像:G指定ならではの安心感と物足りなさが同居する画面づくり

映像面における恐怖演出は、ジャンプスケア(驚かし)を交えつつも全体的にかなりマイルドに抑えられています。流血描写なども最小限で、映倫区分が「G(全年齢適合)」であることからも分かる通り、刺激的なビジュアルや精神をじわじわ削るような重厚な映像美ではありません。

本格的なホラー映画を観慣れている人にとっては拍子抜けしてしまうかもしれませんが、逆に言えば「グロテスクな表現が苦手」「お化け屋敷感覚でサクッと楽しみたい」という層にとっては、安心して観られる映像表現に仕上がっています。

音楽:演出を盛り上げる劇伴だが、恐怖を増幅させる「音響」の迫力には一歩及ばず

不穏な空気を漂わせる音楽は映画の雰囲気にしっかりと寄り添っています。しかし、ホラー映画の醍醐味である「音でじわじわと不安を煽り、恐怖を極限まで高める」という音響効果の工夫はやや控えめです。

ジャンプスケアの瞬間にはしっかり音が入るものの、静寂と音の対比によって恐怖を積み重ねていくような音響の仕掛けは少なく、全体として落ち着いたトーンで進行していきます。

演技:初主演のフレッシュな輝きと、実力派キャストの抑えめな存在感

主人公・小春を演じたFRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌さんは、映画単独初主演・ホラー初挑戦とは思えない自然な演技を見せてくれます。怪異に巻き込まれ、理不尽な恐怖に直面するヒロインの健気さと困惑をリアルに表現していました。

一方で、物語の鍵を握る役どころである染谷将太さんは、持ち前の狂気や強烈な怪演が意図的に抑えられている印象を受けます。彼が持つ「死んだ目で観客を不安にさせる」ような圧倒的な存在感を期待すると、少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。

おすすめ度&こんな人におすすめ

  • おすすめ度: ★★☆☆☆(2.0 / 5.0)

【こんな人におすすめ!】

  • 『ミンナのウタ』シリーズをこれまで追いかけてきた人

  • 刺激の強すぎるホラーやグロテスクな描写が苦手な人

  • 鎮西寿々歌さんのファンで、彼女の奮闘する姿を応援したい人

まとめ

『だぁれかさんとアソぼ?』は、学校の怪談というノスタルジックなモチーフを扱いながらも、単体映画としては説明不足感が残る惜しい作品でした。

しかし、これは「マイルドで誰もが観やすいホラー」という明確なコンセプトの裏返しでもあります。シリーズのファンであれば前作にあった要素を楽しめますし、ホラー映画の入門編としても最適です。観る人の期待値やシリーズの履修状況によって評価がガラリと変わる一作と言えるでしょう。

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