見出し画像

サメ漁は「もったいない」?|アカシュモクザメから見る日本の保全政策

こんにちは、鶏人|Keijinです。

「こんにちは」って言ってますけど、現在の時刻は5時31分です。だんだん遅くなってきてはいますけど、おはようございます。

昨日、本文と関係のない導入文で紹介した「クロ」の正体を明かす時が来ました。それは、柴犬とゴールデンレトリバーのミックスみたいな容姿をした、きったない野良犬です。子どもの頃の記憶なんで、もしかすると今の感覚で見ると、もっと小さかったのかもしれないんですけど、河原土手に座って、ちょうど目線が合う高さだったかな。

ていうか、最近って野良犬見ませんよね。当時、70年代は、まだ段ボールで子犬が捨てられているのが「え?漫画みたい」って感じで、わりと普通にありました。

というように、この導入の流れでその当時のエッセイを貼り付けてもいいんだけど、絶滅危惧種とはまるっと関係のない内容なので、別途、マガジンっていうんですかね?(まだnoteの仕組みをよくわかってない)そういうので書いて紹介する予定です。お楽しみに……。

さっ!ほっとくと長々と話が終わらなくなるので、そろそろ絶滅危惧種さんの時間です。本日はアカシュモクザメ(学名:Sphyrna lewini)さんです。


この子は、2014年の図鑑では、漁業の中での捕獲に対する規制が十分ではないことなどから、「EN:危機」と評価されていました。

その後、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストでは、フカヒレ需要を背景にした継続的な漁獲圧や、はえ縄漁などでの混獲、さらに成熟が遅くて回復しにくいという生きものとしての特徴が重く見られ、2018年評価で「CR:深刻な危機」へ引き上げられています。

出典:IUCNレッドリスト|アカシュモクザメ(学名:Sphyrna lewini)

アカシュモクザメ(Sphyrna lewini)|2026年時点の現状まとめ

1. 絶滅危惧ランクの悪化

2014年当時は「絶滅危惧種(Endangered)」でしたが、2019年のIUCN(国際自然保護連合)の再評価により、現在はさらに一段階深刻な「絶滅寸前(Critically Endangered)」に引き上げられています。

理由: 依然としてフカヒレを目的とした漁獲が続いており、過去70年強で個体数が世界全体で80%以上減少したと推定されています。

2. 「規制なし」から「厳格な国際規制」へ

2014年以降、大きな変化がありました。

ワシントン条約(CITES)附属書IIへの掲載: 2014年9月から本格的に運用が始まり、国際取引には輸出国の許可証が必須となりました。これにより「どこの国が、どれだけ輸出しているか」が厳格に管理されるようになっています。

各国の漁獲禁止措置

アメリカ: 2024年に新しい規制が施行され、特にアメリカ領カリブ海において、アカシュモクザメを含むシュモクザメ類の保持・陸揚げが全面的に禁止されました。
オーストラリア: 一部の州で完全に保護種に指定され、捕獲が禁止されています。
日本: 資源管理の対象となっており、漁獲量の報告義務や管理が強化されています。

3. 「フィン・アタッチド(ひれ付き)」ルールの普及

かつては価値の高い「ひれ」だけを切り取り、体は海に捨てる「フィニング」という残酷な手法が横行していましたが、現在は多くの国や地域で「ひれを体につけたまま陸揚げしなければならない」という規制が導入されました。これにより、密漁の隠蔽が難しくなり、資源の無駄遣いに一定のブレーキがかかっています。

4. なぜ今も危機的なのか?

規制が進んだのになぜ状況が改善しないのか、それには3つの理由があります。

成熟が遅い: アカシュモクザメは大人になるまで時間がかかり、一度に産む子の数も少ないため、一度減ると回復に数十年単位の時間がかかります。

混獲(こんかく): マグロなどを狙ったはえ縄漁に誤ってかかってしまうことが多く、意図せず死んでしまうケースが後を絶ちません。

高い市場価値: 依然としてフカヒレの市場価値が高いため、規制の網をかいくぐる違法・無報告・無規制(IUU)漁業が一部の地域で続いています。


👤質問者:日本の項目に「資源管理の対象となっており……」って書いてあったんだけど、この“資源管理の対象”って、つまり禁止ではないってことなんだよね。

昔からの漁師さんが困るから、とかそういう事情があるのかな?って、なんとなく気になるんですけど。

🔴私:ほかの国だと、禁止とか全面禁止まで踏み込んでいるところもあるのに、日本はそこが少し違って見えますよね。

このあたり、もう少し詳しく調べてみます。


日本のサメ利用と国際規制のあいだで揺れる保全政策の構図

1. 日本独自の「有効利用(フル・ユティライゼーション)」の思想

欧米を中心とした国際社会では、ヒレだけを切り取って体を捨てる「フィニング」が残酷な乱獲の象徴として強く批判されます。そのため、「サメ漁そのものを禁止しよう」という極端な議論になりがちです。

一方で、日本(特に気仙沼など)の主張はこうです:「ヒレだけでなく、肉も皮も骨も、すべて使い切るのが日本の伝統であり、命への礼儀である」この「捨てるところがない」という「もったいない」の精神が、規制のあり方に大きく影響しています。

肉: はんぺんやちくわなどの「練り製品」の原料(サメ肉は白身で粘り気が強く、江戸時代から重宝されてきました)。
皮: 鮫肌を活かした「わさびおろし」や、高級バッグなどの「シャークレザー」。
軟骨: サプリメント(コンドロイチン)の原料。
肝臓: スクアレン(化粧品や薬品の原料)。

このように、サメが地域産業の基盤になっているため、「一部の種が危ないからといって、産業全体を止める全面禁止には応じられない」という論理になります。

2. 「留保(リザベーション)」という外交カード

2014年、アカシュモクザメがワシントン条約(CITES)の附属書II(取引制限)に掲載された際、日本は「留保」という手続きを行いました。

留保とは: 国際条約の決定に対し、「うちはそのルールには従いません(法的拘束力を受けません)」と宣言することです。

日本の言い分: 「科学的根拠が不十分であり、水産資源の管理はワシントン条約ではなく、地域漁業管理機関(RFMO)で行うべきだ」という主張です。

このため、日本国内では国際基準よりも「独自の管理」が優先される形になり、これが外部から「規制が緩い」「野放し」に見える大きな要因となっています。

3. 漁師・組合・地域の政治的背景

しかし漁業関係者の影響力は無視できません。

特定地域の死活問題: 宮城県の気仙沼市は、日本最大のサメ水揚げ港です。ここでサメ漁を禁止すれば、加工業者、運送業、包材メーカーまで含む地域経済が壊滅的な打撃を受けます。

JF全漁連などの存在感: 日本の漁師を束ねる「漁業協同組合(JF)」は、非常に組織力が強く、水産庁の政策決定にも大きな影響を与えます。彼らは「伝統的な漁業者の権利」を守るために、国際的な規制案に対して慎重な姿勢を求めます。

食糧安全保障の観点: 日本政府はサメを「重要なタンパク源」の一つと見なしており、簡単に「禁止」の先例を作りたくない(クジラやマグロの議論にも波及するため)という政治的判断もあります。

4. 2025年現在の日本の立ち位置

現在は「禁止」はしていませんが、「何でもあり」でもなくなっています。

資源評価の強化:
水産庁はサメの種類ごとに細かく資源量を調査し、「この種はこれ以上獲ってはいけない」という上限を設ける方向へシフトしています。

トレーサビリティ: 国際取引においては、たとえ留保していても、相手国が規制していれば取引ができないため、実質的には国際ルールに準じた証明書を発行するなどの運用を始めています。


👤質問者:なんかね、この問題を調べてもらって読んでたんだけど……戦争に向かっていった頃の日本が、外の声より「自分たちの理屈」を優先して、結果的に孤立していった空気と重なって見えちゃったんだよね。もちろん、戦争と同列に語るつもりはないし、体験された人たちへの敬意もあるんだけどさ。

このままだと、世界から孤立して、今度は戦争じゃなくても、気候変動みたいなところでも「独自の考え」で突っ走っちゃいそうで……ちょっと怖いなって感じるよ。

🔴私:うん、たしかにね。なんでも自分たちの都合のいいように理屈を組み立てて、「正論です」って言い切る感じは、そう見えてしまうところもあるね。客観的に全体を見ると、別に正論でもなくて、「自分たちに都合のいい答え」を出してるだけじゃない?って、日本人の自分でも思う。

それに「もったいない」って言葉は、世界的にも評価されて、いろんなメディアで取り上げられてるけど、その一方で、日本国内では、食べないのに捨てられている食べ物の量が、他国と比べても食品廃棄が目立ちますよね。

こっちのほうこそ、「もったいない」を叱る“もったいないお化け”が出てきて叱らないといけないレベルなんじゃないかな、って思ってしまいますけどね。

👤質問者:だけどさ、島国のお国柄というか性質というか……とにかく「変えること」を拒む傾向が強いのは、なんでなんだろうね。

🔴私:ほんとそうなんですよ。今まで通りやっていれば、いずれサメも減って、変えたくなくても「獲れなくなる」って、もう分かってるはずなのに。なのに変えるとか、規制する方向を拒み続ける。

👤質問者:あえて日本人だから言わせてもらうけど……ちょっと恥ずかしいよね。

🔴私:もちろん、なんでもかんでも「右へならえ」とか、「大きいものに巻かれろ」って言いたいわけじゃないんだけど。でも、言われたことをちゃんと議論して、自分の頭で考えて、相手の立場も読み取って、一回その立場に立ってみる。さらに言えば、サメに変身してサメになって、泳いでる姿まで想像できてたら……きっと、こういう判断にはならなかったと思うんだけどね。

👤質問者:簡単なことだと思うけどね。

🔴私:でも、この「簡単」が、いちばん簡単じゃないんだろうね。


あとがき

独自の方法でいろいろと発明とかをして戦後世界を驚かせるほどの経済成長を成し遂げてきた日本ですけど、現在の気候変動に対しての動きは、ちょっと「なにやってるのかな」ってイメージですね。細かく調べると太陽光パネルを農地の湛水の時と乾田の時を使い分けられるものなど開発は進んでいるようだけど、いまいち私が知る限りでは、のんびりしているというか、「これから先も化石燃料に頼っていきましょう」みたいな流れが見え隠れするんだよね。

戦後日本の経済成長の時先頭に立っていた方々が、今も先頭に立ってこそはいないけど、操り人形の糸を操っていることが原因じゃないのかな?なんて思うけど、その人たち未だ怖いからあんまり言わないでおくね。

次回は、アジアゾウさんの登場です。お楽しみに✨

鶏人|Keijin


このnoteは、ブログ記事の要約となっています。

種の基本情報や保護活動などの詳しい情報が知りたい方は、ぜひブログにも遊びに来てくださいね。
⬇︎お待ちしております。⬇︎


いいなと思ったら応援しよう!

鶏人|keijin いただいたサポートは絶滅危惧種の調査や、この活動を続けるための資金として大切に使わせていただきます。