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きれい事じゃ地球は救えない?レッドリストの裏側

こんにちは、鶏人|Keijinです。

こんにちは、って言ってるけど、今の時刻は4時31分です。
おはようございます。

昨日の晩御飯から、主夫の仕事として「介護」ってのが加わりました。介護といっても、婆さんの晩御飯と朝ごはんを用意するだけなんですけどね。

きっかけは、相方と晩飯を食っているときに、私が「婆さん、最近なんだか料理できてないんじゃないか」って話をしたことです。毎週ゴミ捨てをするときに気づいたんですよ。婆さん専用の燃えるゴミとプラごみ、そのへんのゴミを見てると、生ゴミが入るはずの燃えるゴミが減って、逆にプラごみが増えていたんです。

ってことは、お惣菜とかインスタントのものを食べてるってことじゃないですか。まあ、ゴミ漁ってみたんですけどね。

そんな、こっそりとゴミ漁りをしちゃう人が紹介する本日の絶滅危惧種は、アメリカカワガキ(学名:Epioblasma capsaeformis)さんです。


この子は、2014年の図鑑では、水路の改変や水質汚染、貯水などの影響で、「CR:深刻な危機」と評価されていました。

ところが最新のレッドリストでは、放流などの効果もあってか、「EN:危機」へと一つランクが下がっています。

出典:IUCNレッドリスト|アメリカカワガキ(学名:Epioblasma capsaeformis)

アメリカカワガキ(Epioblasma capsaeformis)|2026年時点の現状まとめ

1. 現在の保全状況(ステータス)

IUCN(国際自然保護連合)のスクリーンショットにある通り、最新の国際的な評価でも 「Endangered (EN:絶滅危惧IB類)」 に指定されています。

図鑑との表記の違いについて: 図鑑では「CR(絶滅危惧IA類)」とありましたが、IUCNの公式データベース(2012年評価)では「EN」となっています。これは評価機関や基準の違い、あるいは図鑑執筆時の情報ソースの違いによるものと考えられますが、「絶滅の危機に瀕している」という事実に変わりはありません。

米国連邦法(ESA)での扱い: 本種の生息地であるアメリカ合衆国では、連邦法に基づき 「Endangered(絶滅危惧種)」 に指定されており、最高レベルの法的保護対象となっています。

2. 図鑑記載の「未来の目標」はどうなったか?

図鑑に「人工飼育の技術も発達をみせており、最終的な目標はこの種をかつての分布域のいくつかに再導入することである」と書かれていました。

【現在の状況】この「目標」は、現在「実行段階」に移っています。

人工繁殖と放流:
現在、アメリカの動物園や水族館、野生生物局が連携し、研究所でアメリカカワガキを人工繁殖させ、元の生息地(テネシー州やバージニア州の河川)へ放流(再導入)するプロジェクトが精力的に行われています。

成果と課題: 何千匹もの稚貝が放流されていますが、それらが野生下で定着し、自然繁殖できるようになるまでには長い時間がかかります。一部の地域では個体数の回復が見られますが、完全な復活には至っていません。

3. 現在も続く脅威

「水質汚染」や「化学物質の流出」のリスクが、現在も最大の脅威です。

生息地の分断: ダム建設などにより生息地が分断された状況は変わっておらず、個体群が孤立しているため、一度の汚染事故でその川の個体群が全滅するリスクは依然として残っています。

新たな脅威: 近年、北米の淡水二枚貝において原因不明の大量死(ウイルスやバクテリア説などあり)が発生している地域もあり、予断を許さない状況です。


👤質問者:放流はしてるみたいだけど、河川環境が不安定だから、みんなの努力がなかなか数字として見えてこない状況みたいだね。結局、この不安定な汚染環境を根本からなんとかしないとダメなのかな。

それと、ちょっと気になって自分でも調べてみたんだけど、NatureServeで(評価時点は2023年12月って書かれてた)G1:Critically Imperiled(絶滅寸前)って出てきたんですよ。これって、レッドリストでいうとENなの? それともCRなの?

🔴私:NatureServeの「G1」は、簡単に言うと「世界的に見て極めて危ない状態」を示すランクで、IUCNでいえばCRにかなり近いニュアンスとして扱われることが多いみたいです。

ただ、NatureServeとIUCNは評価の仕組みや基準が違うから、G1=IUCNのCRって一対一で完全に対応するわけではないんです。だから感覚としては「ENよりは重く見ていい可能性が高い、CR寄りの深刻さ」くらいで受け止めるのがいいみたいですね。

せっかくだから、レッドリストみたいに絶滅危惧種を評価している団体が他にどんなところがあるかも、あわせて調べてみます。


絶滅危惧の評価がズレる理由がわかる一覧表|IUCN・NatureServe・条約・法律は見ているものが違う

1. 国際的な取引を規制するための枠組み

【CITES(ワシントン条約)】

正式名称:
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
特徴: 「生き物を守る」というより、「商売(輸出入)のせいで絶滅させない」 ことを目的としています。

ランク分け(附属書)

附属書I: 商業取引は原則禁止(パンダ、ウミガメなど)。
附属書II: 取引に許可が必要(一部のサンゴ、爬虫類など)。
見方: IUCNでCR(絶滅寸前)でも、商業的な取引の対象になっていなければ、ここにはリストアップされないことがあります。

2. 国の法律に基づく評価(法的拘束力あり)

【ESA(米国絶滅危惧種法)】

実施機関:
アメリカ魚類野生生物局(USFWS)など
特徴: アメリカカワガキに関わる最も強力なリストです。ここに載ると、国として法的に保護する義務が生じます。
ランク: 「Endangered(絶滅危惧)」と「Threatened(準絶滅危惧)」の2つが主です。
ポイント: 学術的な評価(IUCN)だけでなく、政治的・経済的な判断も絡んで決定されるため、IUCNの更新より遅れることもあれば、逆に厳しい措置が取られることもあります。

【環境省レッドリスト(日本)】

実施機関:
日本の環境省
特徴: 「日本国内でどうなのか」を評価します。
ポイント: 世界的には普通にいる鳥でも、日本には少ししか来ないなら、日本のレッドリストでは「絶滅危惧種」になることがあります(逆もしかり)。「国単位の健康診断」と言えます。

3. 特定の分類群に特化したプロフェッショナル集団

IUCNのデータ元になっていることも多いですが、独自に詳細な活動をしています。

【BirdLife International(バードライフ・インターナショナル)】

対象:
鳥類
特徴: 世界中の鳥類のレッドリスト評価を一手に引き受けている権威ある団体です。鳥に関しては、ここが「実質的な決定機関」と言っても過言ではありません。

【Xerces Society(ザーセス・ソサエティ)】

対象:
無脊椎動物(昆虫、貝類など)
特徴: 昆虫や貝など「背骨のない生き物」に特化した、北米を中心とする保護団体です。アメリカカワガキのような淡水貝類の保護にも非常に詳しいです。

4. 「独自性」を重視するユニークな評価

【EDGE of Existence(エッジ・オブ・イグジスタンス)】

運営:
ロンドン動物学協会(ZSL)
特徴: 「進化的にユニークで(Evolutionarily Distinct)、かつ地球規模で絶滅の危機にある(Globally Endangered)」 種を優先して守ろうというプロジェクトです。
親和性: 「地球の神経細胞」のような、「代わりの利かない独自の役割を持った生き物」を数値化して順位付けしているリストです。 (例:近縁種がいない、進化の系統樹で孤立している変な生き物ほどスコアが高くなります)

なぜ評価がズレるのか?

IUCN: 「生物学的に、地球全体で見てヤバいか?」
NatureServe: 「北米を中心に、生息地の数や質的にヤバいか?」
CITES: 「金儲けの道具にされてヤバいか?」
ESA(米国法): 「法律を使って強制的に守る必要があるか?」

今回のアメリカカワガキの場合、NatureServeが「G1(CR相当)」と評価しているのは、「生息地の水質汚染や分断が深刻で、場所ごとの全滅リスクが極めて高い」という現場の厳しい現実を反映している可能性が高いです。

「EDGE of Existence」のような、「進化の歴史の重み」を評価するリストも、今後の「地球の立ち位置」を考える上で面白い視点になるかもしれません。


👤質問者:IUCNだけじゃなくて、いろいろな団体があるんだね。

🔴私:やっていることも、国も、調査する生き物も違うけど、みんな結局は地球を守るために、同じ方向を見てるってことは変わりない感じです。

たとえばIUCNは「世界中の評価を全部ひとりでやってる」というより、専門家グループや協力団体が集めたデータや評価を、共通の基準でまとめて公開するための土台(プラットフォーム)になってる感じが強いです。評価も、基本は最低1人以上のレビューを通す仕組みになってるみたいですしね。

それで、密輸とか国際取引ならCITESみたいに条約で縛れる枠組みがあるし、汚染や開発みたいな話は国の法律(たとえば米国のESAみたいなやつ)で強制力を持たせることもできる。つまり「評価する役」と「規制する役」が違う、って感じです。

👤質問者:っていうか、「こういう評価の仕組みそのもの」を監視する団体って、ないと困らないのかな。

🔴私:言われてみればそうですね。

政治とか、化石燃料とか、そういう大きなお金が絡むところって、汚職やつながりがゼロとは言い切れませんからね。露骨に嘘とか改ざんまではしないにしても、「見せたくない数字は出さない」とか、「都合の悪いデータは薄める」みたいなことが起きてもおかしくない気がしますし。

きっと、少し調べたくらいじゃ出てこないと思うけど、一応調べてみます。


きれいごと抜きでわかる自然保全の裏側|評価の弱点と、科学が政治経済に負ける瞬間

1. IUCNの「アキレス腱」:企業パートナーシップ問題

IUCN(国際自然保護連合)は、実は「国」や「NGO」だけでなく、「企業」ともパートナーシップを結んでいます。 ここが最大の批判の的になるポイントです。

シェル(Shell)との協定問題】
 
かつてIUCNは、石油メジャーのシェルと提携していました。「企業を排除するのではなく、内部に入り込んで環境負荷を減らすアドバイスをする」という現実的なアプローチ(エンゲージメント)をとったのです。

批判(裏の顔): 環境団体(Friends of the Earthなど)からは「グリーンウォッシュ(環境に配慮しているフリ)に手を貸している」「金で免罪符を売っている」と激しく批判されました。

結果: 「自然を破壊している企業から資金をもらっている組織が、公平なジャッジができるのか?」という疑念は、今も完全には払拭されていません。

2. 「科学」が「経済」に負けた例:水産資源(マグロ)

これが最も露骨に「大人の事情」が出る分野です。陸上の動物(パンダなど)は保護しても経済的損失は少ないですが、魚は「商品」だからです。

【タイセイヨウクロマグロの事例】

過去、クロマグロの個体数が激減し、IUCNの科学者グループが「絶滅危惧種」としての評価を強めようとし、CITES(ワシントン条約)で「国際取引禁止(附属書I)」にしようという動きがありました。

圧力の実態: 日本を含む漁業大国が、猛烈なロビー活動を行いました。「データが不十分だ」「資源は回復傾向にある」「地域漁業機関で管理すればいい(条約で縛るな)」という主張で、科学的な警告を政治力でねじ伏せる構図が展開されました。

結果: 科学的には「危険」でも、経済的影響が大きすぎるため、強力な規制が見送られる(あるいは先延ばしにされる)ことが多々あります。

3. 「見せない」という隠蔽:データ不足(Data Deficient)の悪用

「嘘のデータを出す」とすぐにバレますが、もっと巧妙な手口は「データを調べない」「データ不足のままにしておく」ことです。

開発許可の抜け穴】
ある地域を開発したい場合、そこに絶滅危惧種(CRやEN)がいると分かると工事が止まります。しかし、「DD(情報不足)」ならば、「いないとは言えないが、いるとも言えない」というグレーゾーンになり、開発が進められてしまうことがあります。

構造的な問題: 企業がお金を出す環境アセスメント(調査)では、不利なデータがあまり積極的には掘り下げられない、というバイアスがかかるリスクが常に指摘されています。

4. 誰が監視しているのか?

公式な警察はいませんが、事実上の監視役は「より過激なNGO」と「ジャーナリスト」です。

WWF(世界自然保護基金) vs Greenpeace(グリーンピース)
WWFやIUCNは企業や政府と対話する「協調路線」をとることが多いため、企業から寄付も受け取ります。対してGreenpeaceなどは、企業からの寄付を一切拒否し、IUCNなどが妥協した案件に対して「甘い!」と噛みつく役割を果たしています。この「環境団体同士の喧嘩(牽制)」によって、辛うじてバランスが保たれているのが現状です。


👤質問者:IUCNとShellの話が、いちばんショックですね〜!

🔴私:企業とつながってるって知っただけで、たぶん多くの人が「グリーンウォッシュ(環境に配慮してるフリ)でしょ?」とか、「IUCNって化石燃料の会社とつながってるの?それはダメじゃん」って思ってしまいますからね。

👤質問者:気候変動って、主に化石燃料の燃焼などで出る温室効果ガスが大きな原因になっていて、それが絶滅危惧種たちを苦しめてるって、もう分かってるじゃん。なのに、って思うと、なんかちょっと寂しいですよ。

🔴私:実は、半年くらいで100種くらい調べてた頃に、一回ひっかかったことがあったんです。「あれ?なんでこれ、DD(情報不足)なんだろう?」って。そこから少しずつ、疑う目も持つようになってました。だから今回、思い切って「親の職場見学」みたいな感じで、仕組みの側をのぞいてみたんです。正直なところ、「やっぱり……」って思ってしまった部分もありました。

👤質問者:IUCNレッドリストって、結局のところ絶滅危惧種の「体温計」みたいなものじゃないですか。彼らは「熱があります(絶滅しそうです)」って診断してくれるけど、治療法を決めてくれるわけでもないし、民間療法を教えてくれるわけでもないし、お薬を処方してくれるわけでもないよね。

🔴私:お医者さんだけどお医者さんじゃない、診断してくれる機械みたいなものだ、と考えることにします。

👤質問者:実際に治療するのは「政治と経済」なんだと思う。でも、治療費(経済的損失)が高すぎると、政治家や企業は「まだ微熱だ」って言い張って、体温計が見えないふりをする。そんなふうにも見えるよね。

🔴私:もちろん、体温計(水銀式)を振って温度を下げるみたいなことまでは、してないと信じたいけどね……。

それでも、私が絶滅危惧種のことを真剣に考えるようになったきっかけをくれたのは、間違いなくIUCNレッドリストなんです。そして絶滅危惧種たちが教えてくれたのは、「地球はいま、気候変動の影響も含めて、生物多様性が崩れかけてる」ってことなんです。

だから、「親の職場見学」みたいなことをして良かったと思いました。

👤質問者:たぶん親はこう言うんだろうね。

「綺麗事だけじゃ地球は救えないんだよ、息子よ!」って。


あとがき

生き物って、口と肛門みたいに入り口と出口があるじゃないですか。

その入り口である口は、みんな口紅を塗ったり、表情で口角を上げたりして、見た目をよくする。でも、肛門に口紅は塗りませんし、括約筋を締めたところで、誰も見てないですよね。

きれいなところじゃない場所にこそ、真実は隠れている。って思いませんか?

明日は、アメリカヌマジカさんの登場です。

お楽しみに✨

鶏人|Keijin


このnoteは、ブログ記事の要約となっています。

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