壊れた春、動かない脚
今でこそ、健康を届けることを仕事にしてる僕だけど、
実は10代のころ、まったく体が動かなくなった時期がある。
春の始まり。
それは、僕の人生が一度止まった季節だった。
■ 僕にとって“体”はすべてだった
小中高と体操競技にのめり込んでいた。
(当時、香川県は体操競技が弱くて、きたる国体に向けて強化選手学年に選ばれたことがキッカケだった。)
毎日、体の限界に挑んで、うまく技が決まった時は何より嬉しかったし、
大会でミスしたときは悔しさで眠れなかった。
でも、ある日突然、腰が抜けたみたいに力が入らなくなった。
どんな姿勢でも激痛が走る。立てない。歩けない。
腰椎椎間板ヘルニア。

「もう、競技は難しいかもしれません」とお医者さんに言われた。
え、もう終わり?
あの瞬間、僕の中で何かがプツンと切れた。
■ ベッドから出られなかった日々
寝返りをうつだけでも痛い。
トイレまで這って行くような日もあった。
人と会うのも億劫で、学校に行くのも憂鬱になった。
「なんで俺が…」って気持ちがずっとぐるぐるしてた。
自分の体なのに、言うことを聞いてくれない。
悔しくて、何回か泣いた。
■ 救ってくれたのは、“動かしてみる”ってことだった
リハビリの先生に教わった。
「いきなり元に戻さなくていい。まずは動かせるところから」
ほんの少し足を動かす。
それだけでも、なんか前に進んだ気がした。
やってるうちに、少しずつ立てるようになって、
また少しずつ動けるようになってきた。
「体って、ちゃんと応えてくれるんだ」
そう思えたとき、僕の中に希望が戻ってきた。
■ だから今、僕は“体の使い方”を伝えている
自分の体を取り戻せた経験があるからこそ、
「健康は体力で守れる」って胸を張って言える。
いきなりハードな筋トレなんていらない。
まずは自分の体を知って、うまく使うこと。
それをちゃんと伝える人が、今の社会には圧倒的に足りていない。
僕は、自分の経験を“たまたまラッキーだった”で終わらせたくない。
だから今、「体力格差ゼロ社会」の実現に本気で取り組んでいる。
あの春、僕は一度壊れた。
でも、そこから“動ける体の大切さ”を学んだ。
あの経験がなかったら、今の僕は絶対にいない。
次回は、リハビリ現場で見えてきた「健康の本質」について話します。
