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ベイブレードXのG1大会、ジャッジの質と運営体制について思うこと

2025年のG1大会に子供の付き添いで参加した際に感じた問題点と、その改善案について書いておきたい。

ベイブレードXの公式大会には、B4ストア開催の大会からG3、G2、G1、そして頂点となるGP(グランプリ)まで、大きく分けて4段階のグレードが設けられている。G1は、その中でも上位に位置する大会であり、GPに次ぐ規模と注目度を誇る、いわば「本気で挑む選手たちが集う舞台」だ。グレードが上がるほど参加者の熱量も真剣さも増していく分、大会運営やジャッジの裁定に対する目線もシビアになる。だからこそ、G1のようなグレードの高い大会では、他の大会では見過ごされがちな細かな問題も、より鮮明に浮き彫りになるのだと思う。実際に2025年のG1大会でも、そうした問題を目の当たりにすることになった。

大会で発生したトラブルの多くは、ジャッジがベイブレードXのルールを完全に熟知していないことに起因していると考えられる。レギュレーションを把握しきれていないため、日頃からブレーダーとして競技に親しんでいる人であればすぐに分かるような判断ミスや誤った認識のまま、それでも強引に進行しようとしてしまう。想定外のトラブルが起きた際、マニュアル的な対応しかできず、状況に応じた適切な判断ができていないケースも見受けられる。

1. 選手への心理的影響と不信感

選手が幼い子供である場合、何が起きているのか、なぜそのような裁定になったのかが理解できず、強い不安や不信感を抱くことになる。最高峰のグレードであるG1大会においては、ジャッジには豊富な経験と深い知識が不可欠であり、ここに最大限のリソースとコストを投じるべきだと思う。

2. 保護者の同伴・サポート体制の必要性

未成年や低年齢の選手が参加する場合、保護者(大人)の付き添いを認めるべきだ。大人と子供では人生経験も語彙力も異なる。トラブルが発生した際、状況を正確に説明したり、冷静な判断を下したりすることをすべて子供の自己責任にするのは酷であり、公平な競技環境とは言えない。

ただし、これはあくまで対症療法的な話でもある。そもそも保護者の付き添いが必要だと感じてしまうのは、ジャッジの裁定を子供だけでは受け止めきれない場面があるからであって、根本の原因はジャッジの質にある。ジャッジの質そのものが向上し、誰が対応しても納得感のある裁定がなされるようになれば、保護者が同伴してフォローする必要性自体、本来は小さくなっていくはずだ。

3. ジャッジの質のばらつきは、実は毎年の課題

こうしたジャッジの質の問題は、今回に限った話ではなく、毎年のように指摘されている印象がある。しかも根が深いのは、細かい裁定の解釈が分かれるような話ではなく、基本的なレギュレーションそのものをジャッジが把握できていないケースが見受けられることだ。

ベイチェックの基準や進行のルールなど、大会運営の根幹に関わる部分ですら、ジャッジによって認識がずれていることがある。最低限のレギュレーションすら押さえられていない人材が、G1のような最高峰の大会でジャッジを務めるべきではないと思う。経験でカバーできる範囲を超えた、いわば土台の部分の欠如であり、ベテランかどうかという以前の問題だと感じる。

そして、レギュレーションを正しく理解していないことは、それ単体で終わらない。周囲(選手や保護者、あるいは上席)から強く指摘されると、自分の中に確固たる基準がないため、その場の圧に押されて誤った判断を下してしまう。ルールへの理解が浅いことは、単なる知識不足では済まず、実際のトラブルを引き起こす直接の原因になっている。

さらに厄介なのは、こうしたジャッジの理解不足に付け込んで、自分に有利な発言や行動を取ろうとするブレーダーが一定数いることだ。ジャッジがルールを正確に把握していれば通用しないはずの主張も、ジャッジに確固たる基準がなければ押し通せてしまう。結果として、正々堂々と実力で戦っている選手が損をし、理解不足に付け込むような悪質なふるまいをする選手がのさばる土壌を作ってしまっている。これはジャッジ個人の資質の問題であると同時に、競技環境全体の公平性を損なう構造的な問題だと思う。

また、自分から積極的に主張を働きかけるケースだけでなく、もっと静かな形の狡さも生まれてしまう。本来なら自分に不利な判定になるはずの場面で、ジャッジの知識不足によって誤ってそうならなかった場合、それに気づいていながら黙って見過ごしてしまう、という狡さだ。人間誰しも勝ちたいという気持ちはあるし、目の前で自分に有利な誤審が起きたとき、それを自分から指摘するのは簡単なことではない。そういう意味では、誰もが多かれ少なかれ狡くなってしまう可能性を持っていると思う。ただ、それはスポーツマンシップに反する行為であるし、何より子供のうちからそうした「黙っていれば得をする」環境に置かれてしまうことは、教育的にもよろしくないと感じる。ジャッジの質が担保されていれば、こうした狡さが入り込む余地自体を減らせるはずだ。

ここまで見てきたように、ジャッジの質の低さは、選手の心理面から競技の公平性、さらには選手のふるまいにまで影響を及ぼす根深い問題だ。では、そこまでの影響力を持つジャッジには、本来どのような能力が求められるのだろうか。

4. ジャッジに本当に求められる能力

公平なジャッジには、専門性に裏打ちされた『揺るがない基準』が欠かせない。

公平なジャッジには、専門性に裏打ちされた「揺るがない基準」が欠かせない。

ジャッジに求められる能力は、実はレギュレーションの理解だけではない。試合をつつがなく進行させるための場のコントロール、判定を伝える際の言葉選び、動揺している選手へのケアなど、より高度なスキルが必要とされる役割のはずだ。

こう書くと、「たかが玩具の大会に、そこまで専門性の高いジャッジが必要か?」と思う人もいるかもしれない。しかし、G1はタカラトミー公認の全国規模の大会であり、そこに挑む選手たちは、大人も子供も本気で臨んでいる。「玩具だから」「子供の遊びだから」という理由でジャッジの質を軽視してよい理由にはならないと思う。むしろ、参加者の本気度に見合うだけの体制を整えることこそ、大会を主催する側の責任ではないだろうか。

他のスポーツを見ても、審判・審判員は決して片手間にできる仕事として扱われていない。たとえばサッカーでは、日本サッカー協会が4級から1級、さらにプロフェッショナルレフェリーまで明確な資格の階級を設けており、上位資格を得るには実績と厳しい審査が求められる。大相撲の行司も同様に、序ノ口から立行司まで細かい階級が存在し、長い年月をかけて経験と技術を積み上げていく仕組みになっている。こうした競技では、審判が「試合を裁く専門職」として扱われ、相応の教育と昇格の仕組みが用意されている。ベイブレードXも、真剣勝負の舞台であるG1のような大会である以上、ジャッジを専門性の求められる重要な役割として位置づけ、それに見合った育成・認定の仕組みを整えるべきだと思う。

では、どうすればこの問題を解決できるのか。「ジャッジにはもっとしっかりしてほしい」「選手はフェアプレーを心がけてほしい」と精神論で願うだけでは、状況は変わらない。気合や根性で解決できる問題ではなく、仕組みとして担保する必要がある。

5. 解決策の提案:ジャッジ認定資格制度の導入

認定を受けたジャッジが並び立つ体制こそ、目指すべき姿だと思う。

認定を受けたジャッジが並び立つ体制こそ、目指すべき姿だと思う。

精神論に頼らず仕組みで解決するという意味で、参考になる前例が実はすでにある。ベイブレードXには、公認の自主イベントを主催できる「イベントアンバサダー」という制度があり、資格を得るには筆記試験(製品知識・レギュレーション・イベント運営についての択一式および記述式)と面接を突破する必要がある。つまり、公式側にはすでに「レギュレーションの理解度を試験形式で担保する」ノウハウと実績がある。

これと同じ考え方を、ジャッジの認定にも応用できないだろうか。ジャッジ向けにも同様の筆記試験(レギュレーションの理解度確認が中心)を実施し、それに合格した人材だけが大きな大会(少なくともG1のようなグレードの高い大会)のジャッジを担当できるようにする。さらに、筆記だけでなく、実際のベイチェックや進行対応を想定した実技試験を組み合わせるのも有効だと思う。知識としてルールを知っているかどうかだけでなく、現場で正しく運用できるかどうかまで確認できれば、より実践的な形でジャッジの質を担保できるはずだ。ルールを正しく理解しているジャッジが現場に立つことが大前提であり、そこが担保されて初めて、経験や裁定の一貫性といった話ができるはずだ。そうすれば、現場ごとの裁定のばらつきや、状況が正しく共有されないまま強引に進行してしまうようなケースは、今よりずっと減らせるのではないだろうか。

結論

ベイブレードXを真のスポーツ(GEAR SPORTS)として発展させるためには、以下の点が急務だと考える。

ジャッジの専門性と質の向上(徹底した教育と経験者の配置、そして筆記試験と実技試験を組み合わせたイベントアンバサダー制度のような認定制度の導入)

低年齢選手に対する保護者のサポート(付き添い)の許可(※あくまで当面の対症療法であり、ジャッジの質が向上すれば本来は不要になるはず)

大会のクラスが「レギュラークラス(6歳~12歳)」と「オープンクラス(6歳以上)」という区分に問題があるとも言えるが、この区分を変えることが今後ないというならば、先に述べた改善がなされることが望ましいと思う。

3・2・1、ゴーシュート!

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