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イヤヨイヤヨはガチで嫌なんだよ

まだうら若き20代のころ、
気の迷いで一瞬だけフツーのOLさんをしてたことがあって

私のような社会不適合者に勤まるわけもなく
2年足らずで逃げ出してしまったわけなんですが。

まだWindows95が全盛で
MacのOSが漢字talkだったころの昔話です。

スーパーハードな前職を退職した後
「もうアカン、死んでまう
地味にコツコツ働いて天寿を全うしたい」
というよくわからない理由で事務職を目指し
当時まだあまり使える人がいなかった
パソコンを使えるようにしようと思い立ち

そのまま沼にハマり、20世紀末にはまだめずらしかった

「若い女なのにパソコンヲタク」
「Windows95もNTもMacも、Unixもイケます」

という、ちょっと事務職目指すには方向音痴気味な
意味不明の女がひとり出来上がりました。

転職した先での肩書は
「総務経理係」
だったのですが

死ぬほど暇だったので
「一か所に経費を入力すると、自動ですべての台帳が出来上がり
賃借対照表がエラーを出して入力ミスがその場でわかる」
というシステムをこさえた結果
(それまで手書き手入力手計算だった)

さらにやることがなくなって
週に2時間しか仕事がなくなってしまいました

私を雇った会社は、私に
「独身の男性社員の福利厚生」とか
「お茶くみ要員」とかを期待して雇用したので
わけのわからない仕事をしている謎の女を扱いかねて
ヒマを持て余して他部署に油を売りに行く私を
見て見ぬふりで 放し飼いにしておりました

やがて、総務に変な女がいるといううわさが広がり
各部署のオッサンや兄さんたちが
パソコン、特にネットに関する操作や不安を
私に持ち掛けてくるようになり

気づけば社内の
「パソコンお助け姐さん」が
一日の主な仕事になっておりました

ある日
システム開発部()の45歳独身おぢが
「ケイコさん、僕、家でインターネットしたいんだけど
繋ぎ方がちょっとよくわからないんだよね。
お礼するから、やってもらえないかなぁ」
とう、信じられないようなキモい依頼を投げてきました。

おまえシステム開発部やろ
恥とかないんか、40過ぎて

などと、当時まだ20代だった小娘には言えるわけもなく
「あーちょっと責任取れないんで無理ですね」
「えーいいよーだめならだめで。ごはんおごるから来てよ」
「いやそこはちょっと責任取れないんで」
「出し惜しみ?〇〇くんの依頼なら喜んでやっちゃうとか?」
「仕事仲間よりイケメンかぁ~」

(注釈:〇〇くんとは、外部委託で来ているネットワーク管理者で
東大院卒185cmイケメンの20代男性である。
彼の知能を横取りすべく私はウザ絡みを仕掛け、彼は自分が不在時に
トラブルが発生すると私を利用して遠隔操作解決するという
利害一致で仲良くしていた。むしろ彼のほうが【仕事仲間】である)

という、絵に描いたような
「イケメン無罪、ぼくはブサメンだから有罪」
という、加害者が醸し出す典型的な被害者仕草をはじめました。
まだ人間としての経験値が浅く、うまくいなせなかった私は
仕方なく
「困ったことがあったらメールください
力になれるかもしれないし、なれないかもしれません」
とプライベートメールアドレスを教えてしまいました

家からメールが送信できれば
もうそこには問題がないわけで
(おぢ、ここで仮名として伊藤と名付けよう。あくまでも仮名である)
伊藤はそのとき、メールの送信元サーバーが受信者にはわかることも
まだ何もわかってなかったので、とりあえずそれで逃げ切りました。


案の定、伊藤は家から
「ケイコさーん、やっぱりうまくいかないなー
助けてよー」
というキモメールを送ってきやがりました

「お疲れさまです。送信元は〇〇ですね。ご自宅ですね。
自宅インターネットおめでとうございます。」
と返信したところ
「え、そんなことわかるの?見透かしちゃった私ウフ♡みたいな?
隅に置けないねぇ~(^^)」
と、書いてて今も身の毛がよだつようなメールが即返ってきました。

話は逸れますが、lineのスタンプって最高ですね
マジで返事なんかしたくないけど既読無視したらキレそうな
伊藤みたいなオヤジへの返信にほんと最高です

閑話休題

その後もちょくちょくキモメールが来るのですが
テンプレのような返信でかわし続け、少々疲弊してきたころ
「そろそろふたりで飲みに行きたい」
という、地獄の入口への招待状が届きました

うっそやろ
あれだけどうでもいい返信受け取っておいて
もしかして距離縮まったとか思ったんか
こっちとしてはコンクリの壁に有刺鉄線巻いてたつもりなのに
おぢの脳みそ、どうなっとんねんマジで

「すみません、私下戸なんで」(これはホント)
「無理にきついお酒飲ませたりしないよ」
「いや、お酒本当に嫌いなんです」
「僕のこと警戒してる?危ない男に見えるのかな(^^♪」
「すみません無理です」

ここで、おぢ、切れた

「本当にあなたはマナーがなってない女ですね
そこは、いい女になりたいならば
『カクテルなら1杯くらい』と返すのが
大人の女のマナーなんですよ
本当にあなたは失礼で無礼な人だ!!」

え。私、悪いの?なにこれ。

どういうこと?

少しのシンキングタイムのあと

静かにキレた私は
そのメールを社内の親しい人々にCCで転送し

「なんか、伊藤さんに怒られました( ;∀;)どうしよ」

と、相談っぽく拡散しました

その後の伊藤は、私から誘っただのなんだのと
見苦しい言い訳を展開していたが、周囲からの
(そんなわけねぇだろ寝言は寝て言え)
という圧に晒されて

「頭を丸めて仏門に入る」
という信じられない特級被害者仕草を発揮してくれました
(ガチです。まぁもともと実家が寺だったそうですが)

ま、そこまでしても、誰も同情しなかったですけどね
若い女性の「嫌」を、自分勝手な解釈で捻じ曲げて
勝手に被害者になったおぢ。最近どっかで見たなそういえば。

私ほどの、そのへんの小ブスでもこういう被害に遭います。
おそらく、男性には一生見えない風景でしょう。

そんなことを思う台風の一日でした。

伊藤だからね。佐藤じゃないよ
(それ以上はいけない)


#創作大賞2026 #エッセイ部門

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