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5章癒しの仕事⑭静岡から東京へ

季節が変わり、足技整体のテク
ニックが少しずつ身について足
技整体をクライアントさんにも
少しずつ施術させてもらえるよ
うになり、癒しの仕事に面白味
を見出した頃、ビックな転機が
訪れた。

オーナーである師匠が、地元静
岡市の整体・整骨院を突然閉鎖
し、妻と娘の暮らす東京・目黒
で新規移転・開業すると突然、
知らされた。

残ったクライアントさん達は足
技整体・整骨院が突然なくなる
ととても困るので、施術を希望
される方には年下の先輩と私で、
車で自宅に個別訪問し、女性2人
だけで出来る範囲で出張での足
技整体の出張サービスをし始め
た。

でも彼女は20代前半で私よりも
若く、おつき合い中の彼氏が一
番大事で、もし結婚したら整体
の仕事はすぐ辞めると言われた。

静岡市

残された静岡のクライアントさん
達ももちろん大切だが、一緒に2人
でこのまま出張整体の道を続けて
いくには限界があると、出張施術
の道に明るい未来を感じられなく
なった。

まだまだ足技の整体の技術習得・
癒しの世界をまだもっと学びたい
気持ちがあった私は、師匠につい
て東京に行けば整体を学ぶ弟子の
立場から、一人前の足技整体師と
してちゃんとデビューし、新規オ
ープンから経営のアレコレを近く
で働きながら学べるチャンスだと
言われた。

これは私にとってビッグチャンス
で、とても大切な決断の時!

このまま静岡に残されたクライア
ントさん達を任される出張の仕事
より、師匠と一緒に東京で新規オ
ープンスタッフとして東京で足技
整体師として働く方が、学びもチ
ャレンジも大きくとっても魅力的
に感じた。

まだまだ整体師として未熟な技術
習得も、足技整体の仕事の中身も
学び切れた感がなかった私は、こ
の東京行きの話に乗れば静岡から
出て独立するチャンス!

生まれ育ち馴染んだ静岡を離れ一
人暮らしをし、親離れして足技整
体師としての自分を試す絶好のチ
ャンスになると信じ東京行きをコ
コロに決めた。

両親に私の決意を話すと、父は私
の話を終始静かに最後まで淡々と
聞いてくれた。

母は心配症で私の話をホロホロと
ただ涙を流して聞いていたが、最
終的には私の進路に理解を示して
くれた。

目黒の権之助坂

東京での師匠の整骨院兼接骨院オ
ープンの準備の仕事はあれこれ忙
しかったが、初めての一人暮らし
は想像以上に楽しかった。

足技整体を知らない目黒の地で師
匠とゼロから始める新規立ち上げ
の準備の経験は全て新しい体験で、
ワクワクする毎日。

最初はビラを撒いてもなかなかク
ライアントさんが来院されず、ヤ
キモキしながらも、暇な時間は私
の足技整体の技術の練習にタップ
リ充てられた。

ボチボチとクライアントさんが来
て、受けつけ業も兼ね、電気のマ
ッサージベッドや電気治療のお手
伝いをしつつ、私を足技整体師と
して一人前にしようと師匠の意図
もあり、新規クライアントさん達
の施術をドンドン任された。

少しずつと足技整体の良さが認知
され、評判が評判を呼び毎日とて
も多くのクライアントさんが朝か
ら閉院まで訪れるほど忙しくなり、
様々なカラダや年齢のタイプのク
ライアントさんの施術を受け持ち、
全ての経験がやり甲斐ばかり。

足技整体

男性も女性も、若い方からお年寄
りまでクライアントさんは職業も
性格もバラバラ。

とにかく癒されたい方、カラダが
辛い方、忙しくてとにかく疲れ切
ってる方、スポーツ選手等、あら
ゆるタイプの人と接する修行の毎
日が有意義に感じた。

男性の師匠につくクライアントさ
んと女性の私につくクライアント
さんはタイプが異なり、イイバラ
ンスで1年足らずで目黒で、とても
忙しい人気のある治療院になった。

師匠と私の2人の脚だけでは、訪れ
るクライアントアさん達の施術が
なかなか回し切れないくらい、毎
日かなりの数の施術をやりまくり、
面白い様にドンドンお客さんが増
えた。

施術家として癒しの仕事の面白味
を十分に味わえ、色々なタイプの
人達と関わる中で、カラダの扱い
方・会話の受け応え方、全てが学
びで毎日が飽きなかった。

師匠から、整体師と言う施術の仕
事は直接カラダを触れる仕事なの
で、男性にも女性にも変な誤解を
与えてしまう行動や言動には特に
氣をつけるようによく戒められた。

カラダを触れて心地よく癒される
コトで、クライアントさんから信
頼され、恋愛に似た感情を先生で
ある私達整体師は抱かれるコトが
多いので、相手に誤解を与えない
ための冷静な接し方や言葉遣いの
注意を促された。

師匠は男性なので女性に「施術用
の洋服に着替える」と伝えたら、
何を勘違いしたのかスケスケのネ
グリジェになっていて、そのクラ
イアントさんを施術するのに目の
やり場に困った話を聞かされ、私
は大笑いしたのを覚えてる。

クライアントさんと先生の立場を
越え、誤解を受ける行動は施術師
としても整骨院としてもマイナス
の評判になり、セクハラなどの裁
判沙汰にもなり兼ねないので、硬
派で真摯な行動を常に心掛けた。

年配の男性のクライアントさんか
ら誕生日に真っ赤な薔薇の花束の
プレゼントを頂き、とても恐縮し
たが技術ではまだまだ師匠に劣る
私でも、足技施術を通してコアな
ファンがついたコトは単純に嬉し
かった。

赤いバラの花束

クライアントさんに気に入られる
と、仕事終わりに師匠と二人で夕
食や飲みに誘われるコトも多く、
カラオケやら夜の接待を受けるコ
トを時々楽しんだ。

だが「本来の癒し」とは、カラダ
の外からの施術・マッサージなど
のアプローチだけではかなり限界
があると感じ始めていたのも事実。

日々の暮らしの中で、個人がやる
セルフケア”が何より大事で、施術
やケアは一時的なサポートに過ぎ
ない。

セルフケアを一人一人が出来る範
囲で心掛けて、ストレスマネージ
メントも真の健康には欠かせない。

現代社会に生きる私達には、心身
両面の健康の必要性を強く考える
ようになった。

心身の健康

忙しい毎日でも一人一人が家でエ
クササイズやストレッチ、リラッ
クスを生活に取り入れ、食生活の
改善や様々なストレスにどう対応
するか、ココロのケアもメチャ必
要で、癒しは個人の生活スタイル
全体の改善が欠かせない…。

毎日くったくたになるまで仕事や
日常の生活に疲れ果て、「駆け込
み寺」のように心身の癒しを求め
る東京のクライアントさん達と向
き合う毎日の中で、私なりに”個人
レベルの健康維持”や”ライフスタイ
ルの改善”の必要性を感じ始めた。

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