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「あなたのため」が、子どもの人生を奪うこともある 〜映画「マイケル・ジャクソン」を観て〜

映画「マイケル・ジャクソン」を観てきました。

※ここからネタバレを含みます。
※実際の父親像とは違う、という話も見聞きしています。
あくまでも、この映画を観た私個人の感想です。

映画の途中、何度かウルッときました。
そして観ながら、私の頭に最初に浮かんだ言葉がありました。

「ドリームキラー」

でした。

夢を奪わなければ、ドリームキラーではない?

「ドリームキラー」と書きましたが、
マイケルの父親が、実際に彼の夢を奪ったわけではないのかもしれません。結果として、マイケルは世界的なスターになっています。

けれど。

子どもらしく遊ぶことを許さない。
上手くできなければ、暴力でねじ伏せてでもできるようにさせる。
本人の意思とは違うことを、無理にさせようとする。

私は、それもひとつの「ドリームキラー」なのではないかと思いました。

自分の世界を表現したくて、マイケルがソロの道へ進もうとしたときも、
父親は邪魔をする。

父親にも、きっと言い分はあったのでしょう。

「お前のためを思っている」
「お前が失敗しないように」
「俺の言う通りにしておけばいい」

もしかしたら、本当に息子を思っていたのかもしれません。

でも私は映画を観ながら、

マイケルという息子への思いよりも、
『マイケルという息子を持つ父親』としての傲慢さがあったのではないか。

そんなふうに感じました。

「うちには関係ない」と思うかもしれないけれど

マイケル・ジャクソンのような世界的スターがいるわけじゃない。
だから、我が家には関係ない。

そう思う人もいるかもしれません。

でも、形を変えれば、どこの家庭にも起こり得ることだと思います。

例えば、高校卒業後。
子どもには専門学校で学びたいことがある。
勇気を出して親に伝えた。

でも、

「専門学校なんてダメ」
「大学に行かなければ将来苦労する」
「大学だけは出ておきなさい」

頭ごなしに却下する。

もちろん親には、親の経験があります。
子どもに苦労してほしくない。
失敗してほしくない。
将来困ってほしくない。

その気持ちもわかります。

でも。

それは、本当に子どものためなのでしょうか。

実際、私のまわりでも、

「この学校ならいいけれど、こっちはダメ」
「跡取り息子が留学なんてダメ」

そんな話を聞いたことがあります。

子どもは、一人で大きくなったわけではありません。
親に育ててもらった恩もあるでしょう。
なので、基本親の言うことに応えようとします。

でも、子どもは親とは別人格です。
別の人間です。

育てたことと、子どもの人生を決めていいことは、別だと思うのです。

失敗が見えていても、親は止めるべき?

子どもの選択を聞いて、
「いや、それ絶対失敗するでしょ」
そう思うこともあるでしょう。

親の方が長く生きています。
経験もある。
だから、先が見えてしまうこともあると思います。

それでも私は、

本人の考えや思いを尊重して、行動させてあげてほしい。

そう思ってしまいます。

失敗するかもしれない。
遠回りするかもしれない。
「あのとき親の言うことを聞いておけばよかった」

そう思う日が来るかもしれない。

でも、それもその人の人生です。
親が失敗を全部取り除いた人生は、
果たして「その子の人生」と言えるのでしょうか。

「子どもの成功=親の成功」になっていませんか?

映画を観て、もうひとつ思ったことがあります。

子どもの成功=親の成功

どこかで、そう思っていませんか?

もちろん、自分の子どもが成功したら嬉しい。
輝いている姿は誇らしい。
それは、とても自然なことだと思います。

でも。

それは子どもの成功です。
親の成功ではありません。
ここを勘違いしてしまうことがあるように思います。
(私の母は、完璧に勘違いしてるタイプです。)

例えば、学力の高い大学に進学した子どもを持つと、
「子育て成功」

反対に、いわゆる優秀と言われる学校ではなかったら、
「子育て失敗」

そんなふうに、子どもの学力や進学先、職業で、
自分の子育ての成功・失敗を判断してしまう。

どこの学校に行った。
どこに就職した。

もちろん、親として誇りに思うのはいいと思います。
でも、それは親自身の実績ではありません。

子どもが選び、子どもが歩いた人生です。

親は、そこを勘違いしてはいけない。
映画を観終えて、私はそんなことを考えていました。

「あなたのため」を一度疑ってみる

親が子どもに何かを言うとき。

「あなたのため」

そう思っていることは多いと思います。
私も親なので、その気持ちはわかります。

だからこそ、一度だけ自分に聞いてみてもいいのかもしれません。

これは本当に、この子のため?
それとも、自分が安心したいだけ?
自分が思う「正しい人生」を歩いてほしいだけ?

子どもを思うことと、
子どもの人生を自分の思い通りにすることは違う。
その境目は、案外わかりにくいのかもしれません。


マイケル・ジャクソンの特別なファンではない私でも、
映画の中で流れる曲は、ほとんど聴いたことがある曲ばかりでした。

それだけテレビや街の中で、当たり前のように流れていたのでしょう。
本当に大スターだったんだなと
改めてそう思うと同時に、私はなぜか、

「親は、子どもの人生の主役を奪ったらいけない」

そんなことを強く思った映画でした。

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