集団形成 - マティアス・デスメット教授のインタビュー
odysee Kla.TV - English 2023年09月21日より。
ハイライト:
集団形成とは、異なる考えを持つ人々を排除し、集団の意見を特定の方向に影響させるプロセスのこと
集団形成がプロパガンダを援用した企てであれば、それは長く続く
集団形成や全体主義の台頭は、常に社会を非人間的にする
最も重要なのは、私たちが誠実かつ正直な方法で発言し続けるということである
《デスメット教授》考え方が違うからといって、誰かを排除してはいけません。
もしあなたがワクチンを受けていないのであれば、ワクチンを受けることを選択した他の人も、あなたと同じ人間であり、その逆もまた然りだと考えて下さい。もし、あなたがワクチンを受けることを選んだとしても、異なる考えを持つ人がいることを受け入れて下さい。
それが、あなたが本当に守らなければならない原則の一つです。
非人間的な態度は常に慎むこと。ゆっくりと人間性を失っていく中にあって、人間的であり続けること。
《はじめに》マティアス・デスメットはベルギーのゲントで臨床心理学の教授を務めており、精神分析的心理療法のプロセスと結果に焦点を当てた研究を行っています。
彼の著書は、ニューヨーク・ポスト、フォーブス、フォックス・ニュースなどのメディアで広く取り上げられています。
デスメットには100を超える学術論文があり、集団形成理論の世界的第一人者として知られています。
集団形成とは、異なる考えを持つ人々を排除し、集団の意見を特定の方向に影響させるプロセスのことです。
マティアス・デスメット教授は、COVID-19のパンデミック時に「集団形成」という現象がどの程度起こったのかを調査しました。
数々の賞を受賞している同教授は、7月初旬にブリュッセルで一般公開された欧州市民イニシアティブ「トラスト & フリーダム」にも携わっています。
ブリュッセルでの記者会見中にKla.tvが行った、マティアス・デスメットへの独占インタビューをご覧下さい。
《デスメット教授》私はコロナ危機の初期に声を上げ始めました。
社会は私が「集団形成」と呼ぶものの支配下にあり、集団形成が現れると、非常に多くの場合、全体主義体制の出現につながるということを、人々に警告しようとしていたのです。
それで、私はそのことについて何本か記事を書き、国際的なインタビューにも答えました。そして1年半前、これに関する本を出版したのです。
『全体主義の社会心理学』という本で、このようなシステムが社会の中でどのように生まれるのか、そして、それが個人の精神機能のレベルにおいて、いかに奇妙な現象につながるかを説明しました。つまり、ひとたび集団形成の虜になると、その集団が信じるものに対して批判的な距離を取ることが出来なくなるという現象が起きるのです。
人々は、集団形成以前は重要であったことの全てを、根本的に犠牲にすることを厭わなくなり始めました。そして、極めて重要なことは、不協和音の声に対して根本的に不寛容になってしまったのです。
これが集団形成の現象であり、私が著書や幾つかのインタビューで説明したのは、集団形成が出現するメカニズム、つまり集団形成を出現させるために社会で何が起こるか、ということでした。
《Kla.tv》では、集団形成の出口はあるのでしょうか?
《デスメット教授》そうですね、自然に止まることもあれば、とても長く続くこともあります。
とりわけ、それがプロパガンダを援用した企てであれば――もし、政府が教化プロパガンダを通じて集団形成を利用し、時には誘発でき、プロパガンダが主流メディアを通じて何度も何度も再循環されるのであれば、集団形成は非常に長い間、継続可能ということになります。
《Kla.tv》つまり、私たちは今、集団形成の中にいるということですね?
《デスメット教授》集団形成は実際によくあることです。通常はごく小さな規模ですが、時には非常に大規模になります。全体主義体制が始まる前のソ連やナチス・ドイツでは、大規模な集団形成がありました。
そして今、コロナ危機における集団形成は歴史上初めてのことだと思います。私たちは、世界的な集団形成の出現を目の当たりにしており、世界人口の主要なあるいは相当な部分が集団形成の虜になっています。
相当な部分とは、通常20~30%という意味ですが、しかし、さらに60~65%の人々が集団に同調し、沈黙を守り、話がおかしいとわかっていながら声を上げていないのです。
そして、残った5%〜10%ほどは、何かが間違っていることを知り、多くの点で話が不合理であることを理解し、それを何とかしようとする人々です。その5~10%から最初に声が上がり、大勢を形成し、転換させることができるでしょう。
しかしもちろんこれらの人々は、自分自身が集団形成のマイナーな餌食にならないよう、細心の注意を払わなければなりません。というのも、主要な集団形成に従わない人々は、別の集団形成の餌食になるかもしれないからです。
社会でもある程度起こることだと思いますが、大きな集団形成が小さな集団と対峙するという、非常に深刻な社会の二極化につながることがあります。
《Kla.tv》その結果、社会に強い圧力がかかるわけですね。では、どうしたらいいか、教授のお考えは?
このような圧力や集団形成のようなものに対して、良いエネルギーを生み出し人に与えることはできるのでしょうか?
《デスメット教授》そうですね、集団形成がどのように現れるかを見てみると、集団形成の根本的な原因は常に孤独であることがわかります。
この200年間で、より多くの人々が孤独を感じるようになり、それは社会の工業化とテクノロジーの過剰な使用と関係しています。
そしてひとたび孤独を感じると、人々は通常、意味づけの欠如に直面するようになります。人生を無意味なものとして経験し始めるのです。孤独な人が人生の目的を見失い、苦しむようになる理由も、心理学的に完璧に理解できますね。
孤独を感じ意味づけの欠如を経験するようになると、人は通常、漠然とした不安、苛立ち、攻撃性に直面し始めます。それらは、精神的な表現とは関係のない、ある種の不安や苛立ち、攻撃性のようなものです。つまり、人は孤独を感じ、不安や苛立ちを感じ、攻撃的になるのですが、自分が何に対して不安や苛立ちや攻撃性を感じているのかわからないのです。
そして、このような状況こそが、集団形成が生まれやすい条件なのです。つまり、このような状況下で、不安の対象とそれに対処する戦略を示す話がマスメディアを通じて配信されたとします。すると、人々の漠然とした不安は、マスメディアが言う不安の対象につながり、話で描かれた不安対象に対処する戦略がどんなに不合理であっても、人々はそれに従おうとするでしょう。
人々は、多くの点で間違っていて不合理な話を、狂信的に信じ始めるのです。このような状態は催眠状態に似ています。このような状態では、人々は集団の指導者の声に支配されるのです。人々は単に… あるいは、公共の場で話を語る人の声に支配されるのです。
そして、いったん集団形成のメカニズムを理解してしまえば、今は詳しく説明できませんが、理解して集団形成を弱めたいと望むなら、次のこともわかるはずです。
すなわち、集団形成の中にいる人を目覚めさせることは通常できない、ということです。心底集団形成の中にいる20~30%の人たちは、たいてい目を覚まさないからです。
異なる方法で声を上げ続ける人たち、不協和音や反体制的な声を明瞭に表現し続ける人たちがいても、集団形成の中にいる人々は目を覚まさないかもしれないのです。
しかし、理解した人々が、集団形成がどんどん深まり、中の人たちの思い込みが確定する最終段階にまでは行かないようにするということは、確かでしょう。
集団形成の中にいる人は、不協和音の声に対して不寛容になり始め、自分たちに同調しない人を一人残らず排除しなければならないと確信し始めます。
そのメカニズムを理解すればすぐに理解できることですが、不協和音の声は、大衆が集団形成の究極の破壊的段階に進むのを防ぐために、極めて重要なのです。
ですから私たちが、最も重要なのは、私たちが誠実かつ正直な方法で発言し続けるということです。
自分たちだけが真実を知っていると確信しているからではありません。そうではないのです。
誰もが真実を知ろうと奮闘しています。ですから、人間なら誰でも持っている倫理的な義務に応えたいと思うからこそ、その時々に、私たちの知る限りにおいて、誠実で正直だと思える言葉を口にするのです。
私たちはこれからも声を上げ続けなければなりません。説得しようとせず、できるだけ誠実に。相手を説得しようとするのは逆効果です。相手を説得しようとするのではなく、できる限り誠実な方法で発言する義務に忠実であるべきです。
それが第一です。そうすれば集団形成を弱めることができます。そうすれば、不思議なことに、集団形成の根本的な原因である孤独感も解消されるのです。人々をつなぐのは、まさに誠実な対話なのですから。
誠実な対話が人々を共鳴させ、集団形成の根本原因であった心理的孤立や孤独から人々を解放するのです。ですから、どの角度から見ても、できるだけ誠実に、できるだけ正直に、できるだけ謙虚に発言することが重要です。
自分が真実を知っていると主張したり、全てを知っていると主張したりする必要はありません。ただ、こう言えばいいのです。「私にとってはここが変な感じ。なぜだか、どんな感じなのか、説明してみるね」こういうふうに言えば、ある種の敬意を表しているようです。
プレッシャーの中で発言し続けることで、人間としてどんどん進化していくことを実感できるはずです。
プレッシャーの中で発言すること、発言を止めなければならないという大きなプレッシャーの中で誠実で正直であり続けることは、あなたを人間らしくし、人間としての心理的なプロセスを急速に進ませるものであり、あなたはすべてが理にかなっていると感じ始めるでしょう。
自然は、理由もなく集団形成を作り出したわけではありません。理由があって集団形成が生まれたのです。
《Kla.tv》そうですね。このような全てのつながりにおける深い洞察に感謝します。メッセージを一つ二つ、まとめていただけますか?
このような時代において、或いは常に、このような集団形成の中で小さなスパイスとなるために重要なことは何でしょうか?
《デスメット教授》そうですね、集団形成や全体主義の台頭は、常に社会を非人間的にすると思います。
皆に同じ考え方を強要するのです。一人ひとりに一つの理想像を押し付けています。そして最終的には、個人の人間性を奪ってしまうのです。個人としての特徴を失わせ、個人のアイデンティティを集団のアイデンティティに置き換えてしまうのですから。
つまり、集団形成とは極端な集団主義なのです。
そのことを理解すればすぐに、人間性を奪っている世界では、人間性の原則に忠実でなければならないというシンプルな原則が見えてきます。人道的であり続けなければならないのです。
考え方が違うからといって、誰かを排除してはいけません。
もしあなたがワクチンを受けていないのであれば、ワクチンを受けることを選択した他の人も、あなたと同じ人間であり、その逆もまた然りだと考えて下さい。もし、あなたがワクチンを受けることを選んだとしても、異なる考えを持つ人がいることを受け入れて下さい。
それが、あなたが本当に守らなければならない原則の一つです。
非人間的な態度は常に慎むこと。ゆっくりと人間性を失っていく中にあって、人間的であり続けること。
他にもいろいろあるけれど、私が言えることはそれだけです。
