銀行の仕事内容 ー銀行員はどんな仕事をしているー
これから銀行への就職を考えている方に向けて銀行の仕事を解説します。
「銀行員」という職業は銀行に勤務する人の呼称です。
会社に勤務する人は会社員と呼ばれますが、なぜか銀行に勤務する人は「銀行員」と呼ばれます。会社勤めである点は、普通の会社員と変わりません。
では、「銀行員」は普通の会社員と違うのでしょうか。
「銀行員」はどんな仕事をしているのでしょうか。
銀行とは
では、そもそも銀行とはいったい何でしょうか。
日本国内における銀行とは法律によって「あなたの会社は銀行」と定義された金融機関のことです。
逆にいえば法律で認められなければ銀行ではありません。
ちなみに国によって銀行の定義は違います。
また金融機関とは、金融業を営んでいる組織のことです。
金融とは「余っているお金を集めて、不足しているところに融通する」ことです。
そのため、金融機関は銀行だけではありません。
保険会社や証券会社、クレジットやリースの会社に消費者金融など、金を集めて融通する業種はすべて金融機関です。
銀行:銀行法によって定義された金融機関
金融:お金を集めて、不足しているところに融通すること
金融機関:金融を行う業種や企業のこと
銀行の役割
銀行には3つの役割があります。
1.お金を預かる
2.お金を貸す
3.お金を代行して支払う・受け取る
銀行は「お金を預かる」役割がある
銀行は「預金」という形でお金を預かります。
「預金」は顧客からお金を「預かる」業務です。つまり銀行からみれば、顧客から「借りている」状態です。そのため預金には金利(利息)を付けてあげます。
銀行は「お金を貸す」役割がある
銀行はお客から預かったお金を、お金が必要なところに融通します。貸し出すということです。「融資」ともいいます。
「融資」は銀行からみれば、顧客に「貸している」状態です。そのため融資は金利(利息)を付けて返してもらいます。
銀行は「お金を代行して支払う・受け取る」役割がある
銀行はお金の支払いや受け取りを代行します。
例えば買い物をした際、北海道の人が沖縄県までお金を現地まで持参して支払ったり、受け取ったりするのは時間もコストもかかります。
しかし銀行間でやり取りをすれば、すぐに済みます。このサービスを「為替(かわせ)」といいます。
為替サービスを提供することで銀行はお客から手数料などをもらいます。
銀行の機能
お金を預かる「預金」
お金を貸す「融資」
お金を代行して支払う・受け取る「為替]
これら3つの役割を銀行は担っています。
これを銀行の3大業務といいます。
銀行は「預金」「融資」「為替」の3大業務により次の機能を世の中に提供しています。
1.金融仲介
2.信用創造
3.決済機能
金融仲介
余っているお金を集めて、不足しているところに融通する。
簡単なようですが、実は非常に難しいことです。
例えば、お金が不足している人や企業が、お金が余っているところを探すのは大変です。お金が余っているかどうかもすぐには判断できません。
逆も同じです。お金が余っている人や企業が、資産を増やしたくても持っているだけでは増えません。
誰かに貸して、金利や配当で増やしたいと思っても、お金が不足しているところを探すのは大変です。
また余っているお金を安全に保管するのも大変です。保管する場所も人も準備しなければいけません。
このような面倒を銀行は「預金」と「融資」という業務を通して仲介しています。
信用創造
銀行は顧客から集めたお金を融資する際に、不足している先に直接現金を持っていくわけではありません。
実際、銀行にお金の現物が保管されているわけではありません。
銀行は集めたお金を「預金」という元帳で保管します。
そして元帳データを元に「融資」を行います。
難しい用語でいえば銀行は「信用貨幣」を創造することができます。
お金の現物がない状態からでも銀行は新たにお金を生み出せるのです。
銀行が預金と融資を繰り返すことで、お金が増えていくことを信用創造といいます。
以下が簡単な説明図です。

決済機能
銀行口座を利用すれば、お金をわざわざ引き出したり入金しなくても、支払いやお金の受け取りができます。
例えば公共料金の口座振替や、取引先への振込、手形や小切手の引き落としなどです。
この機能は金融仲介機能や信用創造機能と異なり、単独の銀行だけでは成立しません。全国の銀行とのネットワークによって構築された機能です。
銀行は決済機能をお客に提供するため「為替」という業務を行っています。
ちなみに為替は当て字です。意味は文字通り、替える(交換する)ことです。
お金を振込などで移動させて、お金の所有者を替えることを為替(かわせ)といいます。
銀行のない世界は?
もし銀行がなかったら、私達の生活はとても不便です。
何かを買うときに、お金を持ち歩く必要や、何も買わない場合でも、お金は安全なところに保管しておかなければいけません。
遠方の取引があった場合、そこまでお金を持っていかないといけません。
受け取る方は、お金の到着を待たなければいけません。
いまの世界に慣れてしまうと、現実的では無い話です。
銀行は便利なサービスを世の中に提供しています。
銀行員の仕事
銀行の役割や機能を理解して頂けましたか?
では、次に銀行で働く銀行員の仕事について説明します。
銀行員は、銀行の3大業務「預金・融資・為替」を円滑に行うための仕事をします。
それぞれの内容について説明します。
預金業務
預金業務は顧客の預金を管理する業務です。
預金口座の開設や解約、入出金などの手続きを行います。
付随業務として預金者情報に関する手続き、住所変更や改印(銀行への届出印鑑の変更など)などの諸届や、相続や差押などの手続きも行います。
融資業務
融資業務は、お金を貸したり、貸したお金を回収する業務です。
銀行はお金を誰にでも貸すわけではありません。貸したお金を回収できるかどうかの判断が必要です。融資業務はそういった判断を行います。
また約束どおりに返済できない場合の督促や、返済不能になった場合の担保などの処分など、貸したお金を管理する業務を担います。
為替業務
為替業務は、振込や手形交換、引き落としなどを行う業務のことです。
為替は全国の銀行とのネットワークによって成り立っているので、締切時間があります。
預金や融資業務も時間的な制約はあります。
しかし為替に関しては一つの銀行が単独で手続きの時間を延長したりは出来ません。
テラー業務
銀行窓口で働く行員をテラーといいます。テラーとは「話す人」という意味です。
テラーは事務処理の受付だけでなく、お客からの資産の相談窓口といった営業も担当します。
最近は銀行の人員削減などの政策もあり、預金業務や為替業務もこなす必要があります。
出納業務
出納とはお金を管理する業務です。預金ではなく、現物のお金(現金)を管理する仕事です。
現金を管理する仕事のため、目の前に札束や硬貨が並びます。重たい硬貨を持ち運ぶなど、肉体的な労働もあります。
外交(渉外)業務
外交(渉外)は、主に取引先や新規先に訪問して営業活動する業務です。
営業活動は多岐に渡ります。
一般的に法人担当と個人担当に分かれています。
法人担当のメインの仕事は融資のニーズ発掘と新たな融資先の開拓です。
個人担当のメインは資産運用や相続対策などの相談・提案業務です。
なぜ、外交(渉外)というかといえば文字通り、外を回るからです。
銀行の店舗で待っているだけでは、お客は限られます。基本的にはエリアが決まっており、エリア内の取引先を担当します。
街でバイク(カブ)にまたがって黒いカバンをぶら下げているスーツ姿を見かけたことがあると思いますが、あれが銀行の外交業務です。
資産運用業務
近年、銀行は従来の業務だけでなく保険や投資信託などの預金以外の金融商品の販売に力を入れています。
そのため資産運用商品が多くなり、適切な運用を提案できる行員を配置する銀行も増えてきました。
コンサル業務
銀行が最近もっとも力を入れている業務になります。コンサルとは「課題解決」です。顧客の課題解決を図り報酬を得ます。
ただ、実質的にはコンサル会社と銀行は同じではありません。
外為業務
海外送金やドルやユーロへの両替などを行います。
銀行や店舗によっては、外国通貨の両替などを行っていないところもあります。
そのため外為業務を明確に区分していない銀行も多くあります。
本部
銀行の仕事は店舗の仕事だけではありません。
本部の役割は銀行によって様々ですが、基本的には店舗をサポートする仕事です。
銀行の役割や機能が世の中からなくなることはない
銀行の仕事について簡単に説明しました。
銀行の将来性について悲観的な意見が多いのは、ご存知だと思いますが、銀行が担う役割や機能が世の中からなくなることはありません。
ただ銀行が持つ役割や機能を代替される可能性があります。
写真フィルムメーカーがデジタルカメラの出現によって、消えてなくなったように、銀行業務もほかの何かに代替される可能性はあります。
銀行員がしなければいけないのは、顧客のために銀行の機能を最大限に提供することです。
決して、銀行のためだけに働かないことを願っております。
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