実は、鶏は個人でも飼える。卵を自給自足する生活を始めるための完全ガイド【未経験でも大丈夫|鶏の飼い方・鶏小屋作り・ヒヨコの育て方】
このnoteは、実際に8羽の鶏(うち5羽は自分でひよこから育てた)を1年以上飼育してきた経験をもとに、「個人で鶏を飼うために必要なこと」をまとめた完全ガイドです。ネット上に散らばった情報をまとめるだけでなく、実際に経験した失敗や工夫も含めています。
また今後も、個人の養鶏に役に立つ情報を随時更新していきます。記事を購入された方でご質問やご相談などがあれば、コメントかDMをしていただければ、わかる範囲でお答えさせていただきますので、お気軽にご質問ください。
はじめに
今現在、鶏を8羽飼っている。
最初に大人の鶏を3羽譲り受けたのが1年と3ヶ月前で、約1年前からは生後2日目のヒヨコを5羽育て始めた。結果として、現在は合計8羽の鶏と暮らしている。
結論から言うと、鶏は思っているよりずっと「現実的に飼える生き物」だ。
特別な資格がいるわけでもないし、広大な土地が必須というわけでもない。最低限の準備さえできれば、個人でも十分に飼育は可能だし、実際に卵の自給自足も成立する。
スーパーで卵を買う生活から、新鮮な卵を鶏小屋に取りに行く生活に変わる。
正直に言うと、もう普通の卵には戻れないくらい、新鮮な卵は美味しい。
鶏の飼育はそこまでハードルが高いものではないが、ちゃんと準備や飼育をする必要もある。
毎日の世話もあるし、外敵への対策もある。放置できる生き物ではない。
そのハードルをクリアすれば、毎日、新鮮な卵がある生活になる。
それに加えて、鶏のいる暮らしは自分の生活のなかに小さな循環を生み出してくれるため自然環境にとってとてもいいので、田舎暮らしや丁寧な暮らしに憧れている方には特にお勧めだ。
この記事では、
・これから鶏を飼ってみたいと思っている人
・鶏を飼えるのかがわからない人
・鶏を飼おうか迷っている人
に向けて、実際に僕が1年と3ヶ月を鶏と過ごしてみて分かったことをベースにまとめている。
現実的に「どうすれば飼えるのか」「飼ったらどうなるのか」に焦点を当てている。
無料部分を読めば、自分が今住んでいる環境や状況で、
「飼えるのか」「飼えないのか」という判断ができるように記事を構成してあるので、まずは無料部分を読んでみて、
「自分にもできそう」
「飼いたい!」
と思った方は、その先の有料部分にて必要なものや、より具体的な情報を得てください。
① 鶏を飼う前に知っておくべき現実
毎日の世話は必須
一応、餌や水さえ置いておけば数日間空けておいても大丈夫だが、基本的には毎日の世話が必要になる。
朝、小屋を開けて運動場に出し、餌と水が減ってないかを確認し、減っていたら追加する。だいたい昼頃までに卵を産んでいるので、卵があれば回収して、夜には鶏を小屋に入れる。
糞などは、鶏小屋の床に敷いてある籾殻などと混ざって乾くので、毎日掃除などをするわけではない。
最低限、小屋のスペースが必要
鶏は小屋さえあれば飼うことができる。ただ小屋に入れっぱなしだと鶏のストレスにもなるので、小屋+放牧できるスペース、があるのが理想。
鳴き声、臭い
鳴き声に関しては、雌だけ飼えばそこまで近所迷惑にはならない。いわゆるコケコッコー! と大きな声で鳴くのは、雄だけなので、雌だけ飼っていればそこまで大きく鳴くことはない。(うちは雌だけにしている。卵から孵化させると雄雌を選ぶことはできないが、ひよこで買う場合は雌だけ、など選べる)
雌だけでも鳴くことはあるが、声の大きさのイメージは小型犬が吠えるぐらいの大きさを想像してもらえればいい。
臭いは、鶏小屋の地面が湿った状態が続くと臭いの原因になる。逆に言えば、風通しをよくして地面が濡れないような小屋の設計にすれば、そこまで気になる程でもない。
ご近所問題
こればっかりは、それぞれの住環境次第なのでなんとも言えない。
全然気にしないご近所さんもいるだろうし、色々と言ってくる人もいるだろう。むしろ鶏に興味を持って、歓迎してくれる人もいる。
上にも書いたように、騒音レベルとしては小型犬の吠える大きさ程度で、臭いも対策をしていれば近所迷惑になるほどでもないので、ご自身のご近所さんを想像してそれを許容できそうなご近所さんかどうか、判断していただけたらと思う。
飼い始めてからトラブルになっても困ってしまうので、あらかじめ大丈夫そうか訊いてみてもいいかもしれない。
外敵(カラス・蛇・イタチなど)
鶏は飼うこと自体は餌と水をやるだけなので簡単だが、外敵が多い、という点では注意する必要がある。
卵がカラスや蛇に狙われたり、鶏自体をイタチやキツネ、野良猫や猛禽類が狙ってくることがある。
小屋をしっかり作っておけば大丈夫だが、逆に言えばちゃんと作ってあげないと簡単にやられてしまう。鶏は昼間は逃げることができるが、夜はほとんど何も見えていないので、夜に襲われたら逃げることもできない。
正直、世話よりも「守ってあげる」ことの方が大変だったりする。
命とどう向き合うか
当たり前だが、いつかは死んでしまう。鶏に限らないが、飼育すると言うことは命を預かるということでもあるので、最期まできちんと飼育する覚悟は必要になる。
② 鶏を飼うことで得られる現実的なメリット
卵を買わなくてよくなる。もっと言うと、質の良い新鮮な卵を毎日、得られる
鶏を飼う最大のメリットは卵。3羽の時は少し買っていたが、8羽になってから一度も買っていない。卵がどれだけ高くなってももはやうちには関係がない。
そして卵の質の良さが段違いだ。最初、何もかけずに目玉焼きで食べた時は、「あれ? 白身に味つけたっけ?」と思うくらい、白身の味が濃かった。
ストレスフリーで過ごしている鶏の卵の美味しさを知ると、もう市販のものには戻れない……。
ちなみに常温で1ヶ月ぐらい保つと言われているが、毎日使っているとそこまで残ることもない。
生ごみが減る、雑草や虫などを食べてくれる
鶏は生ゴミを食べる。全部食べるわけではないし、あげてはいけない食べ物などもあるが、野菜クズ、魚や肉類、穀物類などなど、普通なら捨てている物が鶏の餌になる。
油なども、米糠に吸わせて鶏にあげると、喜んで食べてくれる。
また庭に放しておけば雑草もモリモリ食べてくれるので、雑草が減る。
雑草の他に虫も食べてくれる。

鶏糞が肥料に
うちは家庭菜園をしているので、鶏小屋の床にたまった鶏糞がそのまま肥料になる。鶏小屋の床には、餌として与えている米糠、雑草、生ゴミなどに鶏糞が混ざり合って発酵して、良質な肥料になっている。
その肥料を使って家庭菜園をして、その家庭菜園でできた野菜を人間が食べ、残りの野菜クズをまた鶏に餌としてあげる、という小さな循環ができる。
鶏を飼うだけで自分の生活のなかにエコ的なサイクルができるので、環境のことや自然のことを考えている人には、特にお勧めだ。
③ 飼育前に揃えるものとかかる費用
何羽飼うのか、どれくらいの小屋や設備を作るのか、で全然変わってしまうので、
・5羽飼う想定
・ひよこを購入して育てる(成鶏を買うより安く済むため)
・十分な対策が施された小屋
での目安の金額。
鶏のひよこ代+ひよこを育てるのに必要な物(6000円)
これは品種にもよるが、生後2日目のひよこから買う場合、うちの場合では1羽540円だった。5羽だと540円×5=2700円。大人や育っている雛を買うともっと高くなる。
※廃鶏という産卵期間を終えた大人の鶏を買うとかなり安く済むが、産卵のピークを終えている鶏なので産卵率が多少落ちる。品種にもよるが、卵を産まないわけではないので、試しに廃鶏から入るのはアリ。うちも譲り受けた鶏は産卵のピークを終えた年齢(2歳)だったが、産卵率は6割ほど。
(羽数 × 産卵率 = 毎日の卵の量、5羽で6割なら、5 × 0.6 = 3。毎日3個採れるという計算)若い鳥なら産卵率は8割くらい。若い鳥の方が産卵率もいいし、卵の質もいい。
うちのように廃鶏で鶏を飼うことに慣れてから、次はひよこから育ててみる、というパターンが理想だとは思うが、廃鶏を買う場所が近くにない人も多いので、今回はひよこから育てた場合の値段とした。
ひよこを育てるのに必要な、ひよこ用の餌(1000円)
ひよこ用の水入れ(900円)
ひよこの保温用の電球(2200円)※家にあるもので代用可
が必要なので、合計6000〜7000円程度。
鶏小屋(30000円前後?)
小屋が一番、費用がかかる。上でも書いた通り、鶏というのは外敵が多いので、ちゃんと小屋を作らないとすぐにやられてしまう。
小屋の作り方の詳細は有料部分に書くが、自作した場合の費用としては、
木材で15000円
チキンワイヤーネット10000円
屋根材・ビス・その他で5000円
の合計30000円ぐらいかと。
材料も買わずにある場合はもっと安くなる。工具がない場合はホームセンターでレンタルできる。
餌入れ、水入れ(3000円以下)
餌入れに関しては100円ショップの洗面器とかでも大丈夫。
水入れは洗面器などでもいいが、鶏は地面を掘ったり汚したりすることが多いので、専用のもの(↓こういうもの)を買った方がいい。大きめの物を買っておけば、水を毎日交換する必要がないので、お勧め。うちは7.5kgのものを使用している。
産卵箱(1000円以下)
卵を産むための産卵箱。40〜50cm四方の箱型であれば、なんでもいい。「狭くて暗い場所で卵を産む」という習性があるので、それを満たせればなんでも可。ただ鶏が気に入らなければ使われない可能性もある。

飼料(無料〜月に2000円程度?)
鶏の餌。うちは田舎なので、鶏の餌となるものを手に入れやすくほぼ無料で賄えている。8羽飼っているが月に500円程度。水も雨水タンクからなので0円。
あげているのは、
・米糠(近所の精米所からもらう)
・雑草(うちの畑や庭からとってくる)
・くず米(知り合いからもらう。なくてもいい)
・牡蠣殻(砂浜から拾ってくる)
・生ゴミ、野菜クズ(家から出る)
・配合飼料(↓これだけ有料。ふりかけ程度なのでほとんど減らない)
もっと安いやつもあるが餌の質が落ちる。
配合飼料に関してはあげなくてもよさそうだが、一応満遍なく栄養が摂れるバランスになっているので、少しだけあげている。
餌代は自前で用意できればほぼ無料だが、用意できないとなると配合飼料を買わざるを得なくなる。安くて量の多い物もあるので、5羽なら月に2000円くらいなのかと思う。
一応、ここまでが最低限必要な物。
鶏のひよこ代7000円、小屋代30000円、餌入れ水入れ3000円、産卵箱1000円、餌代月に2000円、として、最低限の初期費用としては40000円程度あれば飼い始めることができる。小屋を割と十分な設備の物で想定しているので、実際はもっと安い可能性。
どれくらいで元が取れる?
平飼い+新鮮な卵の相場は、一個80〜100円。餌にこだわっているところだともっと高いが、だいたい400〜500個で元が取れる。
5羽飼って産卵率が8割だとすると毎日4つ産むので、ひよこが卵を産む成鶏になるまで半年かかり、それから100日〜125日で初期費用を回収できる計算。
また次の世代となるひよこを追加する時には、小屋や設備費用はかからないので、さらに安く済む。
今後も物価高は続くと予想されるので、卵を自給自足できる価値はどんどん上がっていく。
ここまで読んでみて「思っていたより現実的に飼えそう」と感じた人は、実際に鶏を飼うハードルの半分はすでに超えている。
あとは、小屋の作り方や育て方など、「失敗しやすいポイント」を押さえられるかどうかだけになる。
その具体的な部分を、有料パートでまとめているので、鶏のいる暮らしをしたい方はぜひこの先にお進みください。
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