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エンタメ業界・エンタメビジネスにおける「IP」とは何か?

「IP」。
今、もっとも使われているビジネス用語のひとつだと思う。「IP戦略」「IPビジネス」「IP軸経営」。ニュースを開けば毎日のように目に入る。

世界のメディアフランチャイズのTOP10のうち5つは日本発

ポケモンの累計経済規模は約21兆円で世界1位。バンダイナムコはドラゴンボール、ガンダム、ワンピースの3本がそれぞれ年間1,000億円を超えた。ちいかわはたった4年で経済効果3,800億円。サンリオの営業利益率は35.8%、ROEは48.6%という異次元の数字を叩き出している。

https://gamebiz.jp/news/373139

「IPが大事」なのは、もう誰でもわかっている。

でもね、「IPって何?」と聞かれると、人によって答えがバラバラなんですよね。

法務部に聞けば「知的財産権のことです」と返ってくる。事業部に聞けば「うちのキャラクターです」と言う。経営企画に聞けば「ライセンスで稼げる資産です」と言う。

全部正しい。でも、全部ずれている。

今日は、IPプロデューサーとして、「IPの本当の定義」を整理してみたい。

法律が教えてくれるIPの定義

まず、教科書的な話から入る。

IP(Intellectual Property)の直訳は「知的財産」。知的財産基本法では、「人間の創造的活動によって生み出されたもの」と定義されている。

保護される権利は主に4つ。

  • 著作権:小説、漫画、音楽、映画などの「表現」を保護する。創作と同時に発生。

  • 商標権:ブランド名やロゴを保護する。特許庁への登録が必要。

  • 特許権:新しい技術やアイデアを保護する。審査が厳しいが、独占権が強い。

  • 意匠権:デザインを保護する。

法律の定義は正しい。

でもね、この定義に従うと、ちょっと困ることがある。

たとえば製薬会社。ファイザーは膨大な特許を持っている。法律上、彼らは立派なIPホルダーだ。

「じゃあファイザーはIPビジネスの会社ですか?」

......違和感がありますよね。

法律の定義は「権利を守る」ための定義であって、「IPを育てる」ための定義ではない。ここが、混乱の出発点なんです。

業界で飛び交う「IP」の正体

では、ビジネスの現場で「IP」は何を指しているのか。

わたしの経験上、「IP」と呼ばれているものは3つの層に分かれる。

第1層:作品・キャラクター ポケモン、鬼滅の刃、マリオ、ハローキティ。もっとも狭い意味でのIP。具体的な作品やキャラクターそのもの。

第2層:ブランド・世界観 ディズニー、サンリオ、マーベル。個別の作品を超えた「世界観」や「ブランド」としてのIP。マーベルなら、スパイダーマンもアイアンマンもアベンジャーズも、MCUという巨大な世界観のもとにつながっている。

第3層:人・概念 Ado、YOASOBI、VTuber。楽曲やコンテンツではなく、「存在そのもの」がIPになっている。ホロライブのカバー社はYouTube総登録8,100万超。配信者の「存在」がIPとして機能している。

この3層を区別せずに「IP」と呼ぶから、業界内でも会話がかみ合わないんですよね。

「うちもIPを作りたい」と言う経営者がいたとして、その人が第1層を指しているのか、第2層を指しているのか、第3層を指しているのか。聞いてみると、本人もわかっていないことが多い。

わたしがたどり着いた、たった1つの判定基準

たくさんの案件に関わって、「これはIPになる」「これはIPにはならない」を見続けてきた。

ヒットしたのに消えたものがある。地味だったのに10年後も愛されているものがある。

その違いを、ずっと考えていた。

正直、何年もかかった。

で、最終的にたどり着いた定義がある。シンプルすぎるかもしれないけど、これ以上削れないところまで削った結果だ。それは、

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