何度注意してもなくならなかった材料管理ミスを、仕組みで止めた。|ChatGPT×Googleスプレッドシートで作るQR入出庫アプリ【作り方・失敗談・プロンプト10選】
製造現場で、こんな経験はないでしょうか。
「また記入されていない」
「古い材料が残っているのに、新しい材料から使われている」
「台帳上の在庫と、実際の在庫が合わない」
そのたびに、
「次から気をつけてください」
と注意する。
私も長い間、そうしていました。
でも、しばらくするとまた同じことが起こります。
最初は、
「ちゃんと確認すれば防げるのに…」
と思っていました。
ところが何度も同じことが繰り返されるうちに、考え方が変わりました。
「人に注意し続けるより、ミスが起きにくい仕組みに変えた方がいいのではないか?」
そこで相談したのがChatGPTでした。
私はプログラマーではありません。
最初からHTMLやGoogle Apps Scriptを理解していたわけでもありません。
むしろ、最初は、
「GASって何?」
というところから始めています。
それでも、
・Googleスプレッドシート
・Google Apps Script(GAS)
・HTML
・ChatGPT
を組み合わせて、材料の入庫・出庫・在庫・QR管理を行うアプリを形にすることができました。
もちろん、一発で完成したわけではありません。
むしろ失敗の連続です。
・保存が遅い
・QRがうまく読み取れない
・違うものを読み取る
・現場から「どこを押せばいいか分からない」と言われる
・ラベル印刷がズレる
・シールを無駄にする
・管理者と作業員の権限設計で悩む
そのたびにChatGPTへ状況を説明し、修正してきました。
この記事では、完成したアプリを紹介するだけではありません。
「何を考えて、どう作り、どこで失敗して、どう改善していったのか」
までまとめます。
完成コードをそのまま配布する記事ではなく、
「自分の現場に合った仕組みを、ChatGPTと一緒に作っていく方法」
を中心に書いています。
プログラミング初心者の方でも分かるように、できるだけ専門用語を使わず説明していきます。
この記事はこんな方におすすめです
・製造現場で材料・在庫・金型・備品などを管理している
・紙やExcel中心の管理に限界を感じている
・記入漏れや先入先出ミスに困っている
・ChatGPTを仕事で使ってみたい
・プログラミング経験がほとんどない
・大きな予算をかけずに業務改善したい
・Googleスプレッドシートをもっと活用したい
・自分の現場専用アプリを作ってみたい
逆に、
「完成コードをコピーして、そのまま自社へ導入したい」
という方には向かないかもしれません。
会社ごとに、
・材料の管理方法
・保存する項目
・作業手順
・権限
・セキュリティルール
が違うからです。
この記事の目的は、
「完成したシステムを渡すこと」
ではなく、
「自分の現場に合った仕組みを作るための考え方と進め方を知ること」
です。
この記事で分かること
この記事では、次の内容を解説します。
・なぜ注意だけではミスがなくならなかったのか
・材料入出庫アプリの基本構成
・Googleスプレッドシート・GAS・HTMLの役割
・初心者でも迷いにくい開発手順
・QR管理を入れるときの考え方
・先入先出を仕組みで管理する考え方
・作業員と管理者の権限分け
・セキュリティで注意したこと
・実際に発生した失敗と改善方法
・ChatGPTへの具体的な指示方法
・そのまま使えるプロンプト10選
・材料管理以外への応用方法
・導入前のチェックポイント
記事後半には、
「自分の場合はどうChatGPTに頼めばいいのか分からない」
という方向けに、コピペして使えるプロンプトも用意しました。
1.なぜ「人への注意」をやめたのか
材料管理では、似たようなミスが繰り返し起きていました。
例えば、
・先入先出が守られない
・材料管理台帳への記入が抜ける
・実際の材料残量と台帳の数字が合わない
・材料の場所が分からなくなる
原因を確認すると、
「忙しかった」
「忘れていた」
「確認していなかった」
「終わっていると思った」
という回答が返ってきます。
もちろん、本人への教育や注意が不要という意味ではありません。
ただ、
「注意したから、もう二度と起こらない」
わけでもありません。
人は忘れます。
忙しければ確認が抜けます。
思い込みもあります。
そこで私は、
「忘れない人を作るより、忘れてもミスになりにくい仕組みを作った方がいい」
と考えるようになりました。
ここが今回の出発点です。
ChatGPTへ最初に相談した内容も、それほど難しいものではありません。
「材料管理で先入先出が守られません。記入漏れもあります。人への注意だけではなく、仕組みで防ぐ方法はありませんか?」
という程度でした。
そこから、
・材料を識別する
・入庫を記録する
・出庫を記録する
・在庫を確認する
・古い材料が分かるようにする
・履歴を残す
という方向へ話が進んでいきました。
この時点では、まさか自分で業務アプリを作ることになるとは思っていませんでした。
2.今回作った材料入出庫アプリ
今回作ったものを一言で表すと、
「材料の入庫・出庫・現在在庫を記録する現場用アプリ」
です。
基本的な仕組みはシンプルです。
【入庫】
材料を確認する
↓
材料情報を入力する
↓
QRなどで識別する
↓
入庫を登録する
↓
スプレッドシートへ保存する
↓
在庫へ反映する
【出庫】
QRを読み取る
↓
対象材料を表示する
↓
材料・ロットを確認する
↓
出庫を確定する
↓
在庫数を更新する
↓
履歴を残す
主な機能は次のようなものです。
・材料マスター
・入庫記録
・出庫記録
・QRコード読み取り
・在庫確認
・先入先出確認
・操作履歴
・作業員管理
・管理者機能
最初から全部を作ったわけではありません。
むしろ、最初は小さく始めました。
まず保存できる。
次に表示できる。
その次にQRを付ける。
さらに先入先出を追加する。
というように、一つずつ機能を増やしています。
この進め方は、初心者ほど大切だと思います。
一度に全部作ろうとすると、エラーが起きたときに何が原因なのか分からなくなるからです。
3.最初に知っておきたい4つの役割
今回の仕組みでは、大きく4つのものを使います。
難しく考える必要はありません。
それぞれの役割だけ理解すれば十分です。
① Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、
「アプリのデータを保存する場所」
として使います。
例えば、材料1件について、
材料番号
M001
材料名
材料A
ロット
LOT001
入庫日
8月1日
数量
25kg
状態
在庫
という情報を保存します。
別のロットが入庫したら、
材料番号
M001
材料名
材料A
ロット
LOT002
入庫日
8月5日
数量
25kg
状態
在庫
というように、別のデータとして追加します。
初心者のうちは、
「Googleスプレッドシート=アプリで使うデータを保存しておく場所」
くらいの理解で問題ありません。
最初から項目を増やしすぎないことも重要です。
まずは、
・材料番号
・ロット
・数量
・入庫日
など、必要最低限から始めるのがおすすめです。
後から追加できます。
② Google Apps Script(GAS)
私は最初、
「GASって何?」
という状態でした。
かなり簡単に説明すると、
「HTML画面とGoogleスプレッドシートの間で処理をしてくれるもの」
と考えると分かりやすいと思います。
例えば、
作業者が「入庫」ボタンを押す
↓
GASが情報を受け取る
↓
Googleスプレッドシートへ保存する
という流れです。
③ HTML
HTMLは、作業員が実際に見る画面です。
例えば、
「入庫」
「出庫」
「在庫確認」
といったボタンを表示します。
現場の作業員がGASコードを直接操作するわけではありません。
基本的には、このHTML画面を使います。
だからこそ、
「作った本人には分かる」
ではなく、
「初めて触った人でも分かる」
画面にすることが重要です。
④ ChatGPT
ChatGPTには、コードを書いてもらうだけではなく、さまざまな場面で相談しました。
例えば、
・仕様整理
・画面構成
・GAS作成
・HTML作成
・エラー分析
・QR処理
・UI改善
・通信高速化
・権限設計
・セキュリティ確認
などです。
私の場合、
「ChatGPT=コードを自動で作る道具」
というより、
「いつでも相談できる開発パートナー」
として使っている感覚に近いです。
ここから先について
ここまでで、
「何を作ったのか」
「何を使ったのか」
はおおよそ分かっていただけたと思います。
ここから先は、
・作り始める前に決めること
・Googleスプレッドシートの準備
・GASとHTMLの進め方
・QR確認画面
・先入先出
・権限分け
・セキュリティ
・実際に失敗したこと
・ChatGPTへの頼み方
・コピペ用プロンプト10選
・導入前チェックリスト
まで、より具体的に説明していきます。
「自分でも一度作ってみたい」
という方は、この先を上から順に進めてみてください。
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