歯科医師の米国留学ビザ完全ガイド|J-1・F-1・H-1Bの違いを解説
こんにちは。なとりです。
今回は歯科医師が海外で働くためのルートについて書いていきます。一口に海外留学といっても目的によってルートが大きく異なります。自分の経験も踏まえながらまとめてみます。
留学に関してこの記事を書くにあたり、参考にしたサイトも添付します。
チームWADA
このサイトは主に医師の留学をサポートする情報が網羅されており、すでに海外で活躍されている医師のインタビューもとても興味深いです。歯科医師の方もマッチングに関しては共通項が多々ありますので参考にしてみても良いと思います。
①研究留学(J-1ビザ)
大学間の協定を利用した研究留学です。ポスドクという扱いで研究に従事します。必要なビザはJ-1ビザで、大学や研究機関がスポンサーとなるケースが一般的です。
歯学部を卒業後、大学院に進学された先生はこのルートで留学を実現される方は多いと思います。
ただしこのルートは研究がメインとなるため、臨床手技を積む機会は限られます。臨床留学を目指している方には物足りない可能性があります。
②臨床留学ルート(F-1→OPT→H-1B)
臨床経験を積みたい方はこちらのルートになります。
まずレジデンシープログラムにマッチングしF-1ビザで入学します。プログラム修了後はOPT(Optional Practical Training)という制度を利用し、1年間診療所での勤務が認められます。その後H-1Bビザ(労働ビザ)に切り替えることで継続して米国で勤務することが可能になります。
H-1Bビザの落とし穴と回避策
ただしH-1Bビザには注意が必要です。このビザは抽選制度を採用しており、毎年採択される人数が決まっています。つまり運次第で取得できない可能性があるということです。
これを回避する方法として、大学病院の教員として採用されるルートがあります。大学のポジションであれば抽選なしでH-1Bビザを発行してもらえます。さらに大学と民間クリニックの掛け持ち勤務をする場合、大学側の抽選免除ステータスを民間クリニック側にも適用できる制度もあります。ただし大学の予算の兼ね合いで必ずしも教員として残してもらえるわけではないため、事前に戦略的に動いておく必要があります。
③アドバンストスタンディングプログラム(米国DDS/DMD取得ルート)
もう一つのルートとして、アドバンストスタンディングプログラムがあります。呼称は大学によって異なりますが、要は外国人歯科医師が米国の歯学部に編入しDDS(またはDMD)を取得するというものです。いわばもう一度歯学部で学び直すルートです。
このプログラムを提供している大学は全米に多数あり、UCSF・UCLA・USC・コロラド大学・ハーバード大学・NYU・コロンビア大学・ノースカロライナ大学などが代表的です。出願はADEA CAAPIDというシステムを通じて行います。
このルートのメリットは米国のDDSを正式に取得できるため、その後の就職や専門医取得において最も選択肢が広がる点です。ただし2〜3年間フルタイムで学び直す必要があり、学費も相当な額になりますので、時間と費用の面での覚悟が必要です。
④医師と歯科医師のレジデンシーの違い
医師のレジデンシーは「労働」として扱われるため、H-1Bビザが適用されるケースが多く、給与やスティペンドが支給されます。
一方、歯科医師の専門医レジデンシープログラムはほとんどの場合、給与が支給されないどころか、授業料を納付する必要があります。つまりDDSを取得した後に専門医課程へ進む歯科医師は、多額の借金を負った状態で社会に出ることになります。
ただし専門によっては卒後の収入が相当高いため、借金を返済できるだけのポテンシャルは十分にあります。米国の歯科専門医、特にEndodontistやOral Surgeonの年収は日本と比較にならないほど高い水準にあります。留学を検討される際はこのあたりの経済的な側面も事前に調べておくことをお勧めします。
グリーンカードについて
最終的に米国への永住を目指す場合はグリーンカード(永住権)の取得が目標となります。歯科医師の場合はEB-2やEB-2 NIW(国家利益免除)が主なルートとなりますが、グリーンカード以降の永住権取得プロセスについては情報が不十分なため今回は割愛します。詳細は移民専門の弁護士にご相談されることをお勧めします。
まとめ

私自身の展望
最後に私自身のことを少し書かせてください。
Endodonticsのレジデンシーに入学するためには、外国人は米国での臨床経験が重視されます。そのためまずはレジデントと行動を共にしながら論文執筆や臨床を学ぶ1年間のプログラムに入学しました。今後はレジデンシーに進み専門医を取得し、米国で一定期間臨床を積むことが現時点での目標です。
ただし、政治的・経済的環境によって状況は当然変化します。日本に帰国して開業する可能性も十二分にあると思っています。人生は思った通りにはいかないもの。その不確実性を楽しむのも醍醐味かなと考え、楽しく生きていくことにします笑
では。
