世界遺産の森を駆け抜けて、キュランダ鉄道の旅
朝、ホテル前まで迎えに来てくれたツアーバスに乗り込んだ。
まだ目が覚めきらない頭のまま、窓の外をぼんやり眺めていたら、だんだんと緑が濃くなっていく。
向かっているのは、世界遺産の熱帯雨林に囲まれた「キュランダ村」。
まずはそこへ続くスカイレール、ロープウェイの乗り場へ向かった。
ケアンズ市内から車で約20分。
そこからは、約60〜90分かけて、森の上空をのんびりと滑っていく空の旅が始まる。
一歩、ゴンドラに乗り込んだ瞬間から、もう別世界だった。
どこまでも広がる濃い緑。時おり視界に入る滝や渓谷。
音もない空中にただ浮かんでいるような感覚は、ちょっと不思議で、ちょっと感動的で。
「どれが世界遺産なんやろ…?」
そんなことを考えていたけれど、実はこの森まるごとが世界遺産だと知って、なんだかすごく納得した。
見渡す限り、ずっと昔から変わらずそこにあるような風景。
「ああ、これはもう、旅の本番が始まってる」
そんな気持ちでいっぱいになった。




キュランダ村の散歩
スカイレールを降りると、そこは緑に包まれた静かな村だった。
空気がしっとりとしていて、少しひんやり。さっきまで空の上にいたのが不思議なくらい、今度は森の中にすっぽりと入り込んだ感覚になる。
まず目に飛び込んでくるのは、小さなマーケットの並ぶ通り。
地元のアーティストが作った雑貨やアクセサリー、スピリチュアルなお店などが軒を連ねていて、見て回るだけでもちょっと楽しい。
目の前には、観光客もローカルも、のんびりくつろいでいる姿。
みんな時間の流れがゆっくりになっているようで、こっちまで肩の力が抜けていく。
観光名所ではあるけれど、村の散策にかかる時間は1時間ほど。
どこかこれから始まる本命の鉄道旅のための、ちょっとした休憩所のような、そんな印象だった。


そして、キュランダ鉄道へ
いよいよ、帰りはキュランダ鉄道に乗ってケアンズへ戻る。
レトロなデザインの列車に乗り込んで、窓際のソファに腰を下ろした瞬間、ふとよぎったのは——
「これ、“世界の車窓から”で見た景色やん…!」
テレビ越しにしか知らなかった、あの緑のトンネル、切り立った渓谷、カーブの先に続く線路。
まさか自分が、その中を実際に走る日が来るとは思ってもみなかった。
スカイレールで空を飛び、キュランダ村を歩き回ったあとの疲れもあって、心地よい風に吹かれながら、いつの間にかうとうとしていた。
それもそのはず。この列車、シートがまたちょうどいい柔らかさで、揺れもやさしい。まるで誰かに「おつかれ」と言われているみたいに、体がふわっとゆるんでいく。
外の景色を眺めてはまぶたが落ち、ハッと起きてまた眺めて、の繰り返し。
でも、それすらもこの旅の一部のような気がした。
ありがたいことに、列車は見どころのポイントごとにしっかりと停車してくれて、アナウンスで教えてくれる。
おかげで大事な景色は見逃さずにすんだし、寝ぼけた頭にもちゃんと「今ここにいる」という実感が戻ってくる。






世界遺産の森を駆け抜けて(まとめ)
こうして、空と森と列車の旅は終わりを迎えました。
ケアンズの駅に着く頃には、夕方のやわらかい光が差し込んでいて、なんだか少しだけ現実に引き戻されたような、そんな寂しさもありました。
けれど、ほんの半日ほどの旅だったのに、見た景色、感じた空気、ゴンドラの静けさや列車の揺れ——
どれもが濃くて、時間以上にたくさんのものを受け取った気がします。
きっとまた、「世界の車窓から」でこの景色を見ることがあっても、
今度は「ああ、ここ、自分も行ったな」って、誰かに自慢できる日が来るといいなと思います。笑
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「海外で治療家やってみたら、想像の10倍むずかしくて100倍面白かった話。」
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