採用面接は“センス”ではなく“設計”だと思う。面接で見るべきことと枠の考え方
今日は、採用シリーズの続きとして、
いよいよ採用選考そのものについて書いてみたいと思います。
ここまで、
* そもそも採用は必要なのか
* どんな人を採りたいのか
* その人をどう集めるのか
という話をしてきました。
そしてその次に来るのが、
実際にどう選ぶか
という話です。
理想を言えば、
一人集めて、その一人がぴったりで、そのまま採用できれば一番効率がいい。
でも、当然そんなにうまくはいきません。
だから現実には、
ある程度候補者を集めて、
その中から自社に合う人を見極めていく。
このプロセスになります。
ただ、ここで大事なのは、
採用選考って単に「会って判断する」ことではなく、
どれだけの人数を、どの順番で、どの基準で見るかまで含めて設計するもの
だということです。
まず、面接には“枠”の限界がある
採用って、つい「いい人がいれば採る」と考えがちなんですが、
実際には面接できる人数には限界があります。
面接官の時間も必要ですし、
会場や日程の調整も必要です。
オンラインであっても、結局は人の工数を使います。
だから、
どこで何人見るのか
を決めないと、採用は回りません。
一般的には、
書類選考
↓
一次面接
↓
二次面接
↓
最終面接
という流れが多いと思います。
この各段階で、
何を見て、どれくらい絞るのか。
それを考えるのが、選考設計の基本です。
書類選考で見ること
まず書類選考です。
ここでは、候補者のすべてを見極めることはできません。
でも、最低限の条件確認や、ある程度の傾向を見ることはできます。
たとえば、
* 学歴
* 職歴
* 勤務地との整合
* 必要資格の有無
* 転職回数やキャリアの流れ
といったところです。
学歴は、それだけで能力を決めつけるべきではないですが、
一定の基礎力や、組織の中での処遇ルールとの整合を見る材料にはなります。
また、SPIやGABのような適性検査をこの段階で使うこともあります。
特に、処理能力や基礎的な論理力を見たい場合は、一定の意味があると思います。
つまり書類選考は、
「この人に会う価値があるか」を判断する入口
なんですよね。
面接は“過去”を深掘る場
その後、対面あるいはオンラインで面接に入っていきます。
ここで重要なのは、
未来の意気込みだけを聞いてもあまり意味がない
ということです。
もちろん、志望動機やこれからやりたいことを聞くのは大事です。
でも、それだけだと人はいくらでも良いことが言えてしまう。
だから面接で本当に大事なのは、
過去の行動を深掘ること
だと思っています。
いわゆる、ビヘイビア面接とか、エピソード面接ですね。
* 過去にどんな課題があったか
* その時どう考えたか
* 実際にどう動いたか
* 周囲にどう働きかけたか
* 結果どうなったか
これを掘っていくと、
その人の行動特性や判断の癖がかなり見えてきます。
未来の抱負より、
過去に実際どう振る舞ったかのほうが、
その人の再現性を見やすいんですよね。
Amazonの構造化面接はかなり参考になる
採用の仕組みとして、かなり完成度が高いなと思うのが、
Amazonの構造化面接です。
Amazonには、リーダーシップ・プリンシプルという行動原則があります。
そして面接では、
「どの面接で、どのプリンシプルを見るか」
がある程度分かれている。
つまり、
一次面接ではこの観点、
二次面接ではこの観点、
というふうに、評価項目が構造化されているわけです。
これの良いところは、
面接官の気分で評価がぶれにくいこと
です。
採用って、どうしても主観が入りやすい。
でも、見るべきポイントを整理しておけば、
少なくとも「何を基準に見たのか」は明確になります。
これはどの会社でもかなり参考になる考え方だと思います。
ストレス耐性やネガティブ要素も見る必要がある
採用では、ポジティブ要素だけではなく、
ネガティブ要素の確認も必要です。
たとえば、
* ストレス耐性はどうか
* 神経質すぎないか
* プレッシャーに過剰に弱くないか
* 職種との相性に無理がないか
といったことです。
もちろん、緊張しているだけで判断してはいけません。
でも、あまりにも不安定さが強く見える場合は、
その職種や環境で本人がしんどくなってしまう可能性もあります。
採用は会社のためだけではなく、
本人にとっても不幸を避ける必要があるので、
この視点はかなり大事です。
最終面接は“落とす場”というより“確かめる場”
個人的には、最終面接まで来たら、
かなり見極めは終わっている状態が望ましいと思っています。
最終面接でいきなり大きくふるいにかけるというより、
どちらかというと、
* 最終的なカルチャーフィットの確認
* 決裁者の納得
* 候補者の志望度を上げる
* 入社意思を固めてもらう
という役割が強いほうがいいと思います。
つまり最終面接は、
落とす場というより、相互確認と動機づけの場
に近い。
ここまで来ている時点で、
能力や適性はかなり見えているはずなので、
最後は「この人と本当に一緒に働くか」を確かめる場にしたほうが自然です。
面接は“合格率”と“辞退率”から逆算して設計する
採用で実務的に大事なのは、
面接そのものだけではありません。
何人通して、何人受かって、何人入社するか
を逆算することも必要です。
たとえば、最終面接の合格率が2人に1人だとします。
1日で面接できる人数が、午前6人、午後8人で、最大14人だとします。
すると、最終面接で14人見た場合、
理論上は7人が合格する計算になります。
でも、7人全員が入社するわけではありません。
ここに辞退率が入ってきます。
仮に半分辞退するとしたら、
実際に入社するのは3〜4人程度になります。
そうすると、
「何人採りたいか」から逆算して、
最終面接に何人進めるべきかが決まる。
さらにその前段階の二次面接では、
その人数を出せるだけの通過率を設計する必要がある。
さらに一次面接。
さらに書類選考。
こうやって、
合格率と辞退率を見ながら、各選考の枠を逆算する
のが、採用設計ではかなり重要です。
採用って感覚的にやると、
途中で面接枠が足りなくなったり、
逆に通しすぎて現場が回らなくなったりするので、
結局ここもかなり“設計”なんですよね。
採用面接は、会って決めることではなく、仕組みを作ること
ここまで書いてきて思うのは、
採用面接って、単に人に会って「いい・悪い」を判断することではない、ということです。
* 何を基準に見るのか
* どの面接で何を確認するのか
* どう質問するのか
* どれくらいの通過率にするのか
* 辞退率をどう見込むのか
そこまで含めて、
採用は仕組みなんだと思います。
面接官のセンスだけに頼る採用は、
やっぱりどこかでぶれます。
だからこそ、
ある程度構造化し、設計し、
再現性を持たせることが大事なんだと思います。
今日は、採用シリーズの4回目として、
面接の見方と、選考設計の考え方
について書いてみました。
次回は、
内定を出した後にどう辞退を防ぐか、どう口説くか
みたいな話もできたら面白いかもしれません。
みなさんは、
面接で一番見られるべきなのは「スキル」「性格」「過去の行動」のどれだと思いますか?
