鉄道一つ話④:駅メロとホームドア
1. 駅メロ
JR各社や私鉄各線で電車の到着時または発着時、その駅に所縁のある固有の駅メロを流しているのは周知のとおり。勿論、マジョリティは標準的なメロディまた発車音・到着音を流す駅である。
JR東日本が駅ごとの発車メロディを統一すべく「IKSTシリーズ」へ段階的に移行しているからである。山手線の駅でこれを書いている時点で自分が認識している純粋に固有の駅メロがあるのは以下のとおり(神田駅はあまり使用しないので聞いた記憶がない)。
○高田馬場:鉄腕アトムのテーマソング
○恵比寿:英国映画「第3の男」の「ハリー・ライムのテーマ」
○池袋:ビックカメラのCMソング
○神田:モンダミンのCMソング
注:「純粋に」と書いたのはその駅だけの駅メロがあっても固有と言えないものがあるから。
高田馬場が「鉄腕アトム」であるのは、手塚プロダクションがあったからというのは多くの人が知っているであろう。恵比寿が英国映画「第3の男」であるのも同様だと思う(サッポロ「ヱビスビール」の工場が恵比寿にあり、ヱビスビールがCMソングとして「第3の男」の音楽を長く使っていることに由来)。
一方、ビックカメラの本拠地が池袋であることは首都圏の人なら知っているとして、同社CMソングを流すことに違和感を持っていた。同じような人も少なくないのではないかと思う(ヱビスビールの場合はあくまで映画音楽である)。寧ろ、新宿駅にヨドバシカメラのCMソングの方が合っている気もしていた(CMの中に山手線、中央線が出てくることだし)。
しかし、神田駅がモンダミンになった経緯を知り、ビックカメラが広告費を出しているということだと納得した。神田駅については、モンダミンを製造しているアース製薬の本社があり、同社が2025年=今年、100周年を迎えるにあたりJR東日本と交渉して5年間の長期企業広告契約をしているらしい。因みにビックカメラの契約終了時期は未定の模様。また、恵比寿は広告ではないので念のため。
一方、筆者が主に使っている京王線で駅メロが耳に馴染みとなっているのは以下のみ。
○調布・・NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」の主題歌、いきものがかり「ありが
とう」
○府中・・「ぶんぶんぶん」
○聖蹟桜ヶ丘・・「カントリーロード」:ジブリ「耳をすませば」の挿入歌

調布市と言えば「水木しげるの街」なので調布駅は分かり易い。また、聖蹟桜ヶ丘は「耳をすませば」の聖地と言われるので同様。府中の「ぶんぶん蜂が飛ぶ・・」はボヘミア民謡に府中氏出身の詩人・村野四郎が訳詞したことによる。但し、この電車接近の駅メロは「下り」のものであり、「上り」には別の駅メロがあるのだが全く記憶に残っていない。府中は下りでしか殆ど利用していないからだと思う。他の路線で駅メロが自分の耳に馴染んでいるのは東京メトロの「銀座カンカン娘」「銀座の恋の物語」「お江戸日本橋」くらいだろうか。「お江戸日本橋」はさておき、昭和な(昭和の)歌謡曲を知っている人は何れなくだろうから、何時までなのかなという気がする。
これ以外の馴染みのあるのは中央線三鷹駅の「メダカの学校」。これは著名な作曲家の中田喜直氏が三鷹で作曲活動をしていたことに因る。
蛇足①:車内メロ
駅メロとは異なるが、嘗てJRの特急は到着時のアナウンス時、「鉄道唱歌」を標準メロディとして流していた(今でも残っている?のかもしれない)。
他に有名な着メロは新幹線の「いい日旅立ち」だと思う。
新宿京王百貨店の新年名物・駅弁大会(正式名「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」)の音楽は未だに鉄道唱歌である。元祖と謳ってはいるが「駅弁大会」の元祖は熊本の鶴屋百貨店で2年先行。
ついでながら、嘗て駅弁大会の人気は1位:熊本三角駅の鯛の姿寿司、2位:
群馬横川駅の峠の釜めし、3位:北海道森駅のいかめし、が定位置だったと記憶。しかし、新幹線整備や過疎などで、これら3駅かかわらず実際に駅弁を売っている駅は殆どない。東京駅で各地の駅弁が売っているが・・。
蛇足②:スポーツ施設の命名権
広告扱いの駅メロとスキームが異なるが、最近、競技場や体育館などに企業名を冠するようになった。命名権である。自宅の直ぐそばの市の総合体育館も「野村不動産アリーナ」に何時の間にか変わっていた。各種の室内競技の全日本選手権でよく使われている調布の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」も「京王アリーナTokyo」に変わった。
以下は命名権施設の一覧~ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%91%BD%E5%90%8D%E6%A8%A9%E5%B0%8E%E5%85%A5%E6%96%BD%E8%A8%AD%E4%B8%80%E8%A6%A7
命名権による名称変更はあまり気にしていなかったが、国立競技場が2026年1月から「MUFGスタジアム」になるのだけは違和感がある。これは、国立競技場が2025年4月から民営化されたことにより三菱UFJフィナンシャル・グループが年間20億程度・契約期間5年で命名権取得したもの。日テレ主催の高校サッカー大会など「国立」を売りにし、選手も「国立に行く」ことが目標だったはず。公共施設に企業名を付けることには反対運動があるなど、命名権には各種問題点・課題も指摘されている。公共放送のNHKもスポーツ中継で競技場をいう際、企業名を言いたくないと思う。最も、今や国立大学の施設にさえ命名権を募集する時代になっている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250111-OYT1T50050/
2. ホームドア(類)の色々
自分が使っている京王線を始め、中央線など頻繁に電車に遅延が発生する。要因は、架線障害、車両異常、踏切障害・事故、停電、人身事故、乗客救護など様々である。筆者のように自立神経が弱い人間は長時間電車に綴じ込まれた場合、気分を悪くするか便意を催すかが気になり生きた心地がしない。幸い、長時間閉じ込められた経験はない。
要因はいわば不可抗力の事態が多いけれど、人身事故はホームドアでかなり防げるだろうと思う。最近は物騒な事件も多いので、ホームドアのない駅で線路側近くに立つと後ろから突き落とされるかもという不安を感じ用心している。また、酔っ払って、或いは、気を失って線路に落ちる人もいるはずである‘。早々に全駅にホームドアを完備することが望ましいが思ったほど進んでいない。取付けに要する時間は運転終了後夜間の数時間で可能であるような映像を観たので、スケジュール調整マターではなく費用がかかるからなのだろうか。
<国交省のホームドア設置状況資料:2023年度時点>https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001471193.pdf
都営地下鉄は全ての駅へのホームドア設置が既に完了している。東京メトロも整備が進んでいるようだ。
<東京メトロ・ホームドア未設置状況>
因みに、使っている京王線は遅れている。
<京王線ホームドア整備スケジュール>
https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2024/pdf/nr20250116_seibi.pdf
ところで、自身は少なくとも首都圏ではホームドア方式しか見たことがない一方、先日、滋賀・京都・奈良に行った際、JR西日本の路線の駅でドア式ではなく昇降ロープ式のものがあることを初めて知った。ロープが横に張ってあり、乗客が乗降する際引っ張り上げる方式である。

調べたところ、関西の私鉄や首都圏の私鉄等で同様に導入されていることが分った。知識不足を痛感した。国交省のWeBサイトを見ると多様な形式がある。
<国交省:新たなタイプのホームドアの技術開発>
オマケ①:尾籠な話で恐縮ですが「駅便」
通勤電車にトイレがないのが普通である(中央線やローカルのJR線はついているものがある)。朝の通勤では便意(大の方です)を催す人が多く、駅のトイレが待ち行列ができるのをご存じの方も多いだろう。嘗ての上司でお腹が弱い方がいて、通勤途上にある全てのトイレを使ったと自慢?していた。正に「駅便」男と言えた。冒頭の京王百貨店の駅弁大会で台湾の駅弁が出ていた際、漢字は「駅便」になっていたので買う気が起こらなかった。本当は「鐵路便當」(つまり鉄道弁当)というのが正しいと思われる。駅弁に合わせると駅便になるのだろう。台湾に駅弁があるのは日本統治時代の名残。
オマケ②:九州の嘗ての寝台特急と新幹線
嘗て九州と東京を結んだ寝台特急と九州新幹線の関係は以下のとおり。
①博多発着・・あさかぜ(個室寝台ある希有な寝台特急):今は消滅
②熊本発着・・みずほ:九州新幹線で復活
③長崎発着・・さくら:九州新幹線で復活
④西鹿児島発着・・はやぶさ:何故か今は東北新幹線
九州新幹線には他に「つばめ」がある。嘗ての東海道線で東京~大阪を結ぶ花形特急。NPBの東京ヤクルトスワローズのルーツは国鉄スワローズである
よう国鉄(現JR各社)の代表特急であった。話は変わるが鳥類のハヤブサは
猛禽類でタカやトビに近いと思われていたが、DNA分析でインコやスズメに近いことが分っている。
