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#131 能力は、気づくものではなく身につけるもの

「自分には才能がない。」

そう思ったことはありませんか。
でも、本当にそうなのでしょうか。

最近、そんなことを考えさせられる出来事が続きました。
ある日、5人ほどで集まり、それぞれ宿題を持ち寄る場がありました。
ところが数人は、「分からなかったから」と何も準備をしてきませんでした。
私は思わず言いました。
「分からないなら、なぜ先に相談しない?」
「分からないなりの準備はできたはず。」
少し厳しく伝えたつもりです。
私の体格もありますから、それなりに迫力はあったと思います(笑)。

そして翌日。
「さすがに今日はやってくるだろう。」
そう思っていました。

ところが…
やってきませんでした。
あれだけ言われても、まったく気にしていない。
その姿を見て、逆に思いました。
「これはこれで、一つの能力なのかもしれない。」
図太さ。
普通なら気になってしまうことでも、まったく動じない。
もちろん仕事では困ることもあります。
でも、営業や経営者など、人の目を気にしすぎていては前へ進めない仕事もあります。
そう考えると、その図太さも一つの能力なのだと思いました。

一方で、こんな友人もいます。
接客業をしている友人です。
学生時代は、正直言ってあまり気が利くタイプではありませんでした。
ところが社会人になってからは別人です。
連絡は早い。
人の話をよく覚えている。
相手が欲しい情報を先回りして調べてくれる。
「なんでそんなに変わったの?」
そう聞くと返ってきた言葉が忘れられません。
「その道のプロだから。」
かっこいい一言でした。
気が利かなければ仕事にならない。
だから毎日意識して続けた。
その結果、気配りが能力になった。
本人はそう言っていました。

私は品質保証という仕事をしています。
品質保証で求められる能力は何でしょう。
製品知識でしょうか。
分析力でしょうか。
もちろん、それらも必要です。
でも私が一番大切だと思っているのは、「気づく力」です。
違和感に気づく。
昨日との違いに気づく。
相手の表情に気づく。
現場の小さな変化に気づく。
そして、その違和感を放置せず行動に移す。
品質保証では、問題が起きてから動くのでは遅いのです。
だから、わずかな変化に気づける人ほど、大きな問題を未然に防ぐことができます。

では、その能力は生まれつきでしょうか。
私は違うと思います。
毎日見て、毎日考えて、毎日振り返る。
その積み重ねでしか身につきません。
新人とベテランでは、同じものを見ても見えている景色が違います。
ベテランは「何かおかしい」と感じる。
新人にはまだ見えない。
それは才能の差ではなく、積み重ねた経験の差なのだと思います。

今回紹介した二人。
一人は、図太いという能力を持っていました。
もう一人は、気配りという能力を身につけていました。
正反対のようですが、共通していることがあります。
どちらも、自分の在り方を受け入れていることです。
図太い人は、人にどう思われるかを気にしない。
気配りができる人は、人に喜んでもらうことを当たり前に続けている。

能力とは、「できること」ではなく、「続けてきたこと」なのかもしれません。
だから私は、「自分には能力がない」という言葉は、あまり好きではありません。
まだ身についていないだけ。
まだ磨いている途中。
そう考えた方が、ずっと前向きになれます。
私自身も、品質保証の仕事を通して少しずつ身につけてきたことがあります。
レスポンスを早くすること。
改善を考え続けること。
違和感をそのままにしないこと。
どれも最初からできたわけではありません。
繰り返し意識し、失敗し、続けてきた結果です。

能力とは、気づくものではなく、身につけるもの。
そして、一生かけて磨き続けるもの。
そう考えると、「才能がない」という言葉は、まだ早いのかもしれません。

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