見出し画像

求めていないデザインFBと、任せることの意義

私のデザイン組織では、自分でデザインし自分でディレクションすることを推奨しています。自社カルチャーを軸に、責任と主体性を持ってデザイン業務に取り組んでいただきたいという想いが背景にあります。

一方でFB(フィードバック)も重要だと感じています。事業会社におけるデザインFBの在り方、そして業務自体を「任せること」について書き留めたいと思います。




そのフィードバックは求められているのか

デザインFBは、自分では気付きづらい視点や、他者の率直な意見を得ることができる重要なプロセスです。デザインの品質を向上させる手段の一つだと思います。

しかしながら、全てのメンバーに対して同じようにFBをすることが本当に正しいのでしょうか。そもそも、そのメンバーは現在FBを求めている状態なのでしょうか。

A:FBを求めているデザイナー
B:FBを求めていないデザイナー

AとBのデザイナーが存在します。Aに対するFBはメンバーの意志が介在していますが、Bに対するFBは「メンバーの意志を無視したFB」になってしまいます。人に伴走しているのか、デザインの品質向上をしたいのか。この差はとても大きいと思います。

「FBをする」ということが前提になっている場合、そこには「失敗できない状況」が生み出されています。

勿論「FBが必要なデザイン」にはFBをするべきでしょう。しかし「FBを求めていないデザイナー」の意思も考慮します。求めていない意見を伝えようとしても良い体験には繋がりません。今はそのタイミングではない、ということに尽きます。

デザインに限らず、求められていないFBや意見は、相手のモチベーションを下げてしまう可能性があるため注意が必要です。


任せ方を考える

メンバーに業務を任せたいと思っています。任せる際に大切にすべきことを考え書き出してみます。

1 どのような意義があるか説明する
任せる業務を完遂した際にどのような状態になるのか、周りにどのような影響を与えることができるのか。「それをやる意義」を説明します。

2 ともに悩み、伴走する
進捗を共有してもらいながら、次のステップとして何を実行すると良いか、一緒に考え悩みながら課題を分析します。

3 意欲と強みを考慮するアサイン
メンバーによって個性があり、デザインの強みや業務に対する意欲の度合いは異なります。そのプロジェクトに適したメンバーをアサインします。

4 業務量と進捗の共有
業務量と進捗を把握することは大切です。しかし干渉はしないように。あくまでも進捗管理をメンバーに任せることを徹底します。

5 存在、結果、プロセスに対する承認
成果に対する評価だけではなく、働いてくれていること自体に感謝します。プロセスにおける課題解決も、承認と評価を心がけます。

6 案件の大小ではなく、不確実性の高さ
プロジェクトの大きさに注視してしまいがちですが、重要なのは「不確実性の高い案件」にどう向き合ったのか。その視点を共有します。

7 楽しいと辛いに共感する
デザインという行為はどこに魅力があるのか、いつ楽しいと感じるのか、どんな場面で辛いと感じるのか。共感を大切にし寄り添います。

8 巻き取るのは問題が発生したときのみ
中途半端に任せることは危険です。メンバーを信じてあらゆる工程を任せます。しかし問題が発生した場合のみ実務を巻き取る判断をします。

9 伝えるが、受け取ることを強要しない
大切なことは丁寧に伝えるように心がけます。ですが、その言葉を「受け取るか否か」については相手が決めることだと理解します。

10 個々それぞれの特徴と向き合う
一人ひとりとそれぞれ丁寧に向き合うことが最も大切です。相手によって、その場面によって、投げかけるべき言葉を選択します。


まとめ

業務を適切に任せることによって、メンバーが得る「気付き」はとても重要です。プロジェクトをリードする体験によって得られる気付き・課題・達成感・充実感が、デザイナーをさらに成長へと促すのだと感じます。

自身で考え行動することによって得られた「課題」は大きな価値があります。充足感に満たされることによって、次回から自分に何ができるのかという自責の視点も生まれやすくなり好循環となるでしょう。

一方で「FBが組織文化として溶け込んでいる状態」を目指す必要があるという考えも持っています。FBは人格を否定するものではない、デザインとデザイナーをアップデートする手段である、という考え方の醸成と仕組みづくりが私の課題です。




いいなと思ったら応援しよう!