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1人TOUR DE EURO97 その61 スイスは最高の思い出だった

1997年の夏。
24歳の僕は、たった一人でヨーロッパを90日間かけて一周する旅に出た。

旅の名前は「一人ツール・ド・ユーロ」

フランスには「ツール・ド・フランス」という有名な自転車レースがあり、それにちなんで、人生のレースという意味を込めて名づけました。もちろん僕の旅はレースではない。誰かと競うわけでもないけれど過酷さだけは負けていなかった。

会社に人間関係に疲弊した3年間を過ごし。僕はもう死にたいでも死ぬ勇気はない。最後にせめて世界を見てみたい。そう思って会社を辞めて全財産をバックパッカーに詰め込んで日本を出ました。

たった90日間の旅がその後の人生を確実に変えました。
この旅で、僕はたくさん迷って、たくさん考えることになります。
「自分の人生って」
「自分は何を求めているのか」
「なぜ、こんなにも遠くまで来たのか」

今になって思う。あの頃の自分に伝えたい言葉がある。

世界は、広いようで意外と狭い。
これは、24歳の僕が見た世界の記録。

旅のルートを知りたい方はこちらです。

61)1997年9月13日-チューリッヒ(スイス)

土曜日。7時30分頃に朝食。今日はジュネーブからチューリッヒへ移動。

朝8時27分発のICで向かう為、行動を共にする3人は仕度をして駅へ。大きな見所を見ないままジュネーヴを去る。

今後の予定はチューリッヒで他のメンバーとYHで再会予定。ジュネーヴはおススメできるほどの場所ではなかったな~と思う。
観光地化されていないというかスイスの中では大きな都市に入るけど静かな町だった。列車に乗り東へ進路をとりスイスを横断しチューリッヒを目指した。

チューリッヒはスイス最大の都市。昼頃に駅にロッカーに荷物を預けて市内観光をする事にした。YHの受付が夕方と思うので今から行くと時間を無駄にしてしまうので観光を優先。そして今日は久しぶりの雨。僕がヨーロッパに来てこれほど本格的な雨は初めてだった。ずっと天候には恵まれていたのがわかる。街中観光で良かったと思う、これが山なら最悪だろう。

本当にスイスは山がメインの見所なので天候は重要だ。
雨の中、傘をさしチューリッヒ観光だ。教会にも行き日本の天皇陛下御用達というチョコレート屋もみつけた。老舗らしく木の建物が重厚で歴史があり職人が作るケーキやチョコや生チョコを見ているだけでも楽しい。いいにおいで甘い香り。メンバーの一人の女性がこの店に来るのが夢だったらしい。名前も僕は知らなかったし生チョコというのを生まれて初めて食べた。

どうやらや生チョコは日持ちしないのでお土産には無理らしい。ある意味現地でしか食べれない貴重なお菓子。当時は珍しかった生チョコに感動していた。

3人でうろうろしていると時間が経つのが早い。話をしているだけで昨日も今日も大して観光していない気がする。一応美術館には言ったけど一人とは違い、ついつい誰かに頼ってしまい僕は見ることよりも会話ばかりしていたと思う。

夕方の4時頃になり街中の散策は飽きたので35km離れた場所にあるドイツとの国境に近い町シャフハウゼン(Schaffhausen)まで行くことにした。どうやら、そこには滝があるらしい。僕はそんな場所があることもしらず付いて行き列車にのり込んだ。

ライン滝というのを見に行く事になった。近くの駅に着き今度はバスで滝を目指す。

雨が降っていたのでライン滝も水量が増えて想像以上に迫力があった。意外と観光客も多い。どれくらい有名なのかは知らないけど高さは低くいけど横幅が150mほどあり結構長い。これだけ近くに来て水量を見ると恐怖すら感じる。

ここまで大きな滝をこの近さで見るのははじめてかもしれない。

滝というから僕は大きなナイアガラの滝のイメージもあったけど、そんな大きな滝なら有名なはず。だから期待していなかったけど、意外と大迫力だ。大きな音で水しぶきがすごい。聞くところによるとここは1988年に公開された日本、スイス合作映画『アナザーウェイ ―D機関情報―』(山下耕作監督作品。主演:役所広司)のロケ撮影地の一つとなったらし。そういう意味では日本人にもゆかりのある場所かもしれない。全く僕は知らないけど。映画を見て来る人もいるかもしれない。

またチューリッヒまで引き返しYHを目指す。YHに到着したのは夜の7時30分。ちょうど他のメンバーもYHに到着してYHで一緒に夕食を食べる。今日はめずらしく日本式カレーだった。カレーを食べるのが久しぶりだ。日本を出て以来食べていないので僕は半年ぶりで懐かしい。

食事をしながら、お互いに旅してきた話しで盛り上がる。このメンバーはスイスのツェルマットで出会った仲間だったけど今日で全員とお別れだ。多くの人が日本に戻るし直ぐに現実が待っている話を沢山した。仕事どうしよ?や学校が始まる話とか。まだまだ夢の中にいたいと話した。いずれこの夢は覚めて現実の世界に戻る時がくる。そうなれば仕事も大変だしお金もかかるしストレス世界に逆戻り。一人一人それぞれの人生の中で今を楽しんでいる。

他のメンバーと違い、まだ僕の旅は続くから、取り残された気分もあった。日本に戻れるうらやましさも少しあるけど、まだ現実に戻りたくない。それにしてもずいぶんと仲良くなり共に行動をしてきたものだ。スイス滞在時は常に誰かと一緒だった。日本の全国に散らばって住んでいる僕らがスイスで共有した時間は何とも不思議な時間だ。方言もあるし田舎の人、都会の人と色んな人がいた。

遠い地のスイスでこうやって旅を共にしてご飯を食べる。不思議な時間を僕らは楽しんだ。さあ、いよいよ僕は明日からドイツへ入国する。

一度ミュンヘンに寄り道したけど随分と前の記憶だ。明日からが本格的なドイツ入国だ。期待が大きいしようやくドイツまで来れた気がする。必ず行く国の一つだったから、ここまで無事に来れたので気持ちも高まる。

今日、いろいろ会話していて、僕の新たな目標ができた。というのもヨーロッパで大きく逆時計回りで回りイタリアでF1を見てドイツに行けば最終的なゴールのパリも近い感じがしたから大きな自分の目的は達成していた。後は残された時間でどれだけの町を見て周れるかという量の問題になりつつあった。数をこなす。多くの町を見るということ。

でも今日新たな情報で北から南に下がって来た人とあった。北というのは北欧からだ。ヨーロッパ最北の地に行った人の話を聞き興味が出てきた。よし!僕の次の目標はヨーロッパ最北の地(ノールカップ岬)に決めた。

詳しくは何も分かってないけど、その人の話を聞いて行きたくなった。僕は他のメンバーにも宣言して、必ずノールカップに辿り着くから!と告げた。もちろん この時はノールカップ岬が どのような場所にあるかすら、ちゃんと理解していない。まだ時間はあるからドイツを回りながら調べよう。

まあ適当なものだ。話は尽きないがメンバー最後の夜を楽しく過ごして寝た。


教訓
1.ジュネーブは見所なかった
2.一人で旅するより仲間と旅する楽しさの後の一人はツライ
3.旅の行き先は突然きまる


次回は、その62世界一美しい城を見ない決断の話です。


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けんいち【kindle作家】 娘が留学をすることになり、何か僕も父として背中を見せて、一人でもがんばって負けないように生きていけるように挑戦を始めました。娘との思い出もここに沢山残そうと思い記事を書いています。少しでも応援してもらえたらウレシイです。いただいたチップは活動費に使わせていただきます。