1人TOUR DE EURO97 その59 ハイジに会える世界
1997年の夏。
24歳の僕は、たった一人でヨーロッパを90日間かけて一周する旅に出た。
旅の名前は「一人ツール・ド・ユーロ」
フランスには「ツール・ド・フランス」という有名な自転車レースがあり、それにちなんで、人生のレースという意味を込めて名づけました。もちろん僕の旅はレースではない。誰かと競うわけでもないけれど過酷さだけは負けていなかった。
会社に人間関係に疲弊した3年間を過ごし。僕はもう死にたいでも死ぬ勇気はない。最後にせめて世界を見てみたい。そう思って会社を辞めて全財産をバックパッカーに詰め込んで日本を出ました。
たった90日間の旅がその後の人生を確実に変えました。
この旅で、僕はたくさん迷って、たくさん考えることになります。
「自分の人生って」
「自分は何を求めているのか」
「なぜ、こんなにも遠くまで来たのか」
今になって思う。あの頃の自分に伝えたい言葉がある。
世界は、広いようで意外と狭い。
これは、24歳の僕が見た世界の記録。
旅のルートを知りたい方はこちらです。
59)1997年9月11日-インターラーケン(スイス)

木曜日。朝6時30分に起き45分に出発。みんなも眠そう。ここ数日は高低差も激しく気温の差も大きいから体調管理には気をつけないといけない。少し疲れもみんなの顔にもでている。でも楽しさが勝つので少し体を動かすと元気になる。今日はユングフラウの山を目指す。ヨーロッパで1番高い位置にある駅ユングフラウヨッホ駅(標高3454m)だ。
朝一番の登山列車は40%OFF。この割引は大きい。クライネシャイデック駅(標高2061m)まで移動しユングフラウ鉄道に乗り換えてさらに上に進む。途中何個かの駅を経由しアイガークレッチャー駅(標高2320m)次にアイガーヴァント(標高2864m)駅で名はアイガーの壁という意味らしい。
多くの登山家の命を奪った「アイガー北壁」三大北壁の1つらしい。登りだけ停車。停車といっても数分でホームにある窓から景色が見下ろせる。次にアイスメーア(標高3158m)ここも同じく数分の停車。どれも絶景だ。ドンドン標高があがるにつれてテンションもあがる。さあ、いよいよヨーロッパで1番高い位置にある駅ユングフラウヨッホ駅だ(標高3454m)。

ここまでの切符が89スイスフランで約6000円くらい。高すぎる。僕の旅予算からみると高額だった。これだから40%OFFで本当に助かった。ユングフラウヨッホ駅はユングフラウの肩という意味。ユングフラウは標高4158m。
ちなみにヨーロッパで一番高い山はフランスのモンブランで標高4807mスイスではモンテ・ローザで標高4634m。駅は実はトンネルの中にあり、そこからスフィンクス展望台へはさらにエレベーターに乗って移動する。最高3571mまで上がる。エレベーターで110m近くも上がる事になる。SF映画に出てくる秘密基地みたい。その上にあるのがスフィンクス展望台です。

天候が変わりやすい山で天気に恵まれている。展望台からの眺めはスケールが違う。今までのツェルマットとはまた違い、山の中に入り込んだ世界で何とも冷たい景色だ。雲海が広がり4000m級の山にいて孤独を感じる。ここにいると山の下の都会や生活なんて想像もできない世界だ。
地球には色んな表情があると旅を通じて知る。ここではスキーを楽しんだり犬ぞりを楽しんだりできる。雪山の中にいるのでとても寒い。
真っ青な青と真っ白い雪が二分する世界で雪は綺麗なパウダー。奥にヘリコプターを発見。観光用で乗れるらしい。すると仲間の一人が交渉をしだした。数分後4人で乗ることにした。一人70スイスフランで(約5600円ほど)。生まれてはじめてのヘリコプターに乗ることになった。勢いで乗ることにしたけど、実はかなり怖がっていた。
こんな場所で、まだ死にたくないぞ!と余計な想像が頭をよぎる。赤いヘリコプターは準備にはいり、僕らは乗り込み大きなヘッドホンを耳にして座る。会話は全てマイクを通してするらしい。そうこう説明を受けているとプロペラが回りだしたと思うと物凄い音だ。
横の人の声も聞こえないプロペラの音。だからマイクで会話するのだ。垂直に上昇し、あっという間に展望台から離れヨーロッパのアルプスの中に溶け込んでいく。まさか、アルプスを上から見るなんて思ってもみなかった。
パイロットが色々説明をしてくれる。あれがアイガーだよ。あれがモンテローザーだよ。マッターホルンも見える。すごい景色に、テレビを見ているようだけど僕は恐怖の方が大きく早く降りたい。怖がる僕をもてあそぶように左右に振りながらヘリコプターは大空を大きく旋回し有名な山を次々に見せてくれた。
無事に戻ってきて内心ホッとした。
やはり空より陸がいい(笑)
貴重な体験をすることになった。

その後は、氷の宮殿を見にいく。全て氷で出来た部屋で色んな彫刻もある。その後、僕らはクライネシャイデック駅まで登山列車で下りてきた。そこから1区間だと思うがハイキングコースを歩いて戻る事にした。
このハイキングコースも最高にいい気分だ。左右に氷河が見え前にはグリンデルワルトの町が下に見える。草原が続く道には羊たちがいる。
スイスにきてハイキングが一番面白い。
スキーや高い山に登る事もいいけど、夏場のハイキングは本当に一番楽しい。ツェルマットの時のハイキングも良かったし、昨日の場所も良かったし今日のハイキングコースも本当に最高に気持ちい。時間に縛られる事なく自由気ままに移動。登山列車の途中駅で乗り換えする時に日本人ツアー団体がいた。
時間になっても数名が戻ってこないから予定していた列車に乗れない事でもめていた。ガイドが「集合時間は守って下さい。他の人に迷惑をかけます」と怒りながら叫んでいた。時間通りに集合している人が損をするツアー。このツアーでは観光名所をみて回り一番楽しいハイキングはしないんだろうなと思うと可哀想だ。しかもルールを守らない人に振り回される。高いお金を支払い行きたいとこも中止されるんだからツアー旅行はしたくなと思った。
マイエンフェルトという町の近くにあるイェニンス村にアルプスの少女ハイジの舞台があるらしい。スイスといえばハイジを連想する人は多い。僕らもハイジやペーターの気分でハイキングしている。アニメの影響でハイジ村が出来たらしいけど、スイスの山なら、どこでも十分ハイジ気分になれると思う。
夕方の4時30分頃にグリンデルワルトに戻ってきた。
メインストレートで買い物をして僕は絵葉書をかった。今日も1日山登り。夜の12時まで、みんなと話をして時間をすごした。

それにしてもスイスに来てお金がドンドン減る。さすがはスイス、ヨーロッパ1物価の高い国で噂通り。半額パスや試行錯誤しながら安く旅をしているけど、それでも予算オーバーの日々。1日で2日分くらい費用がかかっていた。今後は山は避けて都市に戻らないとお金がなくなる。明日からはメンバーが減る。山をまだ回るスイス国内観光組と僕らのような数カ国を回る組でもルートもかわる。
僕は山は少しさけて都市に行く事にした。スイスの左端にあるジュネーブに行こうと思う。3名のメンバーで行く事になった。他のメンバーで時間とルート的にまたチューリッヒのYHで合流を話し合いそれぞれ別行動になった。

教訓
1.どこでもハイジに出会えそう
2.旅は気ままにが一番
3.ヘリコプターでアルプス見たけど怖すぎた
次回は、その60 ジュネーブで寝るの話です。
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娘が留学をすることになり、何か僕も父として背中を見せて、一人でもがんばって負けないように生きていけるように挑戦を始めました。娘との思い出もここに沢山残そうと思い記事を書いています。少しでも応援してもらえたらウレシイです。いただいたチップは活動費に使わせていただきます。