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1人TOUR DE EURO97 その47 不思議と集まるサッカー好き

1997年の夏。
24歳の僕は、たった一人でヨーロッパを90日間かけて一周する旅に出た。

旅の名前は「一人ツール・ド・ユーロ」

フランスには「ツール・ド・フランス」という有名な自転車レースがあり、それにちなんで、人生のレースという意味を込めて名づけました。もちろん僕の旅はレースではない。誰かと競うわけでもないけれど過酷さだけは負けていなかった。

会社に人間関係に疲弊した3年間を過ごし。僕はもう死にたいでも死ぬ勇気はない。最後にせめて世界を見てみたい。そう思って会社を辞めて全財産をバックパッカーに詰め込んで日本を出ました。

たった90日間の旅がその後の人生を確実に変えました。
この旅で、僕はたくさん迷って、たくさん考えることになります。
「自分の人生って」
「自分は何を求めているのか」
「なぜ、こんなにも遠くまで来たのか」

今になって思う。あの頃の自分に伝えたい言葉がある。

世界は、広いようで意外と狭い。
これは、24歳の僕が見た世界の記録。

旅のルートを知りたい方はこちらです。


47)1997年8月30日-ミラノ(イタリア)

土曜日。7時30分に起床。
寝坊して慌てて駅に向かう。駅に向かう船が故障して途中で降ろされた。一体ここはどこ?という場所から勘で駅へ向かうことに。8時50分発のボローニャ行きに乗りたいので人に道を聞きまくり駅に向かう。

駅に着いたら9時。乗りたい列車は出発していた。
困ったな~。どうしようか迷った。

昨日の夜、日本人と話をしていると明日からセリエAの開幕らしく各地で盛り上がっているという情報だった。折角だからサッカーを見に行こうと思い急遽予定を変更しミラノに向かう事にした。

ボローニャを経て行こうと思ったけどミラノに行きサッカーのチケットを手に入れよう!とりあえず現地へ行ってみようと思い列車を調べた。9時58分発のICでミラノ行きがあったので、それに乗ることに。気分は一気にサッカーモードだ。

もしセリエAを観戦できたら最高だ。

94年のワールドカップでブラジルが優勝し来年の98年はフランス開催。

そう言えばフランスではワールドカップを控え盛り上がっていた。ミラノに午後の13時着予定。

ミラノはイタリアの北に位置する大都市でローマに続く第2の都市。
有名な見所が多い都市。F1のイタリアGPも1週間後なのでミラノからサーキットを探せば何とかなるだろうと思った。

列車は予定通りミラノ中央駅(ミラノ・チェントラーレ)に到着。まず駅の大きさや建築に驚いた。何とも不思議でデザインで綺麗な駅。天井のアール状の屋根がとてもかっこいい。ホームも長く重厚感と鉄を多用し産業革命的な建築だ。イタリア人がデザインセンスに長けているのが分かる。やはり芸術性だけは高い国がイタリアだ。

駅の建築様式は1つではなくリバティー様式やアールデコ他の異なる混合様式のようで時々この様式はアッシロ=ミラネーゼとされるみたい。建築家のフランク・ロイド・ライトは「世界でもっとも美しい鉄道駅」と言ったらしい。

まさにその通りで僕が見た中でもロンドンのワーテルロー駅かミラノ中央駅かというほどヨーロッパでも美しい駅だと思った。

日本の駅とは違いホームが低い。
列車の車輪が見え映画で見るような光景。古い大きなトランクケースを列車から小さな階段を通じて降ろす貴婦人が絵になる。

駅を出て早速YHホテル探し!駅で地図をもらいYHを目指した。

YHは受付が4時かららしいので待たないといけない。近くにサッカースタジアムがあるみたいなので見に行く事にしよう。街中の売店のおじさんに明日は試合あるか?と尋ねるとYES!と返ってきた。

歩いて20分のところにスタジアムがある。有名なサンシーロスタジアム(ジュゼッペメアッツア)だ。

スタジアムはすぐに見つかり、TVで見たことがあ90年のワールドカップで開幕のホームになった場所。マラドーナもプレーしている。デザイン的にも素敵だ。

チケット売り場は今日は閉まっていた。ダフ屋が数人いたのでチケットを聞いた。開幕戦だしチケットを入手するのは難しいと思ったのでダフ屋と交渉してみた。初め7000リラだったけど5000リラまで交渉。それが安いか高いか分らないまま購入。

席はゴールの後ろで、かなり上の席。下の席は高額だったから一番安い席。時間になりYHに向かう。ベッドあるかな~。それだけ心配。4時前にYHに行きチェックインが無事にでき安心。2泊確保。荷物を置いて町の中心のドゥオーモを目指した。

この教会も素晴らしく綺麗で装飾が細かい。今まで沢山の教会を見てきたから感覚が麻痺しているけど、初めて見る教会がここなら、感動ものだろう。正直見飽きた感はあるけどステンドグラスも多いし、どうやって建築したのか分らないくらい複雑で沢山の槍みたいな柱があり今にも折れそう。とにかく素晴らしい建築だった。

ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレもここにある。ミラノはローマとは違い気品を感じる街だと歩いていると感じる。

ローマは遺跡を多く目にするが、ミラノは近代的だ。建築も装飾も細かく繊細なものが目立つ。フランスに近い事もあり南イタリアとは、また違うのかもしれない。洋服やアパレル店も多く同じイタリアでも北と南では随分と違うものだ。ファッションの町というだけありミラノはお洒落だと思った。

ドゥオーモ広場は待ち合わせ場所としてカップルが利用している。「チャオー!」と言いながら出会い頭にキスをするカップル。イタリアらしい光景。

サッカーシーズン到来という町の雰囲気もあり、明日、観光する場所を大体決めてルートを確認。町が大きいので歩くのは大変みたいだけど、それでも気がつけばかなり歩いている。夜の8時にYHに戻りシャワー。

共同シャワー室で、少しボロくシャワーは水に近く寒い。お湯が出たり水が出たり…。この辺の設備もなんだかイタリア製を感じる(笑)

ロビーにはTVがあり、ソファーや椅子に座り、みんながくつろいでいた。

日本人を見つけ声をかける。次々に日本人が集まってきて6人になり、明日のサッカー開幕の為にミラノ入りした人ばかりだった。僕もその中の一人だ。ただ周りはサッカーファンでサッカー大好きな人たちが多い。色んな情報も持っているので教えてもらっていた。やはりサッカー好きが集まるものだな~と思った。

チケットを事前に購入している人はいなかったので、みんな現地で当日購入する予定らしい。その辺がバックパッカーらしく行き当たりばったりで皆で笑っていた。僕が買ったダフ屋の情報を伝え値段も教えてあげた。今と違い事前に購入するのは困難だから、とりあえず現地に行ってから考えるしかない時代だったかもしれない。

みんな仲良くなり同じサッカー目的で意気投合。結局明日の行動も共にしようとなり僕は3人とサッカーを見に行くことにした。オーストリアで音楽にハマり、ミラノに来てスポーツ観戦にハマる。

みんな僕と同じで、どうやらサッカー開幕らいし!と旅の途中で噂を聞きつけて、ここに集まるのが面白かった。以外にも明日が開幕という情報を知っている人が少なく噂を聞いてルート変更してミラノに飛んできた人が多いから驚きだ。

さあ、明日の試合が楽しみだ。

この時の教訓は、
1、ヴェネツィアの船はよく故障する
2、セリエAのチケットはダフ屋で買う方ら楽
3、サッカー好きって勢いだけスゴイ

次回は、その48 サッカー開幕とダイアナ元王妃の事故 話です。


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けんいち【kindle作家】 娘が留学をすることになり、何か僕も父として背中を見せて、一人でもがんばって負けないように生きていけるように挑戦を始めました。娘との思い出もここに沢山残そうと思い記事を書いています。少しでも応援してもらえたらウレシイです。いただいたチップは活動費に使わせていただきます。

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