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玄人サウナーと工務店が共創する、東北の新たな住文化──ホームサウナ付き新築レビュー【対談】

ここ数年でサウナ需要は拡大し、僕が拠点を置く宮城県仙台市にも大規模なサウナ施設ができた。一方で、これほどサウナ文化が世の中に浸透しているにもかかわらず、サウナ付きの家に住んでいる人は多くない。

家にサウナがあれば、移動時間や並ぶ時間がない分、サウナに入るハードルは低くなり、健康的な習慣を維持しやすくなる。公衆サウナと異なり夫婦で入って会話を楽しむことも可能だ。

そこで僕が経営する工務店、株式会社あいホームでは「サウナがある暮らし」を提案している。昨年の8月には、当社初のサウナ付き新築住宅を建てた。

今回は、お客様第1号である柴田征弥しばたせいやさんに「サウナがある暮らし」を選んだ背景や感想を伺うとともに、サウナが好きな者同士で東北におけるホームサウナ文化の今後について語り合った。


育児中でもサウナを楽しみたい!往復0分の魅力

檜の香りを楽しめるホームサウナ。

「サウナ付きじゃないなら新築なんか建てる意味がない」。

柴田さんのこの言葉を、僕は未だに忘れられない。

あいホームの住宅で暮らす、玄人サウナーの柴田征弥さん。

柴田さんは奥様と小さなお子さんと暮らしている。サウナを好きになったのは奥様がきっかけで、入り方を教わるうちにのめり込んでいったのだそう。

せっかく新築住宅を建てるなら趣味の家にしたい。ありきたりな家ではなく、会話のタネになるようなユニークな家にしたい。そうした思いからホームサウナをつくることを選んだ。

「私のお気に入りのサウナはいつでも気軽に通える距離になく、子ども中心の生活では時間も限られています。サウナに入る習慣を継続するには、家にサウナを付けるのは必須でした」。

新築住宅での生活がスタートしたのは昨年の8月。約2か月間、実際にホームサウナを利用してみて感じた一番のメリットは、サウナから出てすぐに眠れることだと柴田さんはいう。

「街中のサウナを利用する場合、最も辛いのは『帰り』です。体力が削られ、眠気が限界に達するなか、すぐそこにベッドがあるのは大きな利点だといえます」。

新築の醍醐味!趣味がつまった自分だけの空間

さらに、温度や湿度を自由に調節できるのはもちろんのこと、自分好みの空間を創造できるのもホームサウナならではだ。

特に、照明には柴田さんのこだわりがつまっている。

こだわりの間接照明。

Bluetoothスピーカーで好きな音楽を聴いたりYouTube動画を楽しんだりできる点も夫婦共に気に入っているという。公衆サウナでもテレビを観ることはできるが、出たり入ったりするたびに展開が変わって話についていけなくなるのはあるあるだ。その点、Youtube動画なら10分程度で完結するコンテンツも多いため、サウナのお供にちょうどいいのだとか。

内・外どっちで「ととのう」?東北のサウナ事情

内気浴のスペース。

これから、また東北に厳しい寒さがやってきて、サウナが一層心身に沁みる季節となる。

その際に問題となるのが、屋外と屋内どちらで「休憩」をするかだ。

サウナに詳しくない人でも「ととのう」という言葉を聞いたことがあるだろう。「ととのう」とは、サウナ、水風呂、休憩のセットを繰り返し、心身が整った状態を指す。「休憩」はまさにサウナの醍醐味で、どこで「ととのう」かはサウナーにとって重大事項だ。

一般に、屋外で休憩することを「外気浴」、屋内で休憩することを「内気浴」と呼ぶ。

東北では、内気浴がオススメです。外気浴の気持ち良さもありますが、寒い地域では内気浴の方が需要は大きいと思います」。

東北でホームサウナ市場を拡大するにあたって、換気や排気の性能を向上させ、内気浴の快適さを高めることが重要だと柴田さんは語った。現在は、ベンチの下にある通気口やドアの開閉で温度を調節しているが、夏でも冬でも関係なくドアを閉め切った状態で快適に休憩できるのが理想だという。

今回特別に、こだわりの空間を体感させてもらった。

お客様と共に進化させるホームサウナのかたち

お子さん中心の生活を送る現在は、お子さんが布団に入った後にサウナに入っているが、ゆくゆくは朝サウナも楽しみたいと柴田さんは話した。

そうした需要に応えるため、現在、自宅用・家庭用サウナを開発・製造する「My Sauna(マイサウナ)」と今後のアップデートについて協議中だ。

僕の中で、朝サウナに欠かせないのは遠隔操作機能とタイマー機能だ。スイッチを入れてからサウナが温まるまでに40〜60分かかる。例えばスマートフォンで遠隔操作できれば、朝、布団の中でサウナの準備ができる。タイマー機能があれば、起きてすぐにサウナに入ることも可能だ。

写真中央:僕、写真右:営業担当の佐藤好雄さとうよしお。大好きなサウナの話に、だんだんと熱が入る。

この構想を話すと「最高ですね!」と柴田さん。「最新の技術を入れてもらえたら、どんどんレビューしますよ」という心強い言葉まで頂いた。

サウナストーンの耐久性や、ドアの密閉性、ベンチの座り心地などのディテールについてもフィードバックを頂き、僕たちが向き合うべき課題が見えてきた。

車の販売員を生業とする柴田さんは「つい販売員目線で考えてしまうんです」といい、東北地域での暮らしに合うホームサウナのかたちを共に考えてくれた。

サウナ好きを公言していない人の中には、潔癖症で公衆浴場自体を苦手とする人もいる。そうした人もホームサウナなら気兼ねなく使えるだろう。ホームサウナは、サウナ玄人から初心者まで誰もが楽しめる可能性を持っていると柴田さんは語った。

生の声に向き合い、描く。地域生活の未来図

あいホームでは、ハード(住宅)の性能にこだわって家づくりをしてきた。それは、これからも変わらない。

一方で、ハードの性能を上げるだけでは家は売れない。お客様にとって重要なのは、どんな家を買うか以上に、その家でどう暮らすかだからだ。

そうした考えのもと、僕たちはソフト(暮らし)の提案に注力し、同時にさまざまな需要に向き合い続けている。「サウナがある暮らし」もその一つだ。

実は、柴田さんの新築住宅を担当した営業自身は、サウナのヘビーユーザーではない。だが、サウナ玄人ほどサウナの知識がなくても、お客様が描く理想に寄り添い、イメージを具現化するお手伝いはできる。

僕もそうだ。あいホームでは、例えばペットと暮らす家を提案しているが、僕はペットを飼った経験はない。だから、ペット愛好家と接点をつくり、積極的に意見交換の場を設け、リアルな声に向き合っている。

重要なのは、ただ需要やトレンドに便乗するのではなく、当事者と共に理想の暮らしを追求することだ。

今回、柴田さんとの対談を通して、東北における「サウナがある暮らし」の未来図がより具体的なものとなった。東北のホームサウナ文化をつくっていく第一歩を踏み出した感覚があった。

今後も、僕たちはお客様と共に、東北における新たなライフスタイルの開拓に挑んでいく。

編集/三代知香

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