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【考察編③】なぜ高学歴ほど騙されることがあるのか──知識と判断力は別物だった


投資詐欺の被害に遭ってから、私はある不思議な現象に気づきました。

詐欺の被害者の中には、驚くほど優秀な人が少なくないのです。

医師。弁護士。経営者。大学教授。

大企業の管理職。

世間一般で言えば、「頭の良い人たち」です。私は以前、こう思っていました。

知識があれば騙されない。

しかし現実は違いました。

そして、その事実は私自身にも突き刺さるものでした。


頭が良い人ほど騙されないはずだった

学校では、知識を学びます。

試験で高得点を取る人は評価されます。

難しい問題を解く能力は、確かに大切です。

しかし、詐欺師が狙っているのは、知識ではありません。感情です


詐欺師は「頭」ではなく「心」に近づく

SNS型投資詐欺では、最初からお金の話ばかりすることは少ないと言われています。

信頼関係を作る。安心感を与える。

共感する。褒める。未来を語る。

そうして少しずつ心の距離を縮めます。
私の場合もそうでした。

つまり、詐欺師が相手にしているのは「知識」ではなく

「人間心理」なのです。


犯罪心理学の「過信効果」

心理学には

過信効果(Overconfidence Bias)

という考えがあります。

人は能力が高いほど、自分の判断にも自信を持ちやすくなります。

これは本来、悪いことではありません。

しかし時として、「自分は騙されない」という思い込みにつながります。

実際には、詐欺被害者の多くが被害前に「自分は大丈夫」と思っています。

私もそうでした。


知識と判断力は別物だった

今回の被害を通じて、私は一つのことを学びました。

知識と判断力は同じではない。知識とは、知っていること。

判断力とは、感情が揺れている時でも冷静でいられること。

です。

どれだけ知識があっても、欲望。不安。孤独。焦り。期待。

こうした感情が強くなると、判断は簡単に曇ります。


IQではなくEQ

最近では、IQ(知能指数)だけではなく、

EQ(感情知性)

が重要だと言われています。

感情を理解する力。感情をコントロールする力。他者の感情を読み取る力。

詐欺師は、相手のIQと戦っているのではありません。

相手の感情に働きかけています。

だから、高学歴であっても、

高収入であっても、被害を防げるとは限らないのです。


私が本当に恥ずかしかったこと

被害に遭った直後、私はお金を失ったこと以上に、別のことが苦しかったのです。

「なぜ自分が騙されたのだろう」という思いでした。

恥ずかしさ。情けなさ。後悔。

しかし今は少し違います。

騙されたという事実よりも、

人間という存在について学ぶ機会だったのかもしれないと思うようになりました。


本当に賢い人とは

本当に賢い人とは、知識が多い人でしょうか。

難しい言葉を知っている人でしょうか。

私は違う気がしています。

本当に賢い人とは、

自分にも弱さがあることを知っている人ではないでしょうか。

自分にも欲望がある。

自分にも見落としがある。

自分にも間違いがある。

そのことを知っている人です。


最後に

なぜ高学歴ほど騙されることがあるのか。

その答えは、高学歴だから騙されるのではなく、人間だから騙されるのかもしれません。

知識は人生を豊かにします。

しかし、知識だけでは心を守れません。

私が5000万円を失って学んだのは、知識と判断力は別物だということでした。

そして本当に必要なのは、「自分は騙されない」という自信ではなく、

「自分も騙されるかもしれない」という謙虚さなのかもしれません。

次回【考察編④】

欲望と判断力の関係──なぜ人は「儲かる話」に弱いのか
を考えてみたいと思います。

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