災害級の暑さ? いや災害です!
今日は,防災学術連携体のウェビナー講演を聞いていました。防災学術連携体とは,防災減災・災害復興に関する63学協会のネットワークで,日本学術会議と連携して活動している団体です。まぁ,専門家集団ですね。
その防災学術連携体のセミナー。今日のテーマは,「市民へのメッセージ2026「危険さを増す地球温暖化、夏秋の気象災害に備えましょう」」でした。幾つか印象に残るお話はあったのですが,何といっても熱中症の話ですね。お話されたのは,日本救急医学会の横堀将司さん(日本医科大学教授,高度救命救急センター長)でした。
興味がある方は,埋め込みました動画をご覧ください。下記は,それが面倒という方のための抜粋等です。まず,熱中症によって救急搬送を余儀なくされた方々です。下記のとおり,昨年はついに10万人を超えました。

消防庁報道資料より,筆者作成

上に同じ
そうして亡くなった方です。2021年を除いて,この数年は毎年1,000人以上の方が亡くなっています。これは風水害による死者よりも遥かに多いです。これは驚きの数字でした。さらに言うと,熱中症で亡くなる方は5~9月以外にも発生しています。それから,年齢別でいうと,やはり高齢者です。

資料「熱中症による死亡者数について」より,転載

https://www.soumu.go.jp/main_content/001037757.pdf

https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/sg_pcm/R0701/doc04-1.pdf

驚くのは,熱中症で亡くなる方のなかで,救急搬送された方は意外に少ないことです。ここでは,統計の便宜上,5~9月の死亡者と救急搬送のうえでの死亡者との比較に留めます。
注)救急搬送者のデータが,搬送者/死亡者ともに,5~9月に限定され,年間トータルがわかりません。

上記2資料より,筆者作成

上に同じ
上にグラフを2つ用意しました。最初のグラフは,熱中症死亡者のなかで,緊急搬送された方とされなかった方を区分して,その推移を見たものです。これを見ると,熱中症死亡者の9割は,緊急搬送されなかった方です。
他方で,次のグラフは緊急搬送されたなかで,助からなかった方の実数・比率です。これを見ると,緊急搬送されたなかで生命を救えなかった方は1%以下です。
2つのグラフを見ると,「まだ大丈夫」と思われたか,あるいは「大したことはない」と思われたか。あるいは,熱中症という判断がしにくいことが熱中症の怖さなのか。いずれにせよ,緊急搬送されずに亡くなった方が大半である一方で,緊急搬送されて亡くなることは相当少ないということがわかります。
まとめます。
・熱中症で亡くなる方は,風水害の死者よりも多い。
・熱中症死亡者は5~9月が中心だが,少数ながらそれ以外の時期に亡くなる方もいる。
・緊急搬送されて,治療の甲斐なく亡くなる方は非常に少ない。
・死亡者の9割以上は,救急搬送されなかった方で,緊急搬送を選択しない/できない(居住環境あるいはその時の判断力)ことが,死亡の主たる原因といえる。
