ライコネンを超えてゆけ! - 2026 F1中国GPレビュー

 まずはアントネッリくん、グランプリ初優勝おめでとう!

 決勝のポディウムは、まさに「メルセデス・オールスターズ」でした。アントネッリ、ラッセルのワンツーに加えて、ハミルトンが3位。そしてチームの代表はそのハミルトンと長年コンビを組み、今季はアントネッリのレースエンジニアを務めるピーター・ボニントンでしたからね。

【このレビューは、いわばF1の感想戦です。リザルトは掲載せず、レースの展開を詳しく追うこともいたしません。では、いったい何を書いているかというと、そのイベントでの重要な見どころや、逆に重箱の隅をつつくような話題にフォーカスしています。気軽に面白がっていただければ幸いです。】

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 表彰式でイタリア国歌を聞くのも久しぶりでした。フェラーリのメカニックたちが合唱してあげればいいのにと、個人的には思いましたが、さすがにそれは怒られるでしょうか。

 ポディウムセレモニーでは、アナウンサーがアントネッリを「キミ・ライコネン!」と呼んでしまうという珍事も発生しました。察するに、アナウンサー氏は「ライコネンと呼ばないように気をつけよう」と意識するあまり、それが思わず口に出ちゃったのかも。

 若い方のキミくんには、いつの日かキミ・ライコネンがアントネッリと呼び間違えられたりするように、大先輩を超える生涯成績を目指して、がんばってほしいところです。

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 決勝レースではメルセデスの優位があらわになりました。開幕戦のメルボルンでは、コース特性が特殊なこともあって「あれ、もしかしたら……」くらいの感じでしたが、上海は普通のサーキットですから。「ああ、これはもう……」くらいの確度になりましたね。

 チーム内での勝負について言えば、アントネッリがSC中のタイヤ交換を終えてトップのまま復帰できたのに対して、ラッセルはステイアウトしたオコンとコラピントをコース上で抜いてこなければならず、そこでギャップが広がってしまいました。ハードタイヤを温めるのにもちょっと時間がかかったようですし。

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 フェラーリ勢は今回もスタートが良かった。ただ、レースペースはメルセデスにやや劣り、オーバーテイクが難しくないこのコースでは、彼らの前に踏みとどまることができませんでした。

 そして、レース中盤以降はチームメイト同士のバトルで観客を楽しませてくれました。ただね、少なくともメルセデス勢に完全に引き離されるまでは、チームからポジションキープの指示をしても良かったのではないかとも思います。アントネッリには追いつかないとしても、そうしてタイヤをセーブしておけば、ハミルトンかルクレールのどちらかがラッセルより上でフィニッシュできたかもしれない。

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 新レギュレーションに不満タラタラのフェルスタッペンは、スタートは最悪、ピットストップのタイミングも最悪(ストップ直後にSC導入)、最後はPUが壊れるという、まさに踏んだり蹴ったり状態でした。リタイアの原因はERSのクーリングに問題が起きたことだとか。

 まあ、上位が全員1ストップだったことを考えると、2ストップを前提にしたソフトスタートを選んだ時点で、そもそも目はなかったとも言えます。つまりチームとしては、現実的なレースペースを考えると、普通の戦略ではどうにもならないと思っていたわけで。

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 それでもフェルスタッペンは、スタートで大きく後退したあと着々と順位を上げて、20周目あたりでは実質6番手まで来ていました。

 そして、5番手を走っていたベアマンにも追いつくかと思いきや、その差はなかなか縮まりませんでした。マックスはタイヤのデグラデーションにも苦しんでいたようですが、ベアマンのペースも決して遅くはありませんでしたからね。

 ベアマンの5位フィニッシュには殊勲賞をあげたいと思います。マクラーレンの2台がいなくなったレースで、いかにポイントを稼ぐかが、ハースのようなチームの戦い方ですから。

 SCが入ったときに、ハースがベアマンだけをピットに入れて、オコンはステイアウトと戦略を分けたのは理解できます。ただ、結果的には、チームとしてちょっと損をしたかな。同じくステイアウトしたコラピントが9位に入ったことを考えると、オコンがSC中にタイヤを交換していれば、ダブルスタックになったとしても、それより上のポジションを確保できたかと。

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 アルピーヌのガスリーも速かった。特にトップスピードは最速レベルでした。チームメイトのコラピントは、SCでのステイアウトが裏目に出ましたね。それでも、DNSやリタイアが多かったこともあって、アルピーヌは見事にダブルポイントフィニッシュです。

 ところでガスリーくん、マクラーレンの2台が急にグリッドからいなくなり、前がガラ空きになったものだから目標を見失ったのか、フォーメーションラップを終えたときに自分のグリッドに止まりそこねて、こっそりバックしていたのにはちょっと笑っちゃいました。

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 それにしても、マクラーレンが2台ともスタートできなかったのには驚きました。ノリスとピアストリでは、トラブルの発生個所が違うらしいのですが、いずれにしてもパワーユニットとの通信ができなくなったとかで。

 開幕戦ではレコネサンスラップでクラッシュを喫したピアストリは、これで2戦連続でレースをスタートできなかったことになります。というか、第2戦を終えた時点で、まだ一度もレースをしていない……。

 ちなみに、過去の記録を調べてみると、2戦連続のDNSという珍記録は1969年まで遡り、しかもそのドライバーはマクラーレンを創立したブルース・マクラーレンだったとか。不思議なパパイヤの因縁というべきでしょうか。ブルース先輩もオーストラリア人だったしね。

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 サインツの9位とポイント獲得は、率直に言って棚ボタだったけど、落ちてきたボタ餅はありがたくいただいておきましょう。ウィリアムズはアルボンがスタートできなかっただけに、このポイントフィニッシュで少しは救われました。

 ウィリアムズのクルマは、車重が規定の最低重量を20kg以上もオーバーしているそうです。チームボスのジェームズ・バウルスによると、「コストキャップがあるので、軽量パーツはアップデートや交換時期に合わせて投入する。現地へ直送すると運送コストもかかる(今年からコストキャップに含まれる)」とのこと。

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 オーストラリアGPのレビューでは「アウディ、意外にイイじゃない」と褒めたのですが、それはアルピーヌとハースがまだ本調子ではなかったからかもしれません。

 今回はボルトレートがスタートできず、ヒュルケンベルグも11位と、オコンを除いたハース、アルピーヌの2チームの後塵を拝しました。エンジンのパワー不足が大きな問題らしく、今後、中団グループの他のチームのパフォーマンスが安定してくると、ちょっと厳しい戦いになりそうです。

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 アストンマーティン・ホンダはまたしても完走ならず。フジテレビの中継でのCMは、今回は二輪車をテーマとしたものでした。ホンダの二輪車の世界累計生産台数は、昨年5月の時点で5億台を突破したそうですよ。

 なお、その5億台のうち2台は、かつて私のところにありました。遠い昔にホンダGL400とビッグスクーターの先駆けであるフュージョンに乗っていたので。

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 ご存じのとおり、4月のバーレーンGPとサウジアラビアGPは、「とりあえず4月には開催しない」ことになりました。急なことで代替イベントを入れるのも難しいでしょうから、次は1カ月先の5月初めに開かれるマイアミGPですね。

 この長いインターバルは、アストンマーティン・ホンダとかウィリアムズとか、出遅れ気味のチームにはありがたいものかもしれません。もちろん、出遅れていないチームだって、その間にいろいろなことをしてくるでしょうけれど。

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 よんどころなき事情がありまして、この中国GPレビューは、もう日本GPが終わった時点でまとめております。4月の長い休みを利用して追いついていく所存ですので、今後ともよろしくお付き合いいただけますよう、心よりお願い申し上げます。


2026年4月8日

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