「一旦車に住んでみる?」60万円で自作したキャンピングカー暮らし|デジタルノマド、海外と日本を高速移動する日々。
「一旦車に住んでみる?」そんな一言から始まった。
でも、DIYド素人の私たちが、本当に日産キャラバンをキャンピングカーに自作できるのだろうか。
お互いの良さをかき集めても、普通車をキャンピングカーにできる未来は見えなかったが、正面から強行突破することに決めた。

少し話を戻すと、この車(日産キャラバン、ハイルーフ)は、2024年の秋にジモティで購入した。
いろいろなサイトを比較し、中古車販売店も見に行ったが、一番「車が愛されているな」と感じたのが、栃木県にある小さな自動車修理会社だった。
私たちはすぐにアポイントメントを取り、2日後にはキャラバンの状態を確認しに行った。
どうやらこのキャラバンは、元々旅館のゲスト送迎で使われていたようで、走行距離は6万キロ程度。
正直、車の良し悪しは全くわからなかったが、秋晴れの日差しに照らされたキャラバンは、素人目に見ても隅々までメンテナンスされていることがわかった。
「今日、夕陽がこんなに綺麗なら、このキャラバンを買った方が良いってことだね。」
最後の最後で自分たちの背中を押してくれたのは、その日の夕陽があまりにも綺麗だったことだ。
私たちはその場で即決し、近くのセブンイレブンで頭金10万円をおろした。
こうして私たちは、キャンピングカー制作に踏み出すことに決めた。
先に結論から言うと、制作期間は約4ヶ月。
DIYのやり方や車検の要件等を自力で調べ、最終的にキャンピングカー(8ナンバー)登録までなんとか漕ぎ着けた。
どのように制作したのかは別の記事で書こうかと考えているが(多分)、とにかく、近くのホームセンターを片っ端から回り、今まで探したこともないヒノキ板や塗装剤、電動ノコギリなどを買い漁って、すべて自分たちで自作した。
このキャンピングカーで、上は東北、下は島根や四国まで、とにかく日本各地の行きたいところを回った。燃費は高速でも7km/L。
どう考えても「燃費良ね!」とは言えないが、今ではこの車は私たちの「もうひとつの家」になった。
前回の記事でも書いた通り、キャンピングカーが完成した当初に6畳の荷物部屋に移動していたので、国内外を移動しながら、ホテルとキャンピングカーで生活をしていた。
キャンピングカー生活をしていると、同じようにキャンピングカー生活(バンライフ)をしている人がこんなにも多かったのか、と驚かされる。
例えば、大阪の端っこで出会った60代のご夫婦は、定年退職をして九州からゆっくり日本中を回っているのだと言う。
「私たちはハイエースのキャンピングカーを買ったけど、自分たちで作ったの?すごいねー!」
そんな風に言ってもらえて、悪い気はしない。
お互いのキャンピングカーについてひと通り話して、「では、道中気をつけて!」と言って別れる。
後になって考えると、このご夫婦も私たちも、ここが目的地であり道中でもあるので、なんだか不思議な感じがした。
またある時は、飛騨高山の奥地でイギリス人のご夫婦と1匹のワンちゃんに出会った。
「日本は本当にバンライフしやすいよ、どこに行っても安全だし綺麗だよね」
そのご夫婦は静岡に住んでいて、来月イギリスに戻るらしい。
まさか飛騨高山の奥地でイギリス人のご夫婦とこんな会話をするとは、想像もしていなかった。
このような出会いはまだまだ書ききれないほどあるが、バンライフをしている人は、夫婦もいれば一人もいれば、子連れの家族もいれば、ワンちゃん連れもいる。
バンライフを始めるまでは、こんなにも様々な人がいるなんて想像もしていなかった。
見方が変わると世界が変わるとよく言うが、それを身をもって体感した。
ちなみに、バンライフの良いところは、朝起きてすぐに知らない場所に降り立てること。すぐ外に出られて、その場所を堪能できること。
その土地で採れた特産物を食べながらその土地を巡るのは、地に足つけながら日本中を知るには最適な旅のスタイルだった。
逆に、良いと言えない部分もある。
(言葉を換えると、面倒くさい部分もかなり多い)
例えば、トイレをするためには、大雪でも土砂降りでも外に出る必要があるし、太陽が出ていないとソーラー充電ができないので車を走らせるしかない。連日雨が降ると、ポータブル電源は0%になる。
そして何より、その日の行く場所や泊まる場所、温泉を探すことに、想像以上に時間がかかる。
向かう場所の選定はもちろんだが、そこに行く時間やタイミングを逆算して1日のスケジュールを考えなければならない。
特に私たちは、仕事をしながら移動していたので、その日仕事をする場所から(地方に行けば行くほどコワーキングスペースを探すのにかなり苦労する)、その日泊まる場所、温泉の場所まで、朝起きてからずっと考えている必要があった。
同じ場所に泊まれば話は早いのかもしれないが、何故か移動したくなる。お風呂についても「1日くらい入らなくても…」と思えれば良かったのだが、なかなかそうはいかない。(ここはよく、バンライフ向いてないねと言われるポイント)。
ただ、こんなにもたくさんの面倒くさいことがあっても、車が動く限り、日本に来た際は必ず一度は車に戻るだろう。
ヨーロッパに拠点を増やした今でも、日本に帰ればこのキャンピングカーが私たちの家であり、実家よりもホテルよりも落ち着く場所だ。
それが移動式なんて、私たちにとってこんなにもありがたいことはない。
日本の部屋を手放してキャンピングカーにしたことは、今の自分たちにとってはとても良い選択だったと思う。
日本での生活を、キャンピングカー(と、ホテル)にしてから、日本国内はもちろん、思っていたよりも海外に行きやすくなった。
それは単純に、部屋という所有物がなくなり、それに付随していた冷蔵庫やテレビ、机や椅子、自転車や洗濯機といった生活に必要なものをすべて手放し、荷物をリュック1つにまとめたことで、世界中を移動しやすくなったのだと思う。
時には日本でバンライフ生活、時には海外でホテル生活、時にはヨーロッパ生活…そんな風に移動の速度が上がると、比例するように仕事へのスタンスも変わっているように感じる。その結果、(現時点では)デジタルノマドというスタイルに行き着いた。
新卒で会社に勤めていた頃は「やらされている感」があり、嫌気がさすことが本当に多かった。
これは会社の問題ではなく、紛れもなく自分の問題だった。自分で選んだ選択なのに、どこかで他責志向になって逃げていたように感じる。
そんな点からも、私にはこの、“世界高速移動生活”が本当に合っていると思う。
ただの思いつきから始まった、ド素人2人のキャンピングカー生活だったが、気づけばそれは、私たちのライフスタイルそのものを抜本から変えてくれる存在になった。
家を持たず、車という小さな移動式の拠点を持つことは、時には不便で、計画通りにいかないことも多いけど、それでも、毎日が最高に楽しいと心から思う。
今日も定住をやめて、まだまだ「世界高速移動生活」をしていくことにした。
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