「成功」を手放し、何者でもない自分から再スタートする日
2022年10月9日。
「祭りの後」というのは、
どうしてこんなにも静かで、少し寂しいのでしょうか。
妻(Hanna)の初めての個展が、
6日間の会期を終え、ついに最終日を迎えました。
ありがたいことに、
連日多くのお客様やアーティスト仲間に足を運んでいただき、
個展は大盛況のうちに幕を閉じようとしています。
「おめでとう」「すごかったね」「次も期待してるよ」
温かい言葉と、確かな売上という「成功」の証。
それは確かに、大きな自信に繋がりました。
でも、その華やかな祭りの裏で、
妻はひそかに恐怖を感じていたそうです。
周りからの評価や、次への期待という声が大きくなるにつれ、
自分が「何のために描いているのか」という軸が、
少しブレそうになる感覚。
成功体験に酔いしれることの危険性を、
肌で感じ取っていたのです。
誰もいなくなった静かな会場で、
彼女は改めて、自分の作品たちと向き合いました。
そして思い出したのは、
初めてアーティストとして絵描いた日のこと。
夢中になったあの日のことでした。
誰に評価されるためでもなく、
ただ「創ることが好きだ」というシンプルな情熱。
大きな祭りが終わった後に残ったのは、
名声でも、売上の喜びでもなく、
「また明日から、静かに絵を描きたい」という
純粋な創作意欲だけでした。
「初心忘るべからず」
一つの大きな成功体験は、時に自信になりますが、
それにしがみつけば、次の成長を止める足枷になってしまいます。
だからこそ、今日ここで得た成功は、
一度すべて手放す。
何者でもなかった頃の泥臭さと純粋さこそが、
次に進むべき道を教えてくれる「正しいコンパス」になるからです。
評価のプレッシャーを脱ぎ捨てて。
明日からまた、一人の無名なアーティストとして、
静かにキャンバスに向かう。
応援してくださったすべての方へ、深い感謝を込めて。
凡人夫の備忘録。アーティスト妻の歩み
地方の無名アーティストの妻が、東京に挑戦するまでの話。
シーズン1から、全部読めます。
独立して、迷って、それでも描く。
正解のない日々を歩くシーズン2はこちら。
生活と、創作。
泥臭い日々の記録、最新のシーズン3はこちら。
初めての個展を経て、外の世界と繋がり、
泥臭く価値を証明していくシーズン4(共鳴編)はこちら。
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