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突拍子もない夢を語っても、笑われなかった話。

こんにちは。
妻の夢にワクワクする、けんくらです。

前回、妻が知り合いゼロの「いわぬま創生ラボ」へ
見切り発車で飛び込んだ話を書きました。

足が震えながらも受付に名前を書き、
アウェイの空間に飛び込んだ妻。

ワークショップが終わった夜、
帰宅した彼女の顔は、充実感が満ちていました。

そして興奮冷めやらぬまま、
彼女はその夜、僕に「夢」を語り始めたのです。

笑われると思っていた

ハルが創生ラボのグループワークで口にしたのは、
大きく分けて3つの「夢」でした。


「なにしゃべってきたの?」


「うーん、まず。高齢者施設にアーティストとして慰問したいって言った。
あとは…岩沼で、ねぶた祭りみたいな大きなお祭りを作りたいって」

ぼくは一瞬、ぽかんとしました。

ねぶた祭り。
青森を代表する、あの巨大な灯籠を担いで熱狂する、あのねぶた。

それを、宮城県の小さな都市・岩沼で、
移住者の一アーティストが「やりたい」と言ったわけです。


「…突拍子もないことだから、引かれるかなって思ったけど」


「みんなはなんて言ってたの?」


『面白いね!』って。『一緒にやろう』って言ってくれた人もいた

その言葉を話す妻の顔に、
ほんのりと誇らしそうな色が混じっていました。

介護士と、ねぶたの血

妻はただの絵が好きなアーティストではありません。

彼女には、10年以上の介護士としてのキャリアがあります。

患者さんと長い時間をかけて向き合い、
言葉にならない想いを受け取り、
ケアを通じて人を支えてきた人です。

単なる「絵が好きな人」ではなく、
「人の心に寄り添う人」です。

妻が枯れない花をテーマにしたのは、
必然的なことだったのかもしれません。

そしてもう一つ。
妻は青森出身です。

「ねぶた祭り」は、彼女にとって魂です。

太鼓の音。笛の音色。
ラッセーラーという掛け声。
街全体が一つになって跳ね上がる熱量。

それを「岩沼でもやりたい」という発想は、
ぼくには到底思いつかない。

妻の魂から来ていたんだ、と気づきました。

ちなみに今年、ねぶた祭りで笛を吹くらしいです。
夢に一歩前進ですね!

夫の役割は「頷くこと」だった

パートナーが突拍子もない夢を語り出したとき、
夫はどうすればいいのか。

ぼくなりの答えは、
「根拠を聞かないこと」 です。

「どうやってやるの?」
「お金は?」
「現実的に可能なの?」

そういった質問は、夢の芽を摘みます。

全部、正しい質問なんですよ。
でも、タイミングが違う。

妻が興奮して帰宅した夜に、
正論を振りかざしても何もいいことはない。

ぼくがしたのは、ただ頷くことでした。

彼女が一気に喋る間、
うんうん、と相槌を打ち続けること。

それだけで十分楽しかった。

正しいかどうか、ではなく、
本気かどうか、を受け取る。

そういう夜が、たまにあってもいいんじゃないかと。

いや、今となっては、
いつものことになっています。

妻の熱量は、
理屈ではなく魂から生まれてるのですから。

帰り道のコンビニ袋

興奮が落ち着いてから、ぼくは近くのコンビニに出かけました。

特に理由はなかったけれど、
なんとなく「今夜はちょっと特別だな」という気分があって。

缶ビール二本。

それが、二人の小さな祝杯でした。

プシュッとビールをあけて、ゴクゴクとのどに流し込むと、
妻がぽつりと呟きました。


「でも本当に、笑われなくてよかった」

けんくら
「笑う人、いなかったじゃん」


「うん。でも、いると思ってたから」

夢を語ることの怖さは、
「笑われるかもしれない」という恐怖です。

それを乗り越えて口にしたとき、
受け入れてもらえた体験は、
何よりも大きな自信になる。

そして、創生ラボで出会った人のなかに、
後に妻の活動に深く関わることになる人がいたことを、
まだ二人は知らなかったのです。

おしまい!!!


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