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相手が疑っていたのは、私の実力ではありませんでした

こんにちは。安定収益の作り方について、起業や副業に関する考え方を配信している柴田謙吾です。

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独立してしばらくの間、私は何度かこう言われました。

「でも、一人なんですよね?」

悪気があって言われたわけではありません。それでも、返す言葉がありませんでした。

技術には自信がありました。仕事の進め方も、会社員時代にひととおり身につけたつもりでした。それなのに、この一言の前では何の役にも立たなかったのです。

今日は、あのとき相手が何を確かめようとしていたのか、という話をしたいと思います。


相手が心配しているのは、能力ではありません

最初のころは、この質問を「実力を疑われている」と受け取っていました。

だから、できることを一生懸命に説明しようとしました。実績を並べ、資格を伝え、対応できる範囲を丁寧に話す。それでも、相手の表情は変わりませんでした。

今ならわかります。相手が心配していたのは、私にできるかどうかではありません。

途中で投げ出さないか。体調を崩したらどうなるのか。数年後もこの会社はあるのか。担当者が一人だとして、その人が倒れたら誰が引き継ぐのか。

つまり、能力ではなく続くかどうかを見られていたのです。

発注する側の立場で考えれば当たり前でした。相手にも社内があります。「なぜあの会社に頼んだのか」と聞かれたとき、説明できる材料が必要なのです。

「信頼」と「信用」は別のもの

このあたりを考えるときに、私が区別しているのが信頼と信用です。

信頼は、人柄に対して寄せられるものです。感じがいい、誠実そうだ、話しやすい。人と会っていれば、比較的早く積み上がります。

一方で信用は、「この人は、やると言ったことをやりきるだろう」という判断です。こちらは人柄では決まりません。過去の実績や、目に見える裏づけがあって初めて成立します。

たとえばコンビニでうまい棒を買うとき、私たちはメーカーの社長を信頼して買うわけではありません。あの商品が今まで問題を起こしていないという、積み重なった事実を信用して買っています。

独立したてのころの私は、ここを取り違えていました。人に好かれれば仕事は来るはずだ、と思っていたのです。

実際には、信頼されていても、信用がなければ発注はされません。「いい人だと思うけど、うちの案件を任せるのは怖い」という状態は、普通に起こります。

信用は、口ではなく行動でしか示せない

では、信用はどうやって示すのか。

私が出した結論はシンプルで、行動で示すしかないということでした。

具体的には、こういうことです。

・ホームページを作る
・事務所を構える
・人を雇う
・資格を取る
・求められれば決算の内容を開示する

並べてみると、当たり前のことばかりです。ただ、これらに共通しているのはどれもお金と手間がかかるという点だと思っています。

言葉はいくらでも並べられますが、費用と労力は簡単には投じられません。だからこそ、相手はそこを見ます。「この人は、どれだけこの事業に投資しているのか」という一点です。

本気度は、宣言ではなく支出と行動に表れます。「本気でやっています」と百回言うより、事務所の住所が一行あるほうが伝わってしまう。悔しい話ですが、そういうものだと受け入れました。

ただし、格好だけ整えると足元をすくわれます

とはいえ、形から入ればいいという単純な話でもありません。

私自身、事務所を借りるときに確認不足で痛い目に遭いました。契約内容の細かいところを詰めないまま話を進めてしまい、思っていた条件と違う部分が後から次々に出てきたのです。稼働までに想定以上の時間もかかりました。

格好をつけるための出費は、固定費として毎月のしかかります。売上の裏づけがないまま見栄で広げると、今度はその固定費に判断を歪められます。

ですので、順番としてはお金のかからない行動からだと思っています。

ホームページやオンライン上の会社情報を整える。連絡先を明記する。問い合わせへの返信を速くする。実績を一件ずつ載せていく。この程度のことでも、「ちゃんと運営されている」という印象はかなり変わります。

いちばん安く積める信用は、続けることです

そしてもうひとつ、費用がほとんどかからないのに効く方法があります。

続けることそのものです。

私は情報発信を続けていますが、これは内容が優れているから信用になるのではないと思っています。止めずに出し続けているという事実のほうが効いているのです。

取引先へ定期的に案内を送るのも同じです。一回送って反応がないとやめたくなりますが、間隔を空けずに届き続けると、あるとき「まだやっているんですね」と言われます。あの一言が出た時点で、こちらは覚えられています。

信用の正体は、結局のところ「投げ出さない人だ」という判断材料の蓄積です。だとすれば、いちばん確実な方法は、地味なことを止めないことになります。

一人であること自体は、弱点ではありません。問題は、一人であることが「いつ消えるかわからない」に見えてしまうことのほうです。それを打ち消せるのは、続いている事実だけだと思っています。

まとめ

「でも、一人なんですよね?」という言葉は、実力への疑いではありませんでした。途中で投げ出さないかを確かめられていただけです。

人柄に対する信頼と、やりきると判断される信用は別のものです。信頼されていても、信用がなければ発注はされません。

そして信用は、説明では積めません。ホームページ、事務所、雇用、資格、開示。どれもお金と手間がかかるからこそ、本気度の証明になります。

ただし見栄で広げると固定費に苦しみますから、まずは費用のかからない行動から。そのうえで、いちばん安く積める信用は止めずに続けることだと考えています。

急がば回れ、です。今日できる地味な一手を、来月も再来月も続けているかどうか。相手が見ているのは、たぶんそこだけです。

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