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「単価いくらが正解か」を考えている限り、値段は決まりません

こんにちは。安定収益の作り方について、起業や副業に関する考え方を配信している柴田謙吾です。

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「値段って、いくらに設定すればいいんでしょうか」

これは、独立したばかりの方からいちばんよく受ける質問かもしれません。

多くの方は、同業の方のホームページを見て決めようとします。あの人が五万円だから、実績のない自分は三万円くらいだろうか。だいたい、そんな決め方になります。

私はこう聞かれたとき、相場の話をする前に、電卓を一度だけ叩いてもらうようにしています。やってもらうのは、掛け算でも引き算でもなく、割り算です。

その値段で、一年間に何人のお客様が必要になるのか。ここを数えるだけで、価格の話は驚くほどはっきりします。

目標の金額を、単価で割ってみる

仮に、一年でこれくらいは売り上げたい、という金額を決めたとします。ここでは分かりやすく、年に一千万円としておきます。

この金額を、考えている単価で割るだけです。

・単価一万円なら、一千人
・単価五万円なら、二百人
・単価十万円なら、百人
・単価三十万円なら、三十四人
・単価百万円なら、十人

同じ一千万円なのに、見えている景色がまるで違います。

一千人という数字を見た瞬間に、「これは一人では無理だな」と分かります。月に八十人以上、ずっと途切れずに買ってもらい続ける計算です。逆に三十四人なら、月に三人ほど。これなら手が届きそうだ、という感覚になるはずです。

不思議なもので、「単価いくらが正解か」と考えているうちは答えが出ません。ところが人数に置き換えたとたん、自分にできそうかどうかが一瞬で判断できます。

売上は、単価とお客様の数の掛け算でしかありません。片方だけを眺めていても、決められないようにできているのです。

薄利多売は、いちばん資源のない人が選ぶ道ではない

ここで、もうひとつ考えていただきたいことがあります。

一千人に売る商売と、三十四人に売る商売では、必要なものがまったく違います。

一千人を集めようと思えば、広告を出す資金が要ります。何度も接触するための仕組みも要ります。問い合わせに対応する人手も要ります。安い商品を大量に売るというのは、実は体力のある側のやり方なのです。

ところが独立したばかりの方は、この一番大変な道を選びがちです。知名度もなく、資金もなく、時間も限られている。その状態で、いちばん人数が必要なやり方を選んでしまう。

気持ちは、とてもよく分かります。安くすれば買ってもらえそうな気がしますし、高い金額をお伝えするのは、はじめのうちは怖いものです。

ただ、割り算をしてみると、その選択が自分の首を絞めることが数字で見えてしまいます。一人で動く前提であれば、単価を上げるほうがはるかに現実的です。

安い値段は、優しさではありません

値段を下げると、お客様に喜ばれるように感じます。実際、その場では喜ばれます。

けれども、そのあとに何が起きるか。

数をこなさないと売上が立たないので、一件あたりにかけられる時間が減ります。時間が減れば、当然、仕上がりの質も落ちます。質が落ちれば、次の依頼も紹介も生まれにくくなる。そしてまた、数で埋めようとする。

私は、見積もりを値切られて受け入れた結果、作業だけが重くなっていったことが何度もあります。あのときは相手のためになると思っていましたが、振り返ればお互いにとって良くない選択でした。安く請けることは、共倒れへの入り口です。

値下げというのは、渡す価値はそのままで、自分の取り分だけを削る行為です。それはサービスでも優しさでもなく、ただの先送りだと考えるようにしています。

単価を上げるために必要なのは、値札ではなく中身

とはいえ、値札を書き換えれば売れるという話ではありません。ここを飛ばすと、ただの「高い人」になってしまいます。

お客様が支払いをためらう理由の大半は、支出そのものです。だから、払う金額よりも受け取るものが明らかに大きいと分かれば、断る理由が消えます。値段を下げるのではなく、渡すものを積み上げる。順番はこちらです。

そのために効くのが実績です。ただ、駆け出しの頃にそれを求められても困りますよね。

実績がまだ薄いうちに、その穴を埋められるものがひとつだけあります。結果に対して、どこまで責任を持つと言い切れるか。私はこれを誠意と呼んでいます。

どこまで伴走するのか。うまくいかなかったときにどうするのか。ここをはっきり言葉にできる人は、実績が少なくても選ばれます。逆に、ここが曖昧なまま金額だけ高い人は、どれだけ立派な資料を作っても選ばれません。

算数は、方向を決めてくれるだけです

最後に、正直なところをお伝えしておきます。

私自身、独立する前に二十万円から三十万円ほどのパッケージ商品を作っていた時期があります。単価としては悪くない設計でした。ところが、二年近くほとんど売れませんでした。

理由は値段ではありませんでした。誰に向けて、どんな状態になってもらう商品なのかが、自分の中で決まっていなかったからです。値札だけ整えても、中身が誰のものか分からなければ、人は動きません。

ですから、割り算にできるのはここまでです。数字が教えてくれるのは、正解ではなく「その設計では無理がある」という一点だけ。

ただ、これが分かるだけでも十分に価値があります。多くの方は、無理のある設計のまま何年も走り続け、努力が足りないのだと自分を責めてしまうからです。

頑張っても届かないとき、足りないのは気合いではなく、たいてい設計のほうです。

まとめ

価格を決めるときは、相場を眺める前に割り算をしてみてください。目標の金額を単価で割れば、一年に何人のお客様が必要なのかが出ます。

単価が低いほど必要な人数は増え、その人数を集めるには資金と仕組みと人手が要ります。ひとりで始めたばかりの方にとって、いちばん資源が要る道を選ぶ理由はありません。

安く請けるのは優しさではなく、時間と質を削って共倒れに近づく選択です。下げるのではなく、渡すものを積む。そして実績が薄いうちは、結果にどこまで責任を持つかを言葉にする。

そのうえで、割り算が教えてくれるのは方向だけです。誰に何を渡すのかが決まっていなければ、どんな価格でも売れません。それでも、無理のある設計を早い段階で弾けるという意味で、この電卓一回分の手間は割に合うと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました~

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