経審のX1・X2点を改めて見直す|規模を支える数字の整え方
「W点改正で姿勢が大事になるなら、X1・X2点は気にしなくていいのでは?」
W点改正の話をしたあと、こういう質問を受けることがあります。
結論から言うと、X1・X2点は改正後も土台として重要です。
むしろ、姿勢に説得力を持たせる「規模」としての意味が増します。
今回は、改正後の視点で経審のX1・X2点を改めて見直します。
✅ 結論:X1・X2点は規模と利益の積み上げを示す土台。改正後も変わらず重要
📌 ① X1・X2点とは(簡単におさらい)
経審のP点は、X1/X2/Y/Z/Wの5つで構成されています。
そのうち、X1とX2は「経営規模」を示す点数です。
X1点(完成工事高):P点全体の25%
X2点(自己資本額・利益額):P点全体の15%
合わせてP点の40%を占めます。
改正で変わるW点(15%)より、ずっと大きな割合です。
📌 ② 改正後の文脈で、X1・X2点はどう見るか
W点改正で「会社の姿勢」が点数になる方向に変わります。
ただ、姿勢を裏付けるのは「事業規模」と「経営の体質」です。
自主宣言制度で「人材育成に投資する」と宣言したとして、 売上規模が小さすぎる/利益剰余金が積み上がっていない、では宣言に説得力がありません。
つまり、姿勢(W点)/規模(X1)/積み上げ(X2)/実態(Y点)は、全部つながっています。
📌 ③ X1点(完成工事高)を動かす
X1点は、損益計算書の完成工事高で決まります。
直前期だけでなく、2年平均・3年平均でも評価されます。
社長が今期中にやるべきことは、3つです。
⑴ 目標完成工事高を設定する
「去年より少し増やす」ではなく、 「狙う発注者の格付・等級から逆算した目標」を設定します。
⑵ 月次で予実管理する
目標と実績の差を毎月確認し、 受注活動の量・質を月単位で調整します。
⑶ 元請比率を上げる
同じ工事量でも、元請工事の方が完成工事高として計上されます。 元請を取りに行く力を整えることが、X1改善につながります。
📌 ④ X2点(自己資本額・利益額)を動かす
X2点は、2つの数字から計算されます。
⑴ 自己資本額(純資産合計)
毎期の利益を残し、利益剰余金を積み上げることで増えます。
短期では大きく動かせません。3〜5年の積み上げです。
⑵ 利益額(利払前税引前償却前利益・2年平均)
営業利益+減価償却実施額の2年平均です。
本業で安定した利益を出すことが土台です。
社長が今期中にやるべきことは、2つです。
⑴ 営業利益を残す
赤字工事を放置しない/粗利の薄い案件を取らない/外注費・材料費の膨らみを止める。
⑵ 販管費・役員報酬を管理する
営業利益が出ていても、販管費や役員報酬で使いすぎると、経常利益・当期純利益が残りません。
節税のために利益を消すと、自己資本も積み上がりません。
📌 ⑤ 規模・姿勢・実態は三位一体
W点改正後の経審で評価される会社像は、こう整理できます。
W点(姿勢):会社として何に取り組むか
Y点(実態):経営の体質を数字で示す
X1・X2点(規模・積み上げ):姿勢に説得力を持たせる土台
この3つは別々ではなく、つながっています。
X1・X2点を整えることは、経審のためだけではありません。
銀行評価、入札参加、人材確保。 すべてに「規模」と「積み上げ」が効きます。
📌 まとめ
・X1・X2点は改正後も変わらず重要(P点の40%を占める土台)
・X1点は目標完成工事高の設定と月次予実管理/元請比率向上で動かす
・X2点は営業利益を残す/販管費を管理することで利益剰余金が積み上がる
・W点(姿勢)・Y点(実態)・X1X2点(規模)は三位一体
W点改正で「姿勢」が点数になる方向だからこそ、 その姿勢を裏付けるX1・X2点の意味が増しています。
次回予告
次回は、「W点改正に向けて、社長が今期決算で意識したい3つの数字」を整理します。 改正前後の決算で押さえたい財務指標と判断ポイントを、行動レベルで整理します。
※「経審対策や財務の整え方を一緒に確認したい」方はこちらからご相談ください。 自社の経審状況の整理から、今期中の対策まで一緒に考えます。
※本記事は2026年6月時点の情報です。制度改正等により取扱いが変わる場合があります。
