経審も銀行も、見ているのは同じ数字です
「経審の点数を上げたい」 「銀行からの評価を上げたい」
この2つを別々の課題として考えている社長は多いと思います。
実は経審と銀行評価は、同じ財務指標を整えることで両方に効きます。
今回は、なぜそうなるのか、背景から整理します。
✅ 結論:経審と銀行評価は「同じ観点」で会社を見ている
経審(発注者)も銀行も、見ている本質は同じです。
「この会社は継続して事業を行える健全な会社か」
発注者は工事を発注して大丈夫かを判断したい。
銀行は貸したお金が返ってくるかを判断したい。
目的は違いますが、判断するための観点が共通しています。
だから使う財務指標も重なるのです。
📌 ① なぜ観点が共通するのか
発注者が経審を使う理由は、 工事を依頼する会社が途中で倒産したり、 経営が不安定になったりするリスクを避けるためです。
銀行が決算書を見る理由は、 貸したお金を返済できる力があるかを確認するためです。
どちらも突き詰めると、
「この会社は財務的に健全で、継続して事業を行えるか」
という同じ問いに行き着きます。
この共通した問いに答えるために、 両者は似た財務指標を使って判断しています。
📌 ② 共通して見られている観点と指標
⑴ 会社の安定性(自己資本の厚み)
返済不要な自己資本がどのくらいあるかを見ます。
自己資本が厚いほど、財務的に安定していると判断されます。
・経審:自己資本比率/自己資本対固定資産比率
・銀行:自己資本比率
⑵ 収益力(本業で稼げているか)
本業でしっかり利益を出せているかを見ます。
利益が安定して出ている会社は、 経審でも銀行でも高く評価されます。
・経審:売上高経常利益率/総資本売上総利益率
・銀行:売上・利益の推移
⑶ キャッシュを生み出す力(利益がお金に変換されているか)
利益が出ていても現金が残っていない会社は、 どちらからも不安に映ります。
本業で実際に現金を生み出せているかを見ます。
・経審:営業キャッシュフロー
・銀行:営業キャッシュフロー
⑷ 借入負担(返済能力に無理がないか)
借入の負担が重すぎないか、 返済能力に無理がないかを見ます。
・経審:純支払利息比率/負債回転期間
・銀行:債務償還年数
📌 ③ 財務指標を整えると両方に効く
⑴〜⑷の観点はいずれも、 今期中の経営判断で改善できるものです。
利益を残す → 収益力が改善する → 経審Y点(売上高経常利益率など)UP → 銀行の売上・利益評価UP
自己資本を積み上げる → 会社の安定性が高まる → 経審Y点(自己資本比率)/X2点UP → 銀行の自己資本評価UP
本業でキャッシュを生み出す → 営業キャッシュフローが改善する → 経審Y点UP → 銀行評価UP
借入負担を重くしすぎない → 返済能力の健全性が高まる → 経審Y点(純支払利息比率/負債回転期間)UP → 銀行の債務償還年数評価UP
まとめ
・経審と銀行はどちらも「継続して事業を行える健全な会社か」という同じ観点で見ている
・だから使う財務指標が共通する
・会社の安定性/収益力/キャッシュを生み出す力/借入負担の4つが共通の観点
・財務を整えることは経審対策と銀行対応を同時に進めることになる
経審対策と銀行対応を別々に考える必要はありません。
財務を整えることが、両方の評価を同時に上げることにつながります。
📌 次回予告
次回は、「なぜこの会社で働くのか|経営理念が社員と会社をつなぐ」を整理します。
数字を整えることと同じくらい大切な、経営理念の役割について考えます。
※「経審の点数を上げたい・銀行評価も改善したい」方はこちらからご相談ください。 財務指標の確認から、経審と銀行対応の改善順序を一緒に整理します。
※本記事は2026年4月6日時点の情報です。 制度改正等により取扱いが変わる場合があります。
