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【設計者インタビュー】赤い三角屋根の駅舎を未来へつなぐ ― 左官職人の手仕事で甦る国立のランドマーク


「何風」にしない、土地に寄り添う設計を。

JR中央線・旧国立駅舎の再築プロジェクトは、築90年超の都内最古の木造駅舎を「赤い三角屋根の駅舎」として甦らせるために、解体材の7割以上を再利用しつつ、防火や耐久性といった現代の性能も満たすことに挑んだプロジェクト。左官職人と設計者が現場で議論を重ねながら仕上がりを追求した経緯を佐田野氏と薬師寺氏に伺った。


インタビュイー紹介

株式会社竹中工務店 東京本店
設計部/佐田野 剛(左) 薬師寺 浩(右)

1610年(慶長15 年)の創業以来、建築を専業とし、ランドマークとなる数多くの建築物を手掛けている。その活動は建築の枠を超えて、まち づくりへと広がっている。


商品紹介

  • 採用商品:弾性パレットクリーム HG 

  • 用途  :外壁面


インタビュー

■大正時代の仕上がりを目指し試行錯誤

プロジェクトが始動した経緯について、竹中工務店設計部の薬師寺さんが語る。

「JR中央線の高架化工事の支障になることから、木造駅舎の撤去計画が浮上しました。しかし、住民から保存を望む声が寄せられ、再築を前提に解体部 材を国立市が保管することになりました。再築費用として、多くの地域住民から寄付が集まり、事業を後押ししました。ただ、都内の駅前なので木造で作ることができない。防火規制があり、建築基準法の適用除外を受けるため東京都とも協議を重ねました」

小さい建物だが、できるだけ丁寧に復原しようと考えた。

「建設当時の大正時代に使われていた建築部材をできるだけそのまま再利用しようと考えました」

しかし、当時の部材を使用することは難しい。

「文化財として、昔の材料をできるだけ使うことを目標とし、1本1本確認して7割以上を再利用しました」

同設計部の佐田野さんは語る。

「木造なので結構腐 食していたのですが、宮大工の加工場に古材を運び、傷んだ部分を削り、新材を継ぎ足すという『繕い』で古材を伻らせました」

構造体の大半は復原を図ったが外壁仕上げは残せなかったので、解体時に残された壁の一部を参考に検証していくことになったそうだ。


■「復原」への強いこだわり

「当時外壁に使用されていた木造モルタルに近い仕上がりを目指しました」

と薬師寺さん。

四国化成の製品を選んだ理由については
「以前にも このようなリノベーション物件で使用したことがあったので、弾性パレットクリームを採用しまし た。目指したのは、昔の左官屋さんの手仕事と同じような風合いの仕上げ。当時の職人の手跡を再現するのは難しい。残された壁面を参考に作るのですが難しかったですね。当時の雰囲気 を出すにはどうすればいいか・・・。現場で職人さんと議論を重ねて作業しました」

佐田野さんもその難しさについて

「目地を入れない左官仕上げは難しいが、四国化成さんの素材は適していました。当時の写真はモノクロしか残っていないですが真っ白ではないですね。だから、あまりきれい過ぎる仕上げだと本物に近づかない。でも、つぎはぎだと意匠性が損なわれるので、面は手早く継ぎ目のない仕上げとする必要がありました。工程管理をかなり徹底しましたね」

壁は揺れに対して動くので、ひび割れがないよう追従性能も考慮したそうだ。

「左官塗り作業は同じ面を二人組で仕上げていました。年配がメインで、若い人がサ ポートでつく。細かいところは年配の方がやっていましたね。そこでは技術の伝承が行われていました。細い溝などの再現に関しては、普段は使用しないスプーンに似た道具も使っていました」


■国立市の人に今後も愛される駅舎へ

「赤い三角屋根の駅舎」は国立の住民にとって 記憶に残っており、愛着も深い。佐田野さんが言う。

「ここは今、市役所の出張所であるのと同時に、市民の憩いの場として人気です。駅前で、座って待つことができる場所というのもなかなかないので。皆さんで楽しく使っていただいています」

竹中工務店としても、レガシー 事業としてこのような古い建物を活かすサポートを行っている。

「昔のものを、昔のまま建てるとやはり安全面で課題が出ます。そういう意味で質感も残しながらも性能も高い、四国化成さんの材料はすごく貴重で助かります」


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