カスメドリ🦤組織を破壊する白いペリカンにご用心
ー組織を食い散らかす「カスメドリ」

あるところに、魚がよく獲れる美しい池がありました。
そこでは先代から続く「石の配置」によって、川の流れが完璧に制御され、いつでも新鮮な魚が獲れる仕組みができていました。
ある日、池のオーナーは思いました。
「もっと効率的に魚を獲れないか? 最新の知識を持ったやつを呼ぼう」
そこに現れたのが、真っ白な羽に高価なネクタイを締めたコンサルタント、ペリカンの「カスメドリ」です。
1章:石を動かすということ

カスメドリは池を一瞥すると、すぐに言い放ちました。
「オーナー、今の配置は古臭い。この石を動かせば、魚は倍獲れます」

彼は胸元からピカピカに光る「国際石配置認定協会・プラチナコンサルタント」のバッジを見せつけました。
現場のベテラン鳥たちが「それは魚の通り道です!」と必死に諫めましたが、カスメドリは鼻で笑います。
「君たちは古い固定観念に囚われているんだよ。構造改革には痛みが伴う。」
2章:免疫の排除

カスメドリの指示で石が動かされると、当然ながら漁獲量は減りました。
しかし、カスメドリは自分の非を認めません。
「オーナー、これは現場の鳥たちがサボっているからです。特に、あのベテランの鳥。あいつが私の戦略を邪魔している。排除しましょう」
オーナーは、既に高いコンサル料を支払っていたので、今さら引き返せません。
カスメドリの権威を信じて、現場の知恵そのものだったベテラン鳥をクビにしました。

次に、その不当な解雇を告発しようとした有能な若手が現れると、カスメドリは冷ややかに言い放ちました。
「君は反抗的で生意気だ。私の改革の邪魔にしかならない。君も辞めてもらう」
こうして、池の仕組みを理解している者と、それを正そうとする者が次々と消えました。
池には、カスメドリの命令にただ黙って頷く者だけが残されました。
3章:とどめの一手

さらに漁獲量が落ち込む中、カスメドリは池の底で水の循環を支えていた、ひときわ綺麗で滑らかな「要石(かなめいし)」を見つけました。
「これだ。これが全ての原因だ」
周囲が「それはこの池の心臓では?」と震え声で聞いても、カスメドリは鼻で笑います。
「いいかい、僕の前の前の職場では、こんな形の石を撤去しただけで劇的に数値が改善したんだ。成功体験というやつだよ。古い常識に縛られていては、この池に未来はない」
カスメドリは、何の躊躇もなくその石をひょいとくちばしで拾い上げ、池の外へ放り投げました。
4章:淡々とした崩壊

翌朝、池の魚は一匹残らず姿を消しました。水は淀み、池はただの静かな泥水へと変わっていました。
オーナーが呆然とする横で、カスメドリは溜息をつきます。
「やれやれ……やはり、ポテンシャルがなかったな。環境が悪かったのか、私の助言を理解できない君たちの知能のせいか」
彼は泥に汚れた羽をパタパタと払い、何食わぬ顔で次の池を探しに飛び立っていきました。
かつて魚が跳ねていた池には、カスメドリがひょいと取り去った要石の跡だけが、ぽっかりと空いていました。
おしまい。
おわりに

組織の改革をする時に、外部からコンサルタントや知識層が入ってくることは珍しくありません。
社長やオーナーの知り合いだったり、別の業種の役職の高い人が来ることもありますが、改革自体は決して悪いことではありません。
ですが、どれだけ立派な経歴や、資格を持っていたとしても現場の事を把握しているか、業界をしっかり理解しているかは全くの別物です。
彼らの施策は、ときに現場でうまく回っていた仕組みまで壊してしまいます。
それだけでなく、現場の声に耳を貸すことなく、その失敗の責任を現場へ擦り付けることも多々あります。
ヒョイっと要石を拾い上げて手遅れになる前に、気づきたいものですよね。
あなたの周りにカスメドリは飛んでいませんか?
次にやって来るのはあなたの職場かもしれませんね。
かえる店長🐸
