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映画『教皇選挙』コンクラーベ解読~Decode~ ネタバレ有り

アカデミー賞8部門ノミネート「脚色賞」

受賞教皇を決めるコンクラーベを題材にした「教皇選挙」。
次々と紐解かれてゆく各枢機卿の真実、飽きさせない展開、あっという間の2時間。
映画としても面白かったうえに、象徴的に見るともっと興味深いことが解る。もっといえば、この先の未来が解ってしまう。

映画の中には「近い未来の見本」となるような「予見的かつ刷り込み的」な映画が存在します。
そういう映画は、近い未来に常識化したいことを演じます。

そんな事言われると、読み解きたくなってきますよね~。

しかし、これは象徴的な知識がないと読み解けないです。
そんな「教皇選挙」を解読~Decode~していきます。
あなたはどこまで読み解けましたか?

これは選挙か、戦争か。

導入

バチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。
悲しみに暮れる暇もなく、ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。
世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、
システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。
票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々にローレンスの苦悩は深まっていく。
そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……。

教皇選挙ホームページより

あらすじ


この物語は教皇を決めるコンクラーベに6人の有力枢機卿の、それぞれの思想やスキャンダルが入り乱れて混沌とします。
映画では、その事実が次々と明らかになっていき、最後には無事新たな教皇が誕生します。
観客は、コンクラーベを遂行する「管理者」となったトマス・ローレンスの目線で選挙を見ていくことになります。

トマス・ローレンス

コンクラーベ


ラテン語で『cum clavi』、鍵がかかったという意味。
外界の情報を一切遮断されたシスティーナ礼拝堂に閉じ込められて行われます。さながら監獄。

2005年以前は、新教皇が選出されるまでは礼拝堂から出ることを禁じられていたが、現在は何日も拘束されることはなく、毎日バチカンに新築されたサン・マルタ館という宿舎で生活しながら、システィーナ礼拝堂に投票に赴きます。
映画ではそのあたりも再現されています。


有力枢機卿たち


各枢機卿はそれぞれ、わかりやすいキャラクター像が描かれています。

相関図

テデスコは、旧体制の伝統を重んじる伝統主義者で、キリスト教こそ唯一の宗教であり、そのためなら宗教戦争を起こしても厭わないというレイシスト。
アデイエミは、テデスコほどではないがきわめて保守的で、教皇に選ばれれば初の黒人教皇。
トランブレは有力候補だが、汚職の影がちらつく候補。他候補のスキャンダルも握っていた。
ベリーニは、リベラルな穏健派だが、思ったように票が集まらない。
ベニテスは、昨年に前教皇によって新たに任命されたばかりで、コンクラーベに突如現れたアフガニスタンの枢機卿。
そして、野心はないが、裏で信仰に関する悩みを抱えるトマス・ローレンス


実際にバチカンやカトリック教会内であった不正や汚職が巧みに取り入れられおり、その一つ一つを削ぎ落していくようなストーリーになっています。


この先注意!

ここから先は、おおいにネタバレしますので、まだ見ていない方はご注意を!ぜひ自分の目で見てから進むことをお勧めします。教皇を決める選挙と言いながら密室ミステリー的な濃厚なストーリーはご自身の目で!


聖書との繋がり


疑り深いトマス

トマスといえば、疑り深いトマスとして有名。
イエスが復活した際、イエスのわき腹の傷に自分の手を差し込んで、その身体を確かめたと伝えられていますね。
(新約聖書「ヨハネの福音書」第20章24–29節)


そんなトマスが、教皇候補の枢機卿の思惑や私欲を、次々と明かしていきます。
実は主人公トマス・ローレンスの名前は、原作では違いますが、映画版での名前は、役柄とネーミングがぴったりですよね。

システィーナ礼拝堂

撮影場所は、システィーナ礼拝堂で出来るわけもなく、セットとして再現されています。凄いですよね~。
画面の中にはミケランジェロの「最後の審判」も見られますが、あまりアップには寄ってない感じでしたw。
もっと、たくさん見たかったんですけどね。

作中でアップになった最後の審判

この作中でアップになった部分は、最後の審判の右側。
最後の審判は、左側には天国へと昇天していく人々が、右側には地獄へと堕ちていく人々が描写されています。

作中のアップされた部分は、まさに足を引っ張って地獄に突き落とすような、辟易とした選挙の様子を現していたようです。

最後の審判


ローレンス
の演説のバックには『ミゼレーレ』も流れていました。歌唱曲ミゼレーレは、システィーナ礼拝堂以外で歌ってはいけない門外不出の秘曲でした。子供だったモーツァルトが2度の礼拝で完コピした曲といわれています。
システィーナ礼拝堂に流れるミゼレーレ。感慨深いですね。

バベルの塔

聖職者の選挙とはいえ、思惑が絡み派閥化する枢機卿たち。
作中に出てきた食事のシーンでも、言語によって派閥が出来ている構図が描かれていました。
まるで旧約聖書(「創世記」第11章1–9節)のバベルの塔の神話のように、異なる言語でバラバラにされた人類を描いているようでした。


象徴的な数字


前教皇は、チェスで手先を読むほどの、頭脳にたけた人物でした。その教皇が亡くなったのは11:30頃。
そして、世界各地から108人の枢機卿が投票のためにバチカンのシスティーナ礼拝堂に集う。
72人の得票を得られれば、教皇に選ばれる。

象徴的な数が現れるは多々あるのですが、よく知らない方のために、いくつか‥

・カバラ的に言うと1130は、113と同義。
 11:3と言えば、自然界の重要な比率。
 地球の直径と月の直系など、多くの自然界に現れる比率。

角形の内角の和は1080°

・太陽の直系864000マイル(108×8)
 月の直系2160マイル(108×2)
 月の直系は地球の直系7920マイルを足すと10080マイル

72は時間の象徴
 地球の歳差周期は25920年です。
 その周期を円の数360で割ると「1度」は「72年

72が時間の象徴であることは、下記の霜月やよいさんの記事を読んでみてくださいね。


「え?なんでその数字が大事なの?」と、さらに深掘りしたくなったあなたは、3の大切さを教えてくれる、同じく霜月さんの動画をご覧になって下さい。


映画の冒頭に出てきた数字が、意図したかのように象徴的な数字ばかりでした。これは、何かわかっている人達が喧伝するメッセージがありそうです。


荒れる教皇選挙


清廉潔白である枢機卿のはずだが、聖職者の言葉とはうらはらに、厚顔無恥な一面や、影の部分が露呈されてゆく。

トランブレはアデイエミ潰しのネタになるシスターを招致。思惑通り、過去の過ちによりアデイエミは争いから脱落。そのトランブレは汚職まみれで、聖職売買(シモニア)もしていた。テデスコを断じて教皇にしたくないベリーニは、トランブレに協力をしてしまう。

その最中、トマス・ローレンスは、亡くなった教皇の閉ざされた部屋に入り、ベッドの「から、トランブレの汚職の証拠となる文書を見つけ出す。まさに疑り深いトマスのエピソードのようです。
ローレンスは、その文書を白日の下にさらしトランブレは脱落。
最後に残った、排外主義的なテデスコは、宗教戦争も辞さない過激な発言を繰り返す。
しかし紛争地域で聖職を全うしてきたベニテスが「本当の戦争を知っているのか?」と、全員に訴えかける‥。


新教皇誕生


ベニテス枢機卿


アフガニスタン・カブール教区のベニデス枢機卿。アフガニスタンは、99%以上がイスラム教(特にスンニ派)の国。
そんなベニテスが最終的に教皇に選ばれる。

映画的には「やっぱりこの人になったか~」と感じますが、ローマ教皇にイスラム圏の人物が選ばれるという劇的な結末は、キリスト教徒からすると衝撃ですよね。

アフガニスタンの緯度をご存じでしょうか?

緯度33°


緯度33度には、ギザのピラミッド、古代バビロニア文明、シリアのウマイヤド・モスクなど、重要な土地や施設がいくつもありますね。
なぜなら、フェニキア人が33度に沿って都市国家を築いたからです。バイブルの語源のビブロスもフェニキア人の都市。

同じ緯度にあるアフガニスタンから来たといえば、着目したくなりますよね。

北緯33度線

33にまつわる興味深いスレッド



突然の亀


最も印象的で象徴的だったのは、突然現れた
新教皇が決まった後のシーンでは、教会の中に1匹の亀が現れます。
中庭の池からやってきたみたいですが、あなたはどのように読み解きますか?

教会内に入ってきた亀


亀は太陰暦の象徴です。
月は約28日で地球を一周します。つまり、1年で月は約13回移動し、月13か月、それぞれ28日になります。便利なことに、カメの殻を調べると、1年の月の月数と太陰月の日数の同じパターンが見つかります。

亀の甲羅


キリスト教圏以外は、太陰暦(または太陰太陽暦)を使用しています。(イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、一部仏教、など)
いわば、キリスト教以外の宗教のシンボル
そんな象徴が、キリスト教の教会にいる。
それは、別々だった宗教や世界の国が統一されていくかのような構図に見えます。


そしてラストシーンの衝撃


そして、ラストシーンでは衝撃の告白があります。
ベニテスは男性の外見をしながら子宮を有している、雌雄同体(インターセックス)という特殊な人物だったのです。

実は先ほどの亀も、男根を表す頭と、女性を表す丸い甲羅を持ち合わせているので、両性具有の象徴でもあります。(イメージシンボル辞典より)

そんなベニテスは「男女平等、LGBT、ポリティカル・コレクトネス」を現す人物と言えます。

表向きは男女平等のメッセージですが、裏の意味は「性別の排除」です。素晴らしい新世界のように性別の関係ない世界にするための、「性別なんて関係ない」という概念の形成のためのものです。そうなれば管理しやすいですからね。

「なんだ、結局ポリコレ映画かよ」ではありません。
ここからが、もっと重要。

実は原作では「新教皇は女性だった」という結末なのですが、あえて雌雄同体という脚色がされています。ジェンダーレスがメッセージだとするなら原作のままで良かったはずです。それが意図的に変更されています。

象徴的に読み解けば、
「男性の△と、女性の▽の両方を併せ持つ」
六芒星(ユダヤ教の象徴)の暗示。

ダヴィンチ・コードでも重要なシンボルとして出てきましたよね。男性の象徴と女性の象徴。

六芒星

注目すべきは、六芒星の中に描かれた六角形
亀の甲羅も六角形ですよね。
この形から見えてくるのは、六芒星に秘められた正六面体。

六芒星に秘められた正六面体

メッカにあるカアバは正六面体。正六面体を展開すれば十字架。元は同じ象徴。

全部の宗教は基本的にユダヤ教から派生しています。そして最終的にユダヤ教に戻るという示唆。
ワンワールドが見えてきませんか?


一つの宗教、一つの政治、一つの世界


そうなると、冒頭の食事のシーンでバラバラになった人類「バベルの塔の暗喩」が、伏線だったとわかります。

ベリーニが「これは戦争だ」と言っていたこの教皇選挙。
戦争が終わると、やってくるワンワールド。

これは選挙か?

グレートリセットの後にやってくる真っ赤な世界観。

この映画がワンワールドな未来の世界の暗示だとしたら‥?
10年後に、「あの映画ってまさに今の事を予見していた映画だよね」なんて‥


最後のダメ押し「インノケンティウス」


ヴィンセント・ベニテス枢機卿は新教皇に選出された後、「インノケンティウス14世」という教皇名を選びました。
イノセンスと同じ語源の「無垢・無害」を意味する名前。
一見素晴らしい名前だが、歴史を見るとそうではない。

インノケンティウスで最も有名な教皇は3世。

インノケンティウス3世

ローマ・カトリック教会が最大の権力を持った時代の教皇。インノケンティウス3世の活動には、政治と強く結びついており、宗教指導者であると同時に強大な政治権力者でもありました。第4回十字軍を提唱し、少年十字軍の悲劇を生んだ。さらには、イングランドとドイツの国王を破門にするという絶大な権力を誇示していました。

またインノケンティウス8世は魔女狩りや異端審問や聖職売買をした悪名高き教皇でもあります。

インノケンティウス8世

同時に親族登用、派手な女性関係など、堕落した中世的な教皇の典型。贅沢を尽くし、乱れた私生活を送っていた教皇として有名です。

ハッピーエンドで終わらせるはずのラストを、なぜこの名前にしたのか?疑問に感じませんか?

「インノケンティウス」、最大の権力を誇る、真っ赤な世界のリーダーの名前としてピッタリなのではないでしょうか‥⁉


新しい聖地のかたち


アブラハム・ファミリー・ハウス

アラブ首長国連邦アブダビにイスラム教のモスク、キリスト教の教会、そしてユダヤ教のシナゴーグの3つを1ヶ所に集めた宗教施設「アブラハム・ファミリー・ハウス」

この施設は2023年2月16日に落成しました。
ここにも象徴的な216が出てきました(6×6×6)。

私たちが知らないだけで、もう始まっているのかもしれませんね‥


所感


私は、この後にやってくるワンワールドをわざわざ喧伝してくれている映画だと読み解きました。
皆さんはどう感じましたか?

今回の記事作成にあたり、霜月やよいさんとnaruh_atさんにアドバイスを頂きました。数字や象徴学が気になる方はぜひ、霜月さんの記事も読んでみてください。他では取扱わないような題材の、naruh_atさんの記事も面白いですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました~。


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