マイケル・ジャクソンに学ぶ身体操作20:体軸リズムは「心と体」が選ぶ(後編)
(前編からの続きです)
5.マイケルの体軸リズムを観察しよう
下の「Rock with You」のMVを見ながら、マイケルがどのように音を選び、体軸リズムを変化させているのかを観察してみましょう。この動画は、衣装や動きも体軸リズムの観察に最適です。
この曲は、基本的に横揺れのグルーヴから始まります。体は自然に横方向の揺れを刻みますが、曲の中で入ってくる様々な音に合わせて縦方向の揺れも少しずつ加わり、体全体が整っていきます。ポイントは、新しい音が意識に上るタイミングで縦揺れが追加されることです。
縦揺れの変化と音の対応
0:42 – 「feel ♪ that ♪ heat ♪」の歌のリズムとドラムのキック音
横揺れのグルーヴに、肩や踵の微細な上下揺れが軽く加わります。ここで縦揺れが最初に意識に上り、体軸リズムの縦方向の基礎が整い始めます。0:53 – クラップ音
縦揺れが少し強くなり、体軸リズムの縦方向が明確になります。意識がこの音に上ることで、縦揺れが追加されるイメージです。1:09 – クラップ音が止む
横揺れが基本に戻りつつ、縦揺れは一時的に減少します。ここで体軸は柔軟な収束状態になり、次の揺れの準備が整います。1:33 – 「feel ♪ that ♪ heat ♪」の歌のリズムとドラム音
肩と踵の上下揺れが再び軽く加わり、体軸への収束が進みます。ここから自然にスピンへの下準備が始まります。1:44 – クラップ音
縦揺れがはっきり加わり、体軸の安定度が増します。体の内部で縦方向のリズムが意識に上っている瞬間です。1:59 – スナップ音
縦揺れを維持し、体軸リズムがさらに整います。この時点で、体全体が次の動きに向けて自然に準備されていることがわかります。2:03 – トランペットの短い音(「パッパッパ♪」)
胸の上から頭までの体軸リズムを外に放出させる働きがあります。頭蓋骨の重さを支えるバランスを整え、体全体がスピンに向けて準備されます。踵の上下揺れと骨盤の横揺れが連動し、縦揺れと横揺れが体内でまとめられる瞬間です。まさにスピンの下準備の完了。2:15 – 1回転のスピン
2:34 – スナップ音からクラップ音へ
縦揺れが強化され、曲の最後まで縦軸中心で体の動きが収束します。観ている人の体軸リズムも、この縦揺れの余韻で整っていきます。
6.まとめ:体軸リズムは「心と体」が選ぶ
「Rock with You」のMVを通して、曲中の様々な音を捉え、それに合わせてダンスが移り変わる様子を観察しました。この動きの変化は、その瞬間の心と体が選んだものであり、別の機会に同じ曲を踊れば、マイケルはMVとは少し違った動きをするはずです。
体軸リズムとは、単に「曲に従う自動的なリズム」ではなく、その瞬間の心と体が「この音に心地よく乗りたい」と選択することで生まれる動き――こうした視点でライブ映像を見返すと、マイケルの心の内側が、表情やダンスから透けて見えるかもしれません。
おまけ:体軸リズムを刻むには、スピーカーで聴こう!
イヤホンやヘッドホン:細かい音やニュアンスを見つけるのに最適です。「このシンセの響きが心地いい」「ハイハットのリズムが面白い」といった発見がしやすく、耳も自然に鍛えられます。
スピーカー:音の振動が体全体に伝わり、体ごとリズムを感じられるので、体軸リズムを自然に刻みやすくなります。
つまり、イヤホンで「音の発見」を楽しみ、スピーカーで「体ごとリズムに乗る」を体験する——この二段構えの聴き方で、音を楽しんでみてください。体軸リズムを刻む感覚がどんどん掴めるようになると思います。
次回は、マイケルの歌声の秘密に迫っていくための序章です。次々回が、マイケルとLinkin Park(チェスター)の体軸リズムを使った歌い方の違いについてです。
