「闇夜に刻まれた印」第三十三章:底の見えない旅人/《烙印於黑夜之印》第三十三章: 看不透的旅人(和訳付き)
はじめのあなたに
作者便り(26年6月)
前篇
日本語訳
【第三十三章:底の見えない旅人】
カルダ副団長の勘は、思っていた以上に鋭かった。
ただの顔合わせのはずだった約束は、
いつの間にか訓練場での手合わせへと変わっていく。
旅人を名乗る青年。
何度戦っても勝つのはカルダの方だ。
それなのに――
なぜか彼女には、
クレアがまだ何かを隠しているように思えてならなかった。
そしてクレア自身もまた、
カルダの追及以上に、
この地方騎士団そのものに違和感を覚え始めていた。
クレアは地方騎士団の応接室に座っていた。
目の前のテーブルには、一杯のコーヒーが置かれている。
彼はカップを手に取り、一口飲んだ。
やはり苦い。
脇には角砂糖がいくつか添えられていたが、結局手は伸ばさなかった。
そもそもコーヒーは眠気覚ましのために飲むものだ。
それに、砂糖だってタダではない。
たかが数個の角砂糖とはいえ、
たくさん入れれば少し心が痛む。
もっとも——
わざわざ角砂糖まで用意されているということは、
騎士団が自分をきちんと客として扱っている証拠でもあった。
騎士団の施設に入るのは、実はこれが初めてではない。
王都の騎士団。
王宮の訓練場。
それに、王女殿下の書斎にだって足を踏み入れたことがある。
ただし、その頃の自分が持っていたのは、
『銀曦騎士団騎士見習い』
の通行証だった。
一応は騎士団側の人間だった。
だが、今回は違う。
今の自分は、ただの旅人だ。
しかも——
地方騎士団副団長から身元を疑われている旅人である。
クレアはもう一口コーヒーを飲み、
ついでに、自分がどうしてこんな場所に座ることになったのかを思い返した。
騎士団本部は、実のところかなり目立つ場所にあった。
市場のすぐ隣だ。
宿から歩いても、せいぜい数分ほどしかかからない。
正門へ近づいたところで、
自分と同じくらいの年頃に見える騎士が声をかけてきた。
「待って。どちらへ?」
クレアは特に驚かなかった。
自分の格好は、ごく普通の旅人そのものだ。
呼び止められるのも当然だった。
「カルダと約束があって。確か、副団――」
そこまで言ったところで、
相手の騎士がぴたりと動きを止めた。
「……クレア様ですか?」
「え、ああ。」
すると相手は、慌てたように背筋を伸ばす。
「副団長から話は伺っております!」
「どうぞこちらへ!」
あまりにも急な態度の変化に、
今度はクレアのほうが少し戸惑った。
そして現在――
彼は応接室に座り、
手にしたコーヒーを飲みながら、
カルダが現れるのを待っていた。
しばらく待っていると――
廊下の向こうから、慌ただしい足音が近づいてきた。
そして次の瞬間。
――バァン!
応接室の扉が勢いよく開かれる。
クレアは思わず顔を上げた。
そこに立っていたのは、
騎士団の制服をきっちり着込んだカルダだった。
ただし――
なぜか扉の枠に手をつき、
肩で息をしている。
どう見ても全力で走ってきた顔だった。
「……見つけた。」
カルダは荒い呼吸を整えながら言う。

その表情には、
心底ほっとしたような色が浮かんでいた。
あまりにも必死そうな様子に、
クレアは思わず立ち上がる。
「カルダさん……」
「来てくれたんだね!」
カルダは胸をぽんぽんと叩きながら、
ようやく呼吸を落ち着かせた。
そして次の瞬間には、
待ちに待っていた子供のような笑顔を浮かべる。
「じゃ、行こう!」
クレアの背筋に、
不吉な予感が走った。
「……どこへですか?」
「どこって?」
カルダは本気で不思議そうな顔をする。
そして当然のように答えた。
「訓練場に決まってるでしょ!」
クレアはそっと目を閉じた。
――やっぱりか。
――そして。
クレアは騎士団の訓練場へ連れて来られていた。
周囲を見回す。
訓練している団員たちの顔ぶれこそ違うが、
施設そのものは、以前「招待」された地方騎士団の訓練場と大差なかった。
高い天井の屋内空間。
木製の訓練人形。
武器棚。
そして、所狭しと並ぶ各種訓練器具。
どこにでもある騎士団の訓練場だ。
――その時だった。
カルダが何気なく何かを放り投げてくる。
クレアは反射的に受け取った。
訓練服だった。
だが。
布地に触れた瞬間――
彼はわずかに目を見開く。
「クレア!」
カルダの声に呼ばれ、
そこでようやく我に返った。
「そんなところで突っ立ってないでさ。」
彼女は笑いながら訓練場の隅を指差す。
「男子更衣室、あっち。」
「さっさと着替えてきて。」
そう言うと、
カルダは自分も別の方向へ歩いていく。
だが数歩進んだところで、
何か思い出したように振り返った。
「あ、そうそう。」
クレアは顔を上げる。
「剣はロッカーに入れといてね。」
彼女は壁際に並ぶ収納棚を指差した。
「うちは木剣でやるから。」
そう言って、
今度こそ更衣室の方へ消えていった。
クレアはしばらくその背中を見送り――
そしてもう一度、
手の中の訓練服へ視線を落とした。
着替えを終えたあと――
クレアは、自分の考えが間違っていなかったことを確信した。
「この訓練服……」
彼は自分の袖口を見下ろす。
「王都で見たものに似てるな。」
もちろん、あくまで「似ている」だけだ。
縫製も。
細かな仕上げも。
明らかに向こうのほうが上だった。
重量に至っては、こちらのほうが倍近く重い。
だが――
クレアは袖口を軽くつまむ。
続いて、服の内側を指先で軽く叩いた。
「……やっぱり同じか。」
布地の間から、
細かい鋼線の感触が伝わってくる。
少なくとも斬撃への耐性という点では、
相当な防護性能を持っているはずだ。
クレアはしばらく黙り込んだ。
――なるほど。
――そういうことか。
どうりで。
街へ入った時から、
この騎士団の装備や制服に違和感を覚えていたわけだ。
こんなものは、
本来なら地方騎士団がそう簡単に持てる代物ではない。
クレアはもう一度、自分の袖へ視線を落とす。
そして小さく呟いた。
「……やっぱり、何かあるな。」
とはいえ――
訓練場の中央に立ち、
木剣を構えたカルダと向かい合っている今となっては、
クレアには一つだけ、どうしても納得できないことがあった。
「……俺、なんでここにいるんだ?」
同じく木剣を手にしながら、小さく呟く。
だが。
ここまで来てしまった以上、
今さら考えても仕方がない。
(とりあえず、目の前の問題を片付けるか。)
そう思った――その瞬間だった。
カルダの木剣が、真正面から振り下ろされる。
「何ぼーっとしてるの!」
笑いながらの一撃。
だが次の瞬間、
その剣筋が不意に変わった。
振り下ろしから、そのまま胸元への鋭い突きへ繋がる。
クレアは反射的に木剣を持ち上げた。
――ゴッ。
鈍い衝突音が響く。
木剣同士がぶつかり合い、
衝撃が腕へ伝わった。
「へぇ。」
カルダの目が輝く。
「今の反応するんだ。」
その瞬間から。
彼女の攻撃は、明らかに鋭さを増した。
振り下ろし。
突き。
薙ぎ払い。
休む間もなく連続して襲いかかる。

だが――
どれだけ攻め立てても。
クレアは半歩だけ下がり、
それを受ける。
一度。
また一度。
そして、もう一度。
木剣がぶつかる音だけが、
訓練場へ何度も響き続けていた。
数分後――
先に動きを止めたのはカルダだった。
額にはうっすらと汗が滲んでいる。
一方のクレアは、
呼吸こそ多少荒くなっているものの、
それ以外にはほとんど変化が見られない。
「君さぁ……」
カルダは目を細めた。
「本当にただの旅人?」
クレアは答えない。
ただ静かに木剣を構え直す。
それを見たカルダが、
ふっと笑った。
――嫌な予感がした。
クレアは本能的にそう思う。
「面白い。」
次の瞬間。
カルダの剣速が、明らかに一段上がった。
「っ――」
クレアは思わず目を見開く。
そこでようやく気づいた。
今までの攻撃ですら、
まだ様子見だったのだと。
――ガッ。
――ゴッ。
――バシッ。
木剣同士が激しく打ち合わされる。
距離が離れたかと思えば、
次の瞬間には目前まで踏み込まれる。
近い。
速い。
そして何より、
迷いがない。
(やっぱり強いな……)
クレアは一歩下がりながら受け流す。
その瞬間だった。
カルダの木剣が、
不意に上から押し込まれてきた。
力任せではない。
こちらの体勢を崩すための圧力。
クレアは反射的に前へ踏み込もうとする。
だが――
その動きが途中で止まった。
「……っ。」
足が止まる。
木剣も止まる。
ほんの一瞬。
誰にも気づかれないほど短い躊躇。
だがクレア自身だけは理解していた。
(危なかった。)
もう半歩。
あと半歩でも前へ出ていたら。
たぶん――
やり過ぎていた。
しばらくして――
ついに。
カルダは、受け流しの直後に生まれた隙を捉えた。
木剣が勢いよく跳ね上がる。
「あ。」
クレアが短く声を漏らした。
次の瞬間。
手の中の木剣は宙へ舞っていた。
空中で何度か回転し、
やがて床へと落ちる。
――ガラン。
訓練場が、一瞬だけ静まり返った。
カルダは大きく息を吐く。
そして。
満足そうに笑った。
「やっと落とせた。」
「……」
クレアは床に転がった木剣を見つめる。
なぜだろう。
彼女が嬉しそうなのは、
勝ったからというより――
別の理由があるような気がした。
「ほら、拾って。続き!」
カルダには、どうやら終わらせる気がまったくないらしい。
クレアは床に落ちた木剣を見る。
それから、目の前で期待に満ちた顔をしている副団長を見る。
そして結局――
黙って木剣を拾い上げた。
「……」
「早く早く。」
カルダはすでに構え直している。
しかも、さっきより元気そうに見えた。
――そして第二戦。
続いて第三戦。
第四戦。
第五戦。
気がつけば、訓練場の周りには見物人が増えていた。
「あの旅人、誰なんだ?」
「さあ?」
「副団長の相手があれだけ長く務まる人、そういないぞ。」
「しかも、もう何試合目だ?」
団員たちがひそひそと話し始める。
「毎回最後は負けてるけどな。」
「でも今日の副団長、やたら楽しそうじゃないか?」
「前にあんな顔してたの、去年の演習以来じゃないか?」
一方――
カルダは再び木剣をクレアの喉元へ突きつけていた。
「はい、君の負け。」
「そうですね。」
クレアはもう、自分が何か悪いことをしたのではないかと思い始めていた。
だが。
カルダはすぐには剣を引かなかった。
むしろ。
少しだけ目を細める。
「おかしいな。」
「何がです?」
「何かが変なんだよね。」
カルダはじっとクレアを見つめる。
まるで何かを確かめるように。
数秒ほど沈黙が続いた。
そして――
不意に口を開く。
「クレア。」
「はい?」
「君さ。」
カルダは木剣を向けたまま言った。
「本当は、そんなもんじゃないでしょ。」
クレアは答えなかった。
カルダも、それ以上は追及しない。
ただしばらくの間、
何かを考えるように彼を見つめている。
そして――
不意に何かを思い出したように壁の時計へ視線を向けた。
「あっ。」
次の瞬間。
彼女の表情が変わる。
「もうこんな時間!?」
慌てた声が訓練場に響いた。
ついさっきまで頭の中が手合わせでいっぱいだった副団長は、
一瞬で仕事モードへ戻る。
カルダは木剣を片付けると、
そのままクレアの前まで歩いてきた。
そして手を差し出す。
「今日はこの辺にしとこうか。」
クレアは少しだけ戸惑った。
だが結局、
その手を握る。
カルダはぐいっと彼を立たせた。
「ありがと。」
「いえ。」
それだけ言うと、
カルダは更衣室の方へ向かって歩き出す。
だが数歩進んだところで、
また何か思い出したように振り返った。
相変わらず、
楽しそうな笑みを浮かべている。
「そうだ。」
「はい?」
「たぶん、そのうちまた呼ぶから。」
「……」
クレアは嫌な予感しかしなかった。
だがカルダは、
その沈黙を肯定と受け取ったらしい。
満足そうに頷く。
「よし。」
そして今度こそ背を向け、
足早に去っていった。
残されたのは、
その場に立ち尽くすクレアと――
未だにその場を離れようとしない団員たちだった。
しばらくして。
近くにいた若い騎士が、
恐る恐る口を開く。
「あの……」
「はい?」
クレアが振り向く。
若い騎士は少し迷ったあと、
意を決したように尋ねた。
「失礼ですが……」
「あなた、一体何者なんですか?」
以上の翻訳は ChatGPT による翻訳文をもとに、自ら校正・監修した形でお届けしています。
もし文体や語調などに不自然な箇所がありましたら、ぜひご指摘いただけますと幸いです。
ご感想やご質問などございましたら、コメント欄にてお知らせください。できる限りお返事させていただきます。
改めまして、本作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。
中国語本文
【第三十三章:看不透的旅人】
地方騎士團副團長卡爾妲的直覺,似乎比想像中還要敏銳。
原本只是一次普通的邀約,卻在訓練場上逐漸變成了一場試探。
面對這位始終以「旅人」自稱的青年,卡爾妲越是交手,越是察覺到違和感。
他明明每一次都輸了。
卻又總讓人覺得,事情似乎並沒有那麼簡單。
而對克雷亞而言,
比起副團長的懷疑,
更令他在意的,或許是這支地方騎士團本身隱藏著的某些秘密。
克雷亞坐在騎士團的會客室裡,桌上擺著一杯咖啡。
他端起杯子喝了一口。
依舊是苦澀的咖啡。
旁邊放著幾塊方糖,但他最後還是沒拿。
畢竟喝咖啡只是為了提神。
而且糖也要錢。
雖然只是幾塊方糖,但加多了還是會心疼。
不過,連方糖都準備好了,也代表騎士團確實是把他當客人招待。
騎士團的設施他其實不是第一次進。
王都的騎士團、王宮的練武場,甚至王女的書房,他都去過。
只是那時候的自己,手上拿著的是「銀曦騎士團騎士見習」的通行證,多少還算是體制內的人。
這次不一樣。
現在的他只是個旅人。
而且還是一個被地方騎士團副團長懷疑身分的旅人。
他又喝了一口咖啡,順便回想自己是怎麼坐到這裡來的。
騎士團本部其實相當顯眼,就在市場旁邊。
從旅店走過去,也不過幾分鐘的路程。
剛靠近大門,一名看起來和自己年紀差不多的騎士便出聲叫住了他。
「等等,你找誰?」
克雷亞倒不覺得意外。
畢竟自己身上穿的只是普通旅人的裝備,對方會盤問也是理所當然。
「我跟卡爾妲有約,好像是副團——」
話還沒說完,那名騎士便愣了一下。
「您是克雷亞先生?」
「啊,是。」
對方立刻站直身體。
「副團長已經交代過了!請往這邊!」
那態度轉變得太快,反而讓克雷亞愣了一下。
於是現在,他正坐在會客室裡,手裡捧著一杯咖啡,等待卡爾妲出現。
待了一會兒後,外面忽然傳來一陣急促的腳步聲。
「砰!」
會客室的門被猛地推開。
克雷亞抬起頭。
出現在門口的,是穿著整套制服、正扶著門框喘氣的卡爾妲。
看起來像是一路跑過來的。
「......找到你了。」
她調整了一下呼吸,臉上露出鬆了口氣的表情。

看到她那副模樣,克雷亞忍不住站起身。
「妳......」
「來啦?」
卡爾妲拍了拍胸口,總算把氣喘順了一些。
接著立刻露出期待已久的笑容。
「那,走吧!」
克雷亞忽然有種不祥的預感。
「去哪?」
「還會是哪?」
卡爾妲理所當然地回答:
「當然是訓練場啊!」
克雷亞閉上眼睛。
果然。
於是,克雷亞被帶到了騎士團的訓練場。
他環顧四周。
除了正在訓練的團員不同之外,這裡和他之前被「招待」過的地方騎士團訓練場其實差不了多少。
同樣是挑高的室內空間。
同樣擺著木製人偶、武器架,以及各式各樣的訓練器材。
直到——
卡爾妲隨手丟了一套練習服過來。
克雷亞下意識伸手接住。
摸到布料的瞬間,他愣了一下。
「克雷亞!」
聽到聲音,他才回過神。
「不要站在那邊發呆。」
卡爾妲笑著指向角落。
「男生更衣室在那邊,快去換衣服。」
說完,她便朝另一個方向走去。
走到一半,像是突然想到什麼似的回過頭。
「啊,對了。」
「記得把劍放進櫃子裡。」
她指了指牆邊的置物櫃。
「我們這邊用木劍。」
等到換好衣服後,克雷亞更加確定了自己的判斷。
「這套......」
他低頭看著身上的練習服。
「跟王都看到的很像。」
當然,也只是像而已。
無論做工還是細節,都明顯粗糙不少。
重量更是重了將近一倍。
不過......
克雷亞伸手捏了捏袖口。
又輕輕敲了敲練習服內側。
「看起來是一樣的。」
布料夾層裡能感覺到細密的鋼絲。
至少在防劈砍方面,已經有相當程度的保護能力。
克雷亞沉默了一會兒。
原來如此。
難怪。
難怪從進城開始,他總覺得這支騎士團的裝備和制服有些不對勁。
這種東西,不該出現在地方騎士團。
「......果然有問題。」
不過,當站到訓練場上,面對著手持木劍的卡爾妲時,
同樣拿著木劍的克雷亞還是忍不住疑惑。
「我為什麼會在這裡?」
只是都已經站上來了,再想這些也沒什麼意義。
至少先把眼前的麻煩應付過去吧。
才剛這麼想,
卡爾妲的木劍已經迎面劈了下來。
「在發什麼呆啊!」
她笑著說道。
下一瞬間,劍鋒忽然變向,
直刺克雷亞胸口。
克雷亞下意識抬劍格開。
木劍相撞,發出沉悶的聲響。
「反應不錯嘛。」
卡爾妲眼睛一亮。
接著攻勢變得更加猛烈。
劈砍、突刺、橫掃。
幾乎沒有停頓。

然而無論她怎麼進攻,
克雷亞都只是後退半步,
然後擋下來。
一次。
又一次。
再一次。
幾分鐘後。
卡爾妲停下腳步。
額角已經滲出細汗。
反觀克雷亞,
除了呼吸稍微急促一些之外,
幾乎沒有什麼變化。
「你這傢伙......」
卡爾妲瞇起眼睛。
「真的只是旅人?」
克雷亞沒有回答。
只是重新擺好架勢。
卡爾妲忽然笑了。
那笑容讓克雷亞有種不好的預感。
「有意思。」
下一瞬間,
她的劍速突然快了一截。
克雷亞愣了一下。
這才發現,
前面那些攻擊恐怕也只是試探。
木劍接連碰撞。
兩人的距離時遠時近。
一個不注意,
卡爾妲的劍突然壓上來。
克雷亞下意識往前一步——
動作才做到一半,他猛地停住。
……差點過頭了。
又過了一陣子。
終於。
卡爾妲抓住一次格擋後的空隙,
木劍猛地一挑。
「啊。」
克雷亞只來得及發出一聲短促的聲音。
手中的木劍便飛向半空。
在空中轉了幾圈後,
重重落在地板上。
訓練場忽然安靜了一瞬。
卡爾妲喘了口氣。
然後露出滿意的笑容。
「總算打掉了。」
「......」
克雷亞看著地上的木劍。
不知道為什麼,
他總覺得對方開心的原因,
好像不是因為贏了。
「撿起來,繼續吧!」
卡爾妲看起來完全沒有放人的打算。
克雷亞望了一眼地上的木劍。
又望了一眼滿臉期待的副團長。
最後還是默默把劍撿了起來。
「......」
「快點快點。」
卡爾妲已經重新擺好架勢。
看起來甚至比剛才更有精神。
於是第二場開始了。
接著是第三場。
第四場。
第五場。
訓練場旁邊圍觀的人也越來越多。
「那個旅人是誰啊?」
「不知道。」
「能接副團長那麼久的人可不多。」
「而且已經好幾場了。」
旁邊的團員們開始竊竊私語。
「雖然每次最後都輸就是了。」
「但是副團長今天打得也太高興了吧?」
「我上次看到她這樣,還是去年演習的時候。」
另一邊。
卡爾妲再次用木劍指住克雷亞的喉嚨。
「你輸了。」
「嗯。」
克雷亞已經開始懷疑自己是不是做錯了什麼。
然而卡爾妲卻沒有立刻收劍。
反而微微瞇起眼睛。
「怪了。」
「什麼?」
「總覺得哪裡不對。」
她盯著克雷亞。
像是在觀察什麼。
過了幾秒。
忽然開口:
「克雷亞。」
「嗯?」
「你應該不只這樣吧。」
克雷亞沒有回答。
卡爾妲也沒有繼續追問。
她只是盯著他看了一會兒。
然後忽然像是想起什麼似地轉頭看向牆上的時鐘。
「啊,都這個時間了!」
她臉色一變。
「我得去開會了!」
剛剛還滿腦子都是比試的副團長,
瞬間變回了有正事要忙的人。
她收起木劍,快步走到克雷亞面前。
然後伸出手。
「今天就先這樣吧。」
克雷亞愣了一下。
還是握住了她的手。
卡爾妲一把將他拉了起來。
「謝了。」
「不會。」
說完,卡爾妲便朝更衣室的方向走去。
只是才走沒幾步,
又像突然想到什麼似地回過頭。
臉上依然掛著那副愉快的笑容。
「對了。」
「嗯?」
「之後我還會再找你。」
「......」
克雷亞忽然有種不好的預感。
而卡爾妲似乎把他的沉默當成了默認。
滿意地點了點頭。
然後轉身離開。
只留下站在原地的克雷亞。
以及周圍那些仍然沒散去的圍觀團員。
「那個......」
旁邊一名年輕騎士小心翼翼地開口。
「什麼事?」
「您到底是什麼人?」
