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「闇夜に刻まれた印」第三十九章:眠る者、眠れぬ者/《烙印於黑夜之印》第三十九章:入眠之人、未眠之人(和訳付き)

はじめのあなたに

作者便り(26年7月)

前篇


日本語訳

【第三十九章 眠る者、眠れぬ者】

カルダは眠った。

その一方で、
王都では書類に追われる者がいて、
地方では答えの出ない問いを抱え続ける者がいる。

一人が眠りについた夜。

まだ眠ることのできない者たちの長い夜は、
これから始まろうとしていた。

「カチャッ。」

深夜の王宮執務室に、
扉の開く音が静かに響いた。

その音に気づいた副官は、
扉の方へ視線を向けると、すぐに立ち上がった。

「殿下。」

王女は軽く手を振りながら応え、

髪飾りを外し、
さらりと長い髪を整えつつ、
ゆっくりと執務机へ歩いてくる。

その身には、
まだ武装女官の制服をまとったままだった。

机の前まで来ると、

そのままどさりと椅子へ腰を下ろした。

「殿下、ご覧になっていかがでしたか?」

副官は机の前まで歩み寄り、静かに尋ねる。

「うーん……。」

王女は机の上のグラスを手に取り、
一口水を飲んだ。

「やっぱり、ただ者ではないわね。」

「クレアが強いと言っていただけはあるわね。」

「そうですか。」

副官はどこか呆れたように続けた。

「ですが殿下。」

「まだ決裁待ちの書類が何件も残っています。」

「しかも、どれも急ぎの案件です。」

「う、うん……。」

王女は少し照れくさそうに笑った。

「ちゃんと全部終わらせてから休むから……。」

副官は小さくため息をついた。

「とはいえ、何事もなく無事に到着してくれて、本当に良かったですね。」

「ええ。」

王女は静かに頷く。

「予備戦力も出番がなかったし。」

「本当に良かったわ。」

副官は口元にかすかな笑みを浮かべた。

「殿下……。」

「本当に、それだけでしょうか?」

王女は小さく首をかしげた。

「どういう意味?」

副官は少しだけ笑みを深くした。

「殿下……。

ただの食いしん坊ではありませんか?」


(少し前・同日の朝)

「殿下。」

ヘレンは一つの包みを抱え、
王女の執務室へ入ってきた。

「あら、ヘレン。」

「どうだった? 問題はなかった?」

王女は顔を上げて尋ねる。

「今のところは特に問題ありませんでしたけど……。」

ヘレンはぶつぶつと愚痴をこぼしながら、
包みを机の上へ置いた。

「でも、結局空振りになるだけなら、
次からは先に一言くらい言ってくださいよ。」

「おかげで真夜中ずっと城の外で待機でしたから。」

「雲の中を半晩もぐるぐる飛び回る羽目になりました。」

王女は小さく頷く。

「もともと予備案だったでしょう。」

「最初からそう言っていたじゃない。」

そして落ち着いた口調で続けた。

「情報では、汚職と関税の問題だけで、反乱の兆候はないとされていたわ。」

「でも、だからといって保険を何一つ用意しないわけにはいかないでしょう。」

ヘレンは苦笑する。

「それは分かっています。」

「でも、私を出前係みたいに扱うのはやめてくださいよ。」

そう言って、
机の上の包みを指差した。

「前の晩には女将さんのところへ行って朝食を予約して。」

「翌朝、帰るついでにハムとチーズまで持って帰るなんて。」

さらに胸に抱えた小さな包みを軽く叩く。

「我慢できなくて、自分の分まで買っちゃいましたよ。」

傍らで見ていた副官は、

ヘレンと、
机の上の包みを見比べると、

思わず顔を背け、
必死に笑いをこらえた。

ヘレンは呆れたようにため息をつく。

「しかも、あの三人と鉢合わせしないように、
わざわざ時間までずらさなきゃいけないし……まったく。」

それでも王女は、
ただ穏やかに微笑むだけだった。

「でも、おかげでみんな無事だった。」

ヘレンは少し黙り込み、

やがて小さく頷く。

「……それは、そうですね。」

胸の小さな包みを抱え直すと、

「それじゃ、私は本部へ戻ります。」

「ご苦労さま。」

ヘレンが部屋を出ていく。

その後ろ姿を見送ると、

左右にゆらゆらと揺れる竜の尻尾は、

まるで朝食を手に入れられたことを喜んでいるようだった。

副官は思わず小さく笑い、

そして静かに息をつく。

「……何事もなくて、本当に良かったですね。」


(同時刻・イギタイア地方騎士団本部・執務室)

「何が『大丈夫です』だ!」

スカイル団長が机を力いっぱい叩きつけた。

怒号が執務室に響き渡り、

その場の空気は一瞬で凍りついた。

目の前に立つ若い騎士は、
びくりと肩を震わせ、顔を青ざめさせる。

「だ、団長、俺は……」

「お前、入団訓練を寝て過ごしていたのか!」

最後まで言わせることなく、
スカイルが怒鳴り返す。

「ブールがお前に『そこで止まれ』と言っただろう!」

「それなのに、どうして飛び出した!」

新人は俯いたまま、
唇をかすかに震わせていた。

傍らでは、
ブールが終始何も言わず、
ただ黙って立っている。

スカイルは大きく息を吸い込み、

ゆっくりと声を落とした。

だが、

その静かな口調は、
先ほどの怒鳴り声よりもなお恐ろしかった。

「昨日、お前の前に立っていた連中が誰だったか、分かっているな?」

「……闇夜騎士団です。」

新人は小さな声で答える。

「分かっているならいい。」

スカイルは冷ややかな視線を向ける。

「闇夜騎士団は、殿下直属の騎士団だ。」

「彼らが従うのは、王女殿下の命令だ。」

そして、

目の前の新人をまっすぐ指差す。

「その相手を、お前は止めようとした。」

「しかも、剣まで抜こうとした。」

執務室は、

呼吸の音すら聞こえそうなほど静まり返る。

スカイルは一歩、

また一歩と新人へ歩み寄った。

「昨日、ブールがお前を引き戻さなかったら。」

「周りから見れば――」

そこで言葉を切る。

「地方騎士団が、王女殿下の命令を阻止しようとしたようにしか見えない。」

新人の顔から、
さっと血の気が引いた。

「お、俺は、そんなつもりじゃ……」

「分かっている。」

スカイルは静かに遮る。

「お前は副団長を守りたかっただけだ。」

「それは分かっている。」

一拍置き、

その声はさらに低くなった。

「だが――」

「法律は、お前が何を考えていたかでは判断しない。」

「他人にどう見えたか、それが重要なんだ。」

短く間を置いて、

再び口を開く。

「昨日、あそこで本当に揉めていたら。」

「処刑台へ上がるのは、お前一人じゃない。」

スカイルは執務室にいる全員を見渡した。

「俺だ。」

「ブールだ。」

「そして、この地方騎士団全員だ。」

執務室を、

重苦しい沈黙が包み込む。

新人はすでに俯いたまま、

両拳を強く握り締め、

肩を小さく震わせていた。

しばらくして、

スカイルはようやく深く息を吐いた。

その口調も、
先ほどより幾分穏やかになっている。

「……悪かった。」

「さっきは、少し言い過ぎた。」

新人は一瞬目を見開き、

ゆっくりと顔を上げた。

スカイルは、
なおも真剣な表情のまま彼を見つめる。

「分かっている。」

「昨夜、お前は副団長を守ろうとしただけだ。」

「だが、覚えておけ。」

「騎士に必要なのは忠誠だけじゃない。」

「状況を見極める判断力も必要だ。」

「さもないと――」

一拍置き、

静かに言い切る。

「今日、お前が守ろうとした相手が、明日はお前の軽率な行動のせいで命を落とすことになるかもしれない。」

そう言うと、
軽く手を振った。

「戻れ。」

「また後で話そう。」

新人は深く頭を下げると、

静かに執務室を後にした。

扉が閉まる音が響く。

それを見届けると、

スカイルはゆっくりと机へ戻り、

両手で頭を抱えながら、
深いため息をついた。

「団長……。」

ブールが静かに声を掛ける。

しばらく黙っていたスカイルは、

やがて顔を上げた。

「昨夜の件を知っている者は、あと何人だ?」

「多くはありません。」

ブールは答える。

「団本部では五、六人ほどです。」

「結果が出るまでは口外しないよう、全員に伝えてあります。」

スカイルは小さく頷く。

「城門の方は?」

ブールは問い返す。

「五人ほどです。」

スカイルは椅子の背にもたれ、

眉間を指で揉んだ。

「全員、口の堅い連中だ。」

「こちらも口止めはしてある。」

「外へ漏れることはないだろう。」

「それならいい。」

ブールは静かに頷いた。

執務室は再び静寂に包まれる。

しばらくして、

スカイルはふっと苦笑を漏らした。

「それにしても……。」

「どうしてカルダだったんだ……。」

視線は机の上へ落ちたまま、

まるで独り言のように呟く。

「どう考えても、先に私のところへ来るべきだっただろう。」

「私は団長なんだ。」

「何があろうと、本来なら最初に話を聞くべき責任者は私のはずだ。」

ブールはすぐには答えなかった。

その理由は、

彼にも分からなかったからだ。

「それは……。」

わずかに眉をひそめる。

「私にも分かりません。」

その時、

執務室の扉が二度ノックされた。

コン、コン。

「団長。」

「入れ。」

一人の団員が扉を開け、

直立して敬礼する。

「団長。」

「領主閣下がお呼びです。」


(イギタイア領主執務室)

「閣下、お呼びでしょうか。」

スカイルは執務室へ入り、

領主へ一礼した。

領主はすぐには口を開かなかった。

ただ静かに机の上の書類を見つめ、

執務室には重い沈黙だけが流れる。

しばらくして、

ようやく口を開いた。

「……カルダが、闇夜騎士団に連行されたそうだな。」

「はい。」

スカイルはためらうことなく答える。

「いつのことだ。」

「昨夜、深夜です。」

「理由は。」

「国家反逆罪の容疑による事情聴取です。」

スカイルは一拍置き、

付け加えた。

「命令書には殿下の印章が押されておりました。」

「原本も確認しておりますので、間違いありません。」

領主は黙り込んだ。

ゆっくりと立ち上がると、

窓辺まで歩み寄る。

窓の外の街並みを眺めながら、

ぽつりと呟いた。

「……どうして、カルダなんだ。」

その声はあまりにも小さく、

独り言のようだった。

さらにしばらくの沈黙が流れる。

そして、

誰に聞かせるでもなく、

静かに漏らす。

「本来なら……私だったはずなのに。」

スカイルは思わず目を見開いた。

「閣下……?」

領主は我に返ると、

小さく手を振った。

「いや、何でもない。」

そう言って椅子へ戻り、

いつもの落ち着いた表情を取り戻す。

「この件を知っている者は、どれくらいいる。」

「およそ十名ほどです。」

スカイルは答えた。

「結果が出るまでは、

誰にも口外しないよう命じてあります。」

領主は静かに頷く。

しばらく考え込んだあと、

ゆっくりと口を開いた。

「私から布告を出そう。」

「副団長は、公務協力のため王都へ招かれた――そういうことにする。」

そして視線を上げ、

スカイルを真っ直ぐ見据えた。

「それ以外のことは。」

「誰であろうと、一言たりとも口外することは許さん。」

「はっ。」

スカイルは頭を下げる。

「下がってよい。」

「何か動きがあれば、改めて知らせる。」

スカイルが部屋を出ていくと、

領主はゆっくりと椅子の背にもたれ、

長く息を吐いた。

頭の中で、

ただ一つの言葉だけが、

何度も繰り返される。


――殿下に知られた。


それ以外に、

理由が思い当たらなかった。

でなければ――

どうしてカルダだったのか。

なぜ連れて行かれたのが、

騎士団副団長だったのか。

そして何より――

なぜ、一番強い彼女だったのか。

領主はゆっくりと目を閉じる。

カルダは地方騎士団最強の戦力だった。

剣の腕も、

指揮能力も、

事務処理能力も、

彼女に及ぶ者はいない。

彼女がいなくても、

騎士団そのものは動き続けるだろう。

だがこれからは、

せいぜい野盗や盗賊の相手をする程度が限界になる。

……もっとも、

今の状況では、

それくらいしか対処すべき事件も残っていないのだが。

それに対して、

スカイルはどちらかと言えば騎士団の「顔」だった。

人当たりもよく、

対外折衝も巧みで、

その点では彼の右に出る者はいない。

だが、

騎士団の日常業務を実際に支えてきたのは、

ずっとカルダだった。

ただ一つ――

金の管理を除いては。

そこまで考えたところで、

領主の表情がわずかに曇る。

彼は意図的に、

カルダを財務へ関わらせてこなかった。

信用していなかったからではない。

その逆だ。

信用していたからこそ、

決して触れさせるわけにはいかなかった。

いつか本当に何かが起きたとしても、

せめて騎士団の中枢だけは、

巻き添えにしたくなかったからだ。

……

それなのに今は。

最も太い幹が、

無理やり引き抜かれてしまった。

しかも――

戻って来られるかどうかすら、

分からない。

領主は、

肘掛けを握る手に、

静かに力を込めた。

さらに厄介なのは――

もしこの先、

銀縁の流星の徽章をつけた者が、

再びこの街へ現れたら……。

そこまで考えた瞬間、

領主の背筋を冷たいものが走った。

彼は小さく卓上の呼び鈴を鳴らす。

ほどなくして、

秘書が扉を開けて入ってきた。

「各関所へ通達を。」

領主はいつもの冷静な口調に戻っていた。

「関税は、本日をもって従来どおりに戻せ。」

「かしこまりました。」

「それから、騎士団にも伝えろ。」

「新型の制服、武器、装備をすべて取りまとめ、一覧をできるだけ早く私のところへ提出させろ。」

「それと、裏帳簿も整理したうえで、一緒に持って来るように。」

「承知いたしました。」

秘書は一礼し、

部屋を出ようとした。

だが、

何かを思い出したように足を止める。

「閣下。」

「副団長が連行される前に、一名の人物について調査を依頼されておりました。」

「本日、王都から返事が届いております。」

そう言って、

懐から一通の薄い書類を取り出した。

「報告書はこちらです。」

領主はそれを受け取る。

「分かった。」

「下がっていい。」

執務室は再び静寂に包まれた。

領主は手元の報告書へ視線を落とす。

報告書の内容は、

わずか数行だけだった。

リゼ・ロール
イギタイア近郊・エスクトゥ村出身。
四年前、王都へ移住。
以降の情報は開示対象外。

領主は、

その最後の一行をじっと見つめていた。

――以降の情報は開示対象外。

情報が存在しないわけではない。

「開示されない」のだ。

その短い一文が、

王国の役人であれば誰もが理解する意味を持っていた。

――ここまでだ。

――これ以上、調べるな。

領主はゆっくりと報告書を机へ置いた。

カルダが、

なぜこの人物を調べようとしていたのかは分からない。

だが、

よりにもよって、

この報告に辿り着いた直後、

彼女は闇夜騎士団に連行された。

領主は窓の外へ視線を向け、

小さくため息をつく。

「カルダ……。」

「我らの副団長。」

「君は一体……。」

「何に触れてしまったんだ……。」


(同日深夜、王女が去った後の王都の宿舎)

カルダは熱い湯で身体を洗い終え、

柔らかく温かな寝具へ身を沈めた。

目を開けたまま、

見慣れない天井をぼんやりと見つめる。

瞼は今にも閉じてしまいそうなほど重い。

それでも、

どうしても眠る気にはなれなかった。

(今日は……一体、何が起きたんだ……。)

昨夜の深夜、

彼女は一人の侍女と、

一人の騎士見習いに連れられ、

イギタイアを後にした。

両手には手枷。

目には目隠し。

馬車に揺られながら、

彼女はずっと思っていた。

次に馬車が止まった瞬間――

自分は引きずり降ろされる。

地面へ跪かされ、

そして、身首を異にするのだと。

あの温かなスープを口にし、

最初の一口のパンを頬張った時になって、

初めて思えた。

――もしかしたら、

自分は生きてここを出られるのかもしれない、と。

その後、

手枷も目隠しも外された。

あの黒髪の武装女官も、

ただ一杯の水を差し出しただけだった。

尋問もない。

叱責もない。

道中で何度も思い描いていた拷問など、

もちろんあるはずもなかった。

(闇夜は……一体、何を考えているんだ……。)

今日一日の出来事を、

頭の中で整理しようとする。

だが、

考えれば考えるほど、

思考はぼやけていき、

瞼はさらに重くなっていく。

やがて――

意識は深い海へ沈んでいくように、

静かに、

途切れた。

その時だった。

わずかに隙間を残していた部屋の扉が、

音もなく、

そっと閉じられた。

「殿下。」

副官は執務室へ戻ると、

まだ書類に目を落としている王女へ静かに報告した。

「カルダが眠りました。」

「そう。」

王女は顔も上げず、

視線を書類に向けたまま淡々と応じる。

副官は小さく笑った。

「ナトゥールリーフの鎮静薬は、

やはりよく効きますね。」

王女は書類へ目を通しながら、

何気ない口調で答えた。

「やっぱりね。」

「今夜はきっと眠れないだろうと思っていたの。」

副官は苦笑を交じりながらため息をつく。

「殿下。」

「あれは本来、

処刑台へ上がる罪人の恐怖や痛みを和らげるための薬です。」

「今回は濃度を下げたものとはいえ……。」

「眠らせるために使うのは、本当に良かったのでしょうか。」

王女はそこでようやく羽根ペンを止め、

副官へ視線を向けた。

「彼女にとっては、

今日が初めての王都だった。」

「しかも、突然闇夜に連れて来られたのよ。」

「ずっと気を張り詰めていたんだから、

その方がかえって良かったわ。」

副官はその言葉を聞くと、

苦笑しながら頷いた。

「……そうですね。」

そう言って、

今度は別の書類を指差す。

「殿下、こちらにもご署名を。」

「はいはい……。」

王女は書類を受け取ると、

慣れた手つきで自分の名を書き添えた。

最後の一筆を書き終えると、

羽根ペンを静かに置く。

そして、

窓の外に広がる漆黒の夜空へ目を向けた。

「明日から。」

「彼女を待っているものは、まだまだたくさんある。」

王女はゆっくりと視線を戻し、

穏やかな口調で言った。

「だから今夜だけは――」

「ゆっくり眠らせてあげましょう。」


イギタイアに何が起きたか?

なぜ、リゼの情報は開示対象外?

闇夜は本当に人を「粛清」したか?


以上の翻訳は ChatGPT による翻訳文をもとに、自ら校正・監修した形でお届けしています。
もし文体や語調などに不自然な箇所がありましたら、ぜひご指摘いただけますと幸いです。
ご感想やご質問などございましたら、コメント欄にてお知らせください。できる限りお返事させていただきます。
改めまして、本作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。


中国語本文

【第三十九章 入眠之人,未眠之人】

卡爾妲終於睡著了。

可是,
還有許多人,今晚注定無法入眠。

有人徹夜批閱公文。
有人開始思考下一步該怎麼走。
有人終於意識到,
自己早已踏進了一張早已張開的網。

而這一夜,
才只是開始。

「喀嚓。」
深夜的王宮辦公室裡,傳來一聲開門聲。
副官循聲望向門口,隨即站起身。
「殿下。」
王女朝她揮了揮手,一邊摘下頭上的髮飾,一邊順了順長髮,緩步走向辦公桌。
她身上仍穿著武裝女官的制服。
走到桌前後,她便一屁股坐進椅子裡。
「殿下,看得如何?」
副官走到辦公桌前問道。
「嗯……應該是有點東西。」
王女拿起桌上的玻璃杯,喝了一口水。
「難怪克雷亞說她很強。」
「是嗎?不過……」副官幽幽地說道,「殿下,您還有好幾份公文沒簽,而且都是急件。」
「我、我等等會簽完才休息啦……」
王女有些不好意思地笑了笑。
副官輕嘆一口氣。
「只是還好沒有意外,人平安帶到了。」
「是啊。」王女點點頭,「備援沒有派上用場,真是太好了。」
副官嘴角微微揚起。
「殿下……您確定不是因為嘴饞嗎?」


(稍早.同日早晨)

「殿下。」
赫倫抱著一個包裹走進王女的辦公室。
「是赫倫啊,怎麼樣?沒問題吧?」
王女抬起頭問道。
「目前是沒什麼問題啦……」
赫倫一邊嘀咕,一邊把包裹放到桌上。
「不過如果只是會白跑一趟,下次能不能先說一聲?」
「害我在深夜裡一直盤旋在城外待命。」
「在雲層裡繞了半個晚上。」
王女點了點頭。
「那本來就是預案,我一開始就說過了。」
她平靜地補了一句。
「情報雖然顯示只是貪污和關稅的問題,沒有造反跡象,但總不能連一個後手都不留。」
赫倫苦笑了一下。
「這我知道。」
「但是,也別把我當成點菜的啊。」
他指了指桌上的包裹。
「前一天晚上先去跟老闆娘訂餐,隔天一早回程還得幫忙帶火腿和乳酪。」
他又拍了拍自己懷裡的小包裹。
「害我都忍不住自己也買了一份。」
站在一旁的副官看看赫倫,又看看桌上的包裹,忍不住把臉別到一旁,努力憋著笑。
赫倫無奈地嘆了口氣。
「而且還得刻意跟他們錯開……真的是。」
王女卻只是微微一笑。
「但是至少,他們都平安。」
赫倫沉默了一下,隨後點了點頭。
「這倒是真的。」
他抱好懷裡的小包裹。
「那我先回團部了。」
「辛苦了。」

看著赫倫離開的背影,
那條搖來搖去的龍尾,
看起來像是正在為那頓早餐高興。
副官忍不住笑了一下,隨後才輕輕吐出一口氣。
「……還好沒事。」


(同時.伊吉塔亞地方騎士團辦公室)

「怎麼可能沒事!」
團長斯凱爾猛地一拍桌子,怒吼聲震得整間辦公室一片死寂。
站在他面前的年輕騎士渾身一顫,臉色發白。
「團、團長,我……」
「你入團訓練都在睡覺嗎!」
斯凱爾根本不給他說完的機會。
「布爾都已經叫你站在原地了!」
「你還衝出去做什麼!」
新人低著頭,嘴唇微微發抖。
一旁的布爾始終沒有說話,只是沉默地站著。

斯凱爾深吸了一口氣,壓低了聲音。
然而,那股寒意反而比剛才的怒吼更加駭人。
「你知道昨天站在你面前的是誰嗎?」
「……闇夜騎士團。」
新人小聲回答。
「知道就好。」
斯凱爾冷冷地看著他。
「闇夜騎士團,是殿下的直屬騎士團。」
「他們奉的是王女的命令。」
「而你——」
他伸手指向新人。
「衝出去攔人。」
「還打算拔劍。」
整間辦公室安靜得連呼吸聲都聽得見。
斯凱爾一步一步走到新人面前。
「昨天要不是布爾把你拖回去。」
「在旁人眼裡,看起來就是地方騎士團想阻止王女的命令。」
新人臉色瞬間慘白。
「我……我沒有……」
「我知道。」
斯凱爾打斷了他。
「我知道你只是想保護副團長。」
「但是——」
他的聲音再次沉了下來。
「法律不看你心裡怎麼想。」
「別人看到的是什麼,才重要。」
他停頓了一下。
「昨天如果真的發生衝突。」
「陪你上刑台的,不會只有你。」
斯凱爾望向辦公室裡的眾人。
「是我。」
「是布爾。」
「還有整個地方騎士團。」
辦公室裡,一陣寂靜。
新人早已低著頭,雙手緊握,連肩膀都微微顫抖著。

過了許久。
斯凱爾才緩緩吐出一口氣。
他的語氣,也終於放緩了一些。
「……抱歉。」
「剛才那幾句,說重了。」
新人愣了一下,慢慢抬起頭。
斯凱爾望著他,神情依舊嚴肅。
「我知道。」
「昨天晚上,你只是想保護副團長。」
「但是記住。」
「騎士不能只有忠誠。」
「還要學會判斷。」
「否則,你今天想救的人,明天可能會因為你的衝動而死。」
他擺了擺手。
「先回去吧。」
「之後,我會再找你談。」

等到新人離開後,
斯凱爾才緩緩走回辦公桌前,雙手抱著頭,重重地嘆了一口氣。
「團長……」
布爾輕輕喚了一聲。
斯凱爾沉默了一會兒,才抬起頭。
「昨晚的事,還有多少人知道?」
「不多。」布爾回答。
「團部這邊,大概只有五、六個人。」
「我已經交代過了,在結果出來之前,誰都不要往外說。」
斯凱爾點了點頭。
「那城門那邊呢?」
布爾反問。
「大概五個。」
斯凱爾靠向椅背,揉了揉眉心。
「都是靠得住的人,我也交代過了,不會讓消息傳出去。」
「那就好。」
布爾輕輕點頭。
辦公室裡再次陷入沉默。

過了片刻,斯凱爾忽然苦笑了一下。
「只是……怎麼會是卡爾妲……」
他的目光停留在桌面上,像是在自言自語。
「再怎麼說,也該先來找我才對吧?」
「我是團長。」
「不管出了什麼事,照理說,都應該先找我這個負責人才對。」
布爾沒有立刻回答。
他同樣想不通。
「這個……」
他微微皺起眉。
「我也不知道。」
就在這時,門外響起兩聲敲門聲。
叩、叩。
「團長。」
「進來。」
一名團員推門而入,立正敬禮。
「團長,領主閣下請您過去一趟。」


(伊吉塔亞領主辦公室)

「閣下,您找我?」
斯凱爾走進辦公室,向領主敬了一禮。
領主沒有立刻開口。
他只是靜靜望著桌上的文件,辦公室裡一片沉默。
過了好一會兒,他才緩緩吐出一句:
「卡爾妲……被闇夜騎士團帶走了?」
「是。」
斯凱爾毫不遲疑地回答。
「什麼時候的事?」
「昨夜深夜。」
「理由?」
「涉嫌叛國罪,配合調查。」
斯凱爾停頓了一下,補充道:
「命令蓋有殿下的印章,我已確認過原件,不會有錯。」

領主沉默了。

他緩緩站起身,走到窗邊。
望著窗外的街道,低聲呢喃了一句。
「……怎麼會是她。」
他的聲音很輕,像是在自言自語。
又過了片刻。
他低低地吐出一句。
「本來……應該是我才對。」
斯凱爾一怔。
「閣下?」
領主回過神,輕輕擺了擺手。
「沒事。」

他重新坐回椅子上,恢復了一貫平靜的神情。
「知道這件事的人,有多少?」
「大約十人左右。」
斯凱爾回答。
「我已經交代過,在結果出來之前,任何人都不得外傳。」
領主點了點頭。
沉思片刻後,才開口:
「我會發布公告。」
「就說副團長受邀前往王都協助公務。」
「除此之外。」
他抬起頭,看著斯凱爾。
「任何人都不准多說一句。」
「是。」
斯凱爾低頭領命。
「先下去吧。」
「之後若有消息,我會再通知你。」

等到斯凱爾離開後,
領主整個人靠回椅背,長長吐出一口氣。
腦海中,只剩下一句話不停迴盪。

——殿下知道了。

除此之外,他實在想不到其他理由。

否則……
為什麼偏偏是卡爾妲?
為什麼抓的是騎士團副團長?
更重要的是——
為什麼是最強的那一個?

領主緩緩閉上眼睛。
卡爾妲是地方騎士團最強的戰力。
無論劍術、指揮,還是行政能力,都無人能及。
少了她,騎士團當然還能運作。
只是往後,大概也只能應付流寇、盜匪之類的小案子了。
……雖然,以目前的情況而言,也只剩這些事情需要處理。

相較之下,斯凱爾更像是騎士團的門面。
待人接物、對外交涉,幾乎沒有人比得上他。
但真正支撐騎士團日常運作的人,一直都是卡爾妲。
除了——錢。

想到這裡,領主的目光微微一沉。
他一直刻意不讓卡爾妲接觸財務。
不是因為不信任她。
恰恰相反。
正因為太信任,所以才更不能讓她碰。
萬一哪一天真的出了問題。
至少,騎士團的中樞還不至於一起垮掉。
……

結果現在。
偏偏最粗的那根主幹,被人硬生生抽走了。
而且……
還不知道能不能回得來。
領主慢慢握緊了扶手。

更糟的是。
如果接下來,再有戴著銀邊流星徽章的人出現在這座城市……
想到這裡。
他的背脊,不由自主地竄過一陣寒意。

他輕輕搖了搖桌上的鈴。
不久後,秘書推門走了進來。
「通知各關卡。」
領主恢復了一貫冷靜的語氣。
「即刻恢復原本的關稅。」
「是。」
「另外,通知騎士團。」
「把所有新式制服、武器與裝備整理統計,盡快送一份清單給我。」
「還有,把內帳整理好,一起送來。」
「明白。」

秘書正準備退下,卻像是忽然想起什麼,又停下了腳步。
「閣下。」
「副團長離開前,曾吩咐調查一個人。」
「王都今天回覆了。」
他從懷裡取出一份薄薄的文件。
「報告在這裡。」
領主伸手接過。
「知道了。」
「你先下去吧。」

辦公室再次恢復安靜。
領主低頭望向手中的文件。

整份報告,只有短短幾行。

莉潔.羅爾
伊吉塔亞附近艾斯庫圖村出身。
四年前前往王都。
其後資料無開示。

領主沉默地望著最後那一行。
——其後資料無開示。
不是沒有資料。
而是不開放。
那短短幾個字,在王國官場裡只有一個意思。

到此為止。
別再查了。

領主慢慢放下報告。
他不知道卡爾妲為什麼要查這個人。
但她偏偏在查到這裡之後,就被闇夜騎士團帶走了。
他望向窗外,低低嘆了一口氣。
「卡爾妲……」
「我們的副團長。」
「妳到底碰了什麼不該碰的東西……」


(稍晚.當日深夜,王女離開後的王都招待所)

卡爾妲剛洗完熱水澡,躺進柔軟溫暖的被褥裡。
她睜著眼,望著陌生的天花板。
明明眼皮沉重得幾乎睜不開,卻始終不敢讓自己睡去。
(今天……到底發生了什麼?)
昨夜深夜,她被一名女僕和一名見習騎士帶離伊吉塔亞。
手上戴著手枷,眼前蒙著遮眼帶。

一路上,她始終以為:
下一刻馬車就會停下。
然後被押下車。
跪在地上。
接著,身首異處。

直到喝下那碗濃湯、咬下第一口麵包。
她才第一次覺得。
自己或許真的能活著離開。
後來,手枷與遮眼帶都被解開了。
就連那位黑髮武裝女官,也只是遞了一杯水給她。
沒有審問。
沒有責罵。
更沒有她一路上想像過的刑求。
(闇夜……到底想做什麼?)

她試著整理今天發生的一切。
卻發現思緒越來越模糊。
眼皮也越來越沉。
最後。
意識像是慢慢沉入深海一般。
悄悄地失去了知覺。

就在這時。
原本留著一條縫的房門,輕輕地闔上。

「殿下。」
副官走回書房,向仍埋首公文的王女低聲稟報。
「卡爾妲睡著了。」
「是嗎?」
王女頭也沒抬,視線依舊停留在文件上,只淡淡應了一聲。
副官輕輕笑了笑。
「奈圖爾利夫的安神藥,效果還真不錯。」
王女一邊批閱公文,一邊隨口回答:
「我就知道,她今天晚上大概睡不著。」
副官無奈地嘆了口氣。
「殿下。」
「那可是原本給刑台上的罪人減輕恐懼與痛苦的藥,只是現在換成了濃度比較低的版本。」
「拿來讓人睡覺……真的好嗎?」
王女終於停下筆,抬起頭看了她一眼。
「她今天第一次來王都。」
「又是突然被闇夜帶走。」
「精神一直繃著,這樣反而比較好。」
副官聽完,只能苦笑。
「……也是。」

隨即,她伸手指了指另一份公文。
「殿下,這份也要簽。」
「知道了、知道了……」
王女接過文件,熟練地補上自己的名字。

簽完最後一筆後,她才輕輕放下羽毛筆。
望向窗外漆黑的夜色。
「明天開始。」
「還有很多事情等著她。」
她收回目光,語氣依舊平靜。
「今晚,就讓她好好睡一覺吧。」

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