ねぶと戦記 第二章|1920(大正9)年2月17日(火)〜22日(日)|
📓 1920年、17歳だった祖父が書いた日記を、 孫である私が、2026年の同じ日に紹介しています。
仮名遣いは今の表記にしています。
読めない字や謎ワードも時々ありますが、106年前の味ということで、ご理解ください。
🧭 この日のあらすじ
2月17日(火)
ねぶと(化膿性汗腺炎)のため学校を休む。
林で診察。膏薬を貼り、冷やせと言われた。薬局で氷のうを購入。冷やす。
2月18日(水)〜21日(土)
4日間、毎朝夕、林へ行きねぶとを絞ってもらう日々。
寝て過ごすことが多く、休養中心。
20日にはハッカ飴、21日にはキャラメルで少し糖分補給。
21日は診断書を学校に提出。膿は多く出るが、気分は良い。
2月22日(日)
ねぶとはほぼ回復。
卒業試験に向けて、英語(サップル、スタンダード)と漢文を少し予習。
夜にはおきょうさんが、寒暖計を買って来てくれた。
明日より登校予定。焦らず、衛生に注意して準備。
📅 日記本文
2月17日(火)
学校を休む。
夜、林へ行き診察してもらう。
こうやくを貼り、冷やせと言わる。
内山より、氷袋を買い冷やす。
2月18日(水)
休校。
朝夕、林へ行き絞ってもらう。
大抵、床についていた。
2月19日(木)
休校。
同前。
学校に届書を出す。
2月20日(金)
休校。
同上。
はっかだまを食う。
2月21日(土)
同上。
診断書を学校に出す。
うみが多く出る。
心持ち良し。
夜キャラメルを食う。
2月22日(土)
「ねぶと」は非常に良くなった。
故にそろそろ試験の準備を始める。
サップル、スタンダードは少し予習した。
漢文も少し予習する。
夜、をきょうさ来らる。
寒暖計を買って来た。
明日より登校するつもり。
試験が近づいたから、急がず準備をしようと思う。
もちろん、衛生に注意して。
📌 背景メモ
ねぶと
ねぶととは、いわゆる「おでき」のことです。毛穴などにばい菌が入って赤く腫れ、さわるとかなり痛みます。背中やお尻、太ももなどにできやすく、ひどくなると膿がたまります。自然に治ることもありますが、重い場合は治療が必要になります。
林
前日に行った後藤医院とは別。お医者さんか民間療法の人かは不明。
内山
安川通りにあった薬局
サップル/スタンダード
英語の副読本と教科書。
こんな感じ↓

右:スタンダード(鍾美堂1913年)
寒暖計
今でいう温度計。
明治から大正、昭和40年ごろまでは、温度計ではなく、寒暖計と呼んでいました。
💭 孫のつぶやき
昨日の日記では、ねぶとをだんじ(暖じ)て、温め、化膿を促進させていました。
まさに“熱→冷→絞り”の荒療治3連コンボ。
結果、治ったので、祖父のHP全回復ですね。
ハッカ飴やキャラメルの回復アイテムは、息子のために、お母さんが買って来てくれたのかもしれません。
前回は外科で切開して治しましたが、今回は別の方法で回復。
きっと祖父も、切開は避けたかったのでしょう。


