謎の29円|1920(大正9)年5月21日(金)|5月22日(土)|
📗 1920年(大正9年)の日記です。書いたのは18歳の祖父、読んでいるのは106年後の孫(私)。
旧制中学を出たばかり。小学校教員を目指して師範学校を受験したものの、残念ながら不合格。
来年こそ!と思いながら、親戚の家に居候しつつ、田舎の小学校で代用教員をしていた、初夏のころの話です。
ちなみに今日は2回目の給料日です。
🧭 この日のあらすじ
5月21日(金)
綴方(作文)の授業で「三角定規」の単元の批評をした。
そして待ちに待った給料日。お給料は26円38銭也。
5月22日(土)
午前中だけ授業をこなし、職員会・部落会とお勤めが続いて帰宅は夕方5時。
疲れた体でお風呂に入り、夜は下宿の障子の貼り替えまでやり遂げた。働き者の週末。
📅 日記本文
5月21日(金)
綴り方に三角じょうぎの批評をなす。
月給を受く。
5月22日(土)
授業2時間、職員会および部落会あり。
午後5時帰宅。
湯に入り。
夜、障子を張る。
📌 背景メモ
月給を受く
巻末の収支一覧表を見ると、この日の収入は26円38銭。
いまの価値にざっくり置き換えると、9〜14万円くらいでしょうか。
ちなみに先月は27円20銭。
今月、ちょっと減ってる。なぜ。
💭 孫のつぶやき
巻末の、5月収支一覧表を見てみました。
1日には筆・画紙・雑誌で55銭。
8日には「表紙ネリグリ」20銭。
(絵本を作った日の出費ですが、“表紙ネリグリ”って何。)
こういう細かい記録を見ると、18歳の暮らしが急に近く感じられます。
ちょっと覗き見している気分。
でも最大の謎は、13日の支出29円。
今月の給料は26円38銭。
給料より高い。
現代換算なら、ざっくり10〜15万円。
なのに日記には何も書いていません。
じいちゃん、給料1ヶ月分以上の大金、何を買ったの。
……と思ったのですが、前月の収支一覧を見ると、4月21日に受け取った給料27円20銭に対して、支出はわずか55銭。
どうやら、ちゃんと持ち越しはあったようです。
母の実家に居候中ですし、いきなり家計が火の車というわけではなさそう。
でも、29円の謎は残る。
もしかして、下宿代1年分、一括払い?

支出>収入

