#新社会人におすすめの本 (ニコマコス倫理学)
今日は書いてみたい企画を見つけたので、いつもと趣向を変えた記事にしたいと思います。
新社会人の皆さま、新生活おめでとうございます。
この新生活を迎えるまで、いろいろな日々があったと思います。今はどのような気持ちですか?ワクワクか、ドキドキか、生活の大きな変化に追われて何も考えられないか、不安でいっぱいか、全部が入り組んでマーブル模様か…。
どんな気持ちの人にもおすすめしたい本が、こちらです。
山本芳久著『NHK「100分de名著」ブックス アリストテレス ニコマコス倫理学』
ニコマコス倫理学とは
ニコマコス倫理学は、古代ギリシアの哲学者アリストテレスの倫理学を体系化したものです。「幸福論的倫理学」と呼ばれ、人間の行為や存在の究極目的は幸福にある、つまり「何のために幸福になるのか」とは問わず「幸福になる」ことが人間の行為の全てを支えている究極的な目的としてあるはずだと考えるものです。
仕事をすることと生きること
社会人になると、仕事をすることが生きていることの大部分を占めがちになります。どんな人も、生きていると行き詰まるときがあると思います。行き詰まったときの道しるべとして、この本をおすすめします。
仕事が楽しいときは、目の前にある業務の遂行を目的として前向きに行動することができます。わからないことがあるときには、業務の遂行という目的を達成するために、先輩に聞いたりマニュアルを調べたりすることを手段として行動します。
だけどもし、目の前にある業務の遂行のために行動することが当然にはできないという気持ちになったとき、何をどう考えたら良いのでしょうか。この仕事が自分に求められていることだから、この仕事をできない自分には価値がないから…まじめな人ほどそういった義務論的な感覚で行動しがちですが、特に今の社会ではその方法に限界を感じるように私は思います。
ニコマコス倫理学は、幸福という「最高善」にたどり着くための目的にも手段にもなる「善」を積み重ねて、徳を身につけることで幸福を実現すると考えます。
目の前にある業務を遂行するという善がどのように自分の幸福につながっていくのか、そこを見つめ直すことが、充実した仕事や人生に続く道だと思います。その業務と幸福をつなげる今見えていない何かを見つけるために仕事を続けることもよし、どうあがいても見つからないと感じたときには他の仕事に目を向けることもよしです。自分の行動と幸福をつなげるためのヒントを、この本から得ることができると思います。
人との関わり方
ニコマコス倫理学では「友愛」の大切さについても説かれています。私自身は、仕事で行き詰まったときに、友人からこの本を薦めてもらいました。
社会に出ると、人との関わり方に迷います。頼りすぎることも頼れないことも問題の解決を難しくします。気が合わない、プライベートでは絶対に仲良くならなかったはずの人と仕事をするときはなおさら難しいです。人との関わり方のヒントも、この本から得ることができると思います。
結び
ニコマコス倫理学は、あなたの悩みに優しく寄り添ってくれる哲学です。
あなたが自分を責めてしまってつらいときには、考え方を自分の中に取り入れて自分の幸せを追求してください。誰かのせいでうまくいかない気持ちでいっぱいのときには、相手はどのような幸せを追求しようとしてそのような態度を取るのか、相手との関係を整理するのに使ってみてください。整理した上で、相手の行動に対し自分はどのように対処するのか、自分の幸福に照らして考えてください。
ニコマコス倫理学の原著は難解で長文のため、わかりやすく解きほぐされているこの本がとてもありがたく、心からおすすめします。
