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第177回 マンション防災を考えよう 政府がマンション防災に関する予算を計上

皆様こんにちは。マンション防災研究所の城戸です。
このマンション防災を考えようのシリーズでは、マンションという集合住宅では戸建てとは違ったさまざまな設備や管理運営の仕組みがあることから、一般的な地域防災とは別の考え方が必要になる内容も多いため、「マンション防災」としての考え方をいろいろと考えています。

今回は、日本の政府のマンション防災に関する予算を計上に関する件です。
令和8年度の予算案として、内閣府防災担当および内閣官房防災庁設置準備室より令和7年12月に予算案が提出されていますが、この中で、マンションの防災に関する予算が計上されています。
https://www.bousai.go.jp/taisaku/yosan/pdf/r8_yosan_1226.pdf

この中には防災庁の設置・運営に関する予算や、地震、火山災害、土砂災害、水害、など災害発生に備えた対策費だけでなく、地域での防災力の強化や要支援者の避難に関すること、防災計画の充実などの準備に関する予算も入っています。
さらに、国や地方自治体を中心に防災を担う人材、防災のスペシャリストを養成するなどのシステムを整備すること、防災訓練や研究費なども入っています。

私の個人的に興味が湧いた項目としては、「船舶を活用した医療提供体制の充実」という施策について、令和7年度の予算が98百万円(9千8百万円)であったのが、令和8年度の予算では358百万円(3億5千8百万円)と大きくなっていることです。
これは令和7年にこの施策の整備推進計画が閣議決定された以降、本年度より本格的に施策が進行することを示しています。能登地震の発生により、地域によっては陸路の支援が寸断されてしまうため、船舶により海上から現地へ接近する方法が考えられ、特に携帯電話などの通信に関して船舶で移動基地局を運用したなどの事があったことで、島国である日本では必須の対策になっていくと考えられます。

そして注目すべきなのは、新規の予算として出現した、「マンション在宅避難の推進」です。予算額としては30百万円(3千万円)ですが、新規でマンションという具体的な名称が付いた施策が登場したことはとても大きな意義があると思います。

さて内容ですが、南海トラフ地震、首都直下地震などの想定において、マンションの防災訓練の実施が必要とされたことやマンションの密集地域においてはすべての住民が避難所に避難することが困難で鳴るという現状から、マンションの在宅避難を推進していく必要があるというのが目的です。

概要としては、防災への意識はマンションごとに異なり理解や取り組みが十分ではないことから、失策としてまず実行性が高く統一性のあるマンション在宅避難マニュアルを策定し、全国の自治体やマンション管理組合に在宅避難の浸透および定着を図っていくということです。

国が行うことなので、最初はどのような内容が在宅避難として必要なのかなどを調査会社等へ研究させ、その後に取りまとめた結果から、マニュアル等の作成を行うということであろうかと思います。

既にマンションの防災を考えている、試行錯誤しながら実践している方にとってはまだまだ国が追いつくのに時間がかかるかと思いますが、それでも国がマンションという言葉を使って防災に踏み出したことは大きなことだと思います。
防災庁設置準備室でも、マンションの防災は日本の住宅事情の中心であることから(特に首都圏などの大都市圏では)、喫緊の課題であるとの認識だと聞いています。

本年度をきっかけに、さらにマンションの防災に関する国の認識が進み、様々な施策が取れらることを願っています。

今回はここまでです。
次回は、東京大学の災害対策トレーニングセンターにおいて実施しているマンション防災のプログラム、マンションレジリエンスの受講者からの質問を取り上げてみたいと思います。またお読みいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

マンション防災研究所 所長
東京大学 生産技術研究所付属 災害対策トレーニングセンター
専門プログラム「マンションレジリエンス」講師
防災士 福祉住環境コーディネーター
城戸 学

マンションに限らず防災関連のセミナーや講演、コンサルティングなどのご依頼をお待ちしております。よろしくお願い申し上げます。

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